MVアグスタジャパンは、ユーロ5に適合させた798cc水冷並列3気筒エンジンを搭載するミドルクラススーパースポーツ『F3 ROSSO(ロッソ)』の国内販売を8月上旬から開始する。車両価格は239万8000円。ロッソが示す車名のとおり、鮮烈な赤のみの車体色となっている。
●文:山下剛 ●写真:MVアグスタジャパン
ミドルクラススーパースポーツの決定版ともいえる進化と熟成
先行して発表されたブルターレ800同様、F3ロッソに搭載されるエンジンはユーロ5に適合させたもので、798cc水冷並列3気筒エンジンを搭載する。しかしフルフェアリングを装備するスーパースポーツの特性に合わせ、最高出力は149psにまで引き上げられている。ミドルクラスならではの車体の軽さと相まって、F3ならではのパフォーマンスを発揮する。
あらためてエンジンの刷新点を挙げると、DLCコーティングを施したタペット、新素材を採用したバルブガイドによって摺動抵抗を軽減することで全回転域におけるエンジン効率を向上。吸排気系では、燃料注入圧力を3.5から4barへと高めた新設計のインジェクターを採用。エキゾーストシステムは、マニホールドからサイレンサーまで再設計し、全回転域でのトルクとパワーカーブを向上した。もちろんECUもアップデートされ、出力特性を最適化している。また、新採用のラジエターは冷却効率を5%アップしている。
フレームは、メインとリヤの接合部となるプレートを再設計。とくにスイングアームピボットを中心としてねじれ剛性と縦方向の剛性を高めた。これによりライディングの精度とフィーリングをよりいっそう洗練させている。
クラッチは、より堅牢な素材のバスケットを採用することで信頼性と耐久性を高めた。さらにクイックシフトEASは第3世代へと進化させ、新型センサーの採用によってシフトチェンジの精度を高めるとともにタッチも向上させている。
電子制御デバイスも大幅に進化した。e-Novia社がMVアグスタ専用に開発したIMUを採用。ここで得られた慣性データは、コンチネンタル社製コーナリングABSをはじめ、トラクションコントロール(8段階)、ウィリーコントロールなどの精緻な制御に活用される。
メーターは5.5インチのフルカラー液晶パネルとし、速度やエンジン回転といった基本的情報の視認性向上はもちろん、各種電子制御デバイスの設定確認も容易に行える。また、スマートフォンとの連携機能を持ち、エンジンマネジメントの設定変更、ツーリングのログ記録、ミラーリング機能によるターンバイターンナビゲーション機能を持っている。
車体色はアゴレッドの1色のみの展開だ。エンジン、フレーム、ホイール、ミラー、アンダーカウル後部などはブラックで、フェアリングのほとんどを鮮烈なレッドとしている。これによりMVアグスタのスポーツ性をよりアグレッシブに表現している。
MV AGUSTA F3 ROSSO[2021 model]
【MV AGUSTA F3 ROSSO[2021 model]】主要諸元■全長2030 全幅730 全高― 軸距1380 シート高830(各mm) 車重173kg(乾燥)■水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ 798cc 149ps/13000rpm 8.98kg-m/10100rpm 変速機6段 燃料タンク容量16.5L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●価格:239万8000円 ●色:赤 ●発売時期:2021年8月
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