ハーレーカスタムトレンドニュース:1台のカスタムマシンに込められた”和魂洋才”の精神〈トライジャ 地神〉

ハーレーカスタムトレンドニュース:1台のカスタムマシンに込められた"和魂洋才"の精神〈トライジャ 地神〉

ハーレーダビッドソンにとって、”カスタム”は切っても切れない楽しみのひとつ。ここではハーレー専門誌『ウィズハーレー』が、多くのオーナーの参考になりそうな最新カスタム車両を紹介する。今回は、オリジナルパーツ開発とフルコンプリートカスタムを得意とするトライジャ(大阪府)が手がけたスポーツスターだ。


●取材協力:トライジャ

“洋”の要素をまさに”日本の技術”でまとめあげた

日本古来の精神を大切にしつつ、西洋からの優れた学問/知識/技術などを摂取/活用し、両者を調和/発展させていくこと。我が国の四字熟語の中に「和魂洋才」という言葉があるのだが、今回、大阪のトライジャによって製作された1台は、まさにそれを如実に示すマシンと言えるかもしれない。

トライジャ代表の岡本佳之氏によると「走りを重視しつつもスポーツスターをワイドタイヤ化し、地を這うようなスタイリングとした」ことから「地神」と名付けられたこの1台であるが、冒頭の言葉どおりの印象を与える要因は、”和”を連想させるカスタムネームだけによるものではない。

スパルタンな黒一色で統一されているものの、卓越したディテールワークによって決して地味な印象を与えないこのマシン。やはりリアタイヤのサイズが迫力を醸す。

ハーレーダビッドソンというアメリカという国で生まれた素材に、同国のRSD製パーツやバンス&ハインズ製マフラー、フランスのEMD製パーツという”洋”の要素をまさに”日本の技術”でまとめあげている点にあるとでも言えばいいだろうか。黒一色のマシンといえば、どちらかというと地味な印象を与えがちだが、この地神はさにあらず。フレームのリヤまわりを大胆にカットし、そこに240幅のワイドタイヤを装着した姿は、かなりクールだ。

それを際立たせている要素として挙げられるのが、前述のフレーム加工と併せて、トライジャによりさり気なくワイド化されたスイングアーム。そしてストレートなドライブラインを保つべく、オフセットスプロケに合わせてマフラーを加工し、再構築。こうした細かな箇所のリファインが車体の完成度の高さに繋がっていることは言うまでもないだろう。

洋の東西……その2つの要素が高い次元で混在する、秀逸なる1台である。

EMD製のロッカーカバーやカムカバーを装着し、趣を変えたスポーツスターエンジン。マフラーはバンス&ハインズのヘルベントタイプ、エアクリーナーは純正オプションのハイフロータイプに換装され、吸排気チューンが施されている。

プライマリーもエンジン周りと同じくEMD製を装着する。

車体前部に取り付けられたチンスポイラー、メッシュが施されたオイルタンク、LED灯火類が埋め込み式となったリヤフェンダーやシートはトライジャ製ワンオフ。この違和感のない完成度はさすがである。

ハンドルバーはH-Dオプションのセパレートタイプとし、スイッチ類もRSD製に交換。

ホイール及びブレーキキャリパー、ローター、リアサスなど走行性に関わるパーツはすべてRSD製。このマシン最大の特徴である240サイズの太さを誇るタイヤも印象的だ。

リヤまわりのフレームをカットダウンした上でコンパクトなサイズのトライジャ製タンクを装着するこの1台。シンプルなスポーツスターの魅力がさらに強調されている。


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