ヤングマシンが運営する無料の会員メンバーシップ「ヤングマシン メンバーズ」では、会員の方々からリアルな愛車インプレッションレポートを募集している。本記事では”雲野風太郎”さんの愛車・’85ホンダXL600Rファラオを紹介しよう。
味のある1台を探して
30年来乗り継いできた愛車がいよいよご臨終を迎え、次なる1台を探していました。昨今のメカメカしい新車には触手が動かず、旧車で味のある車体をと某オークション等を検索していて、この車体に巡り合いました。
現代のゴテゴテの車体と違い、無骨さで個性と存在を主張するタンクとヘッドライトを備えたこの車両にひと目惚れ。パリダカブームの最中に登場したこの1台は300台限定で販売され、現在日本で稼働している現存車体は30台あるかどうかなんだそう。
10年ほど前にエンデューロレースから離れたオールドライダーには、これくらいのパワーバランスの車両が良いかも? この車体は以前の所有されていた方が10年ほど前に100万円ほどかけてレストアされたらしく、程度がとても良い1台。私見では不具合もなく、とても満足しています。
愛車のココがイイ!
なんと言っても乗り心地が絶品。フロントのエアサスも相まって、オンザレールのライントレース。現在の新車ではあり得ない肉厚シートのお陰で、タンデム同乗者からは「まるで高級ミニバンのよう」とお褒めの言葉をもらいました。片道300km超のツーリングでもまったくお尻が痛くならず、快適に走れました。
そしてパンクの際に対処しやすい前後チューブレス仕様なのが嬉しいですね。タンク容量も28Lで500kmを無給油にて走れるのもグッド。ライトをハロゲンからLEDに変更し、広角の広いレンズにて夜間の山間部走行はとても安心できています。
愛車のココが惜しい…
あえて挙げるならばエンジンとキャブレターの特性でしょう。4000rpm以上が上がりにくい上に高速の伸びが足りない。私のようなオールドライダーであれば、4000rpm以内でのシフトアップと3000rpm程度までの一定速度走行を心がけすれば、快適に走れて問題ない範囲です。とは言うものの、20代/30代の血気盛んなライダーだと、即日乗り換えと判断されてしまう程度のエンジン特性かと思います。
あとはシート高。肉厚シートと880mmの高さで身長170cmの私だと両足ツンツン状態なもので…。
愛車個別評価
- ポジション:スムーズに体重移動できるシートでオールラウンド
- エンジン:高速では振動がかなり手にきます
- ハンドリング:トレースはとてもスムーズで際立った不満はありません
- ブレーキ:リヤはドラムですが当たりを出しているのでディスク同様です
- メカ:不足は感じず質感のみ不満あり
- 総合評価:疲れないシートと大容量タンクで全て及第点です
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