文/写真:ゴーライド編集部(池田大二郎)
長年オンロード走行を楽しむライダーの中では、未舗装路の林道やちょっとしたダート道などを走る、いわゆる”オフロード走行”を一度もしたことがないという人はけっこう多いのでは? そんなオンロード走行オンリーでバイクライフを楽しんできたオフロード走行未経験者を代表して、オフロードマシン総合誌『ゴー・ライド』の編集スタッフ・だいじろーが、初めての林道ツーリングに挑戦した。その記念すべき地は、千葉県の有名林道・林道金谷元名線。超・オフロード初心者目線での林道レポートは、これからオフロードデビューする人は必見。詳細地図もついてるゾ!
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【オフロードマシン総合誌『ゴー・ライド』編集スタッフ・だいじろー】ここ数年の愛車はKLX250ファイナルエディション、そして現在はKLX230と一見オフ好きと見えるラインナップだが、実は林道ツーリング経験がまったくなかったことが最近編集部内で発覚。46歳を迎えての初林道ツーリングに挑戦する、アラフィフの星。
まずはオフロード走行に適した装備をゲット!
筆者はただのKLXシリーズ好き……ということで、これまで林道ツーリングなどのオフオフしたバイクライフとは皆無。でもそろそろ志を新たに”オフライダー”に昇格しようと、はじめての林道ツーリングに挑戦することにしました!!
視界良好なオフヘルメット&ゴーグル、操作性の高いグローブ、ほどよいホールド感のオンオフ兼用ブーツetc.
まずは、林道初心者のため必要なアイテムを揃えることに。ヘルメットは以前購入したものの使用していなかったHJCのオフヘルメット。ゴーグルは抜群のフィット感&100% UVカット/対傷/防曇/撥水加工、さらには眼鏡にも対応の上位モデル・DFGスロットルゴーグル2.0。
足元はオンロード・オフロードどちらにも使えるオールラウンドショートブーツで動きやすいのが特徴のFOXボンバーブーツをチョイス。グローブはマシンに合わせたカモカラーのダートパウグローブプリズム。高い機能性と安全性でコストパフォーマンスもバツグンでスマホもいじれるのだ。
今回購入したのは、ゴーグル6500円、グローブ4000円、初心者なのでまずはお手頃のブーツ2万4000円。
林道ツーリングを想定した装備品も用意
初心者なりに考えてバックパックに詰め込んだ装備品は、林道内でスマホの電波が圏外の場合を考慮しGoogleマップで場所を印刷したものと、転倒やケガなどの有事の際の連絡手段としてスマホ。そしてなにがあるかわからないからこそ、水分と非常食を携帯しておく。また、林道に入る前には仲間にメッセージを送ることも忘れない。もちろん地名&林道名もしっかり明記だ。
林道周辺はオンロードツーリングで勝手知ったる房総であるが、一歩林道に足を踏み入れたら完全に未知の世界。なので、林道にスポットをあてた地図は持った。また、オフロードゴーグルに合わせて、普段はレンズの大きい眼鏡を使用しているが、ゴーグルにあう眼鏡も用意。
“林道入り口を見つけること自体が初心者には難しい”という事実
さて、「あとは林道に向かうだけ!!」と準備万端意気込みつつ筆者が向かったのは、首都圏の定番林道のひとつであり、初心者でも安心なフラットダート林道だという千葉県の「林道金谷元名線」。
東京から出発すること100kmほどで到着し、館山自動車道「富津金谷IC」から下りた瞬間に、その入り口があるという。他の林道と比べてもかなりわかりやすく、林道の入り口を探すのに慣れていない林道初心者にはやさしいルートだという。
が、実際のところ、高速を降りた瞬間に林道入り口がポッコリとあるわけではなく、富津金谷ICを降りてトンネルを越えたすぐ右手に突如それらしき入り口が現れた。これは、事前に入り口の風体を聞いていなかったらそのまま通り過ぎてしまうか、本当に入っていっていいのか迷ってしまうほど。
“林道入り口の雰囲気”というものがなんとなくわかるようになるまでは、初心者には林道を走る以前に林道入り口にたどり着くことのほうが難しいのでは……と、超・初心者の筆者は思った。
「富津金谷IC」を下りてトンネルを越えたすぐ右手が林道入口。看板は入口にあるので情報として確認しよう。
ついに相棒とともに林道デビュー!!
林道入り口にたどり着き、持ってきたGoogleマップを見る。マップでは林道の途中で道の表記がなくなっており、正直にいうとかなり不安な心境なのがホンネ……。
初心者オッサンが林道体験記をリポートすることによる、林道に興味あるオフライダーのすそ野の拡大と、定番林道の最新情報を読者の皆様レポートするのが今回のミッションなのさ、と自らを奮い立たせる。
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【KAWASAKI KLX230】かつての250シリーズとは異なりサスが硬めにセッティングされており、初心者レベルの林道にはバッチリとハマる。林道までの高速安定性もすぐれており、”ちょっと遠出の林道遊び”には最適の1台だ。●価格:49万5000円
千葉・林道金谷元名線を完全詳解
「林道金谷元名線」は、基本的には鋸山などの一連に広がる登山道のため、”上り→頂上→下り”という展開になっている。
ログを取れる「ライダース・スクエア」アプリを使うことで、道なき道もログ化してくれて、詳細な林道ルートがわかった。
<MAP スタート>林道金谷元名線の林道入口。ここからしばらくは舗装路が続いている。
<MAP 2>ここからダートに切り替わる。小石が広がる程度のなだらかな未舗装路が続く。岩山のため壁には岩盤が広がり迫力がある。そのため路面にはときおり石ころがチラホラと。石ころに注意だ。
<MAP 3>ダートを数キロほど走ったところに突然広がる広大なスペース。林道ライダーの集合場所にもなっているという。確かにこのスペースはわかりやすい。左側も広大な草原が広がっている。突然の切り替わる景色にはちょっと驚いた。
<MAP 4>いよいよココからマップに掲載されていないルートへ。緊張しながらしばらく走るとT字路にぶつかる。左側の道を行くと「林道金谷竹岡線」の看板があったが、この先は倒木により完全封鎖となっていた。なので右側の山頂方面に向かうことに。
<MAP 5>このあたりから頂上までが結果的にもっとも荒れていたルート。平坦なダートが凹凸に、そして岩場が増えてきた。
<MAP 6>岩場が目立ってくる。濡れている岩に注意して、凹凸の少ないラインをトコトコ走った。初心者ゆえの、ロー・ギヤ維持走行……。
<MAP 7>ついに頂上に到着!! 頂上には記念碑が建立され、脇には登山道が続いている。まずは水分を補給してホッとひと息。…が、ココが頂上ということは、この先から先は下りに。ちょっと休憩して下り体制に気持ちを切り替える。そう、初心者は下りのほうがコワイんです。
<MAP GOAL>山頂あたりから下山まで携帯が圏外に(※iPhone)。なので、事前に連絡を入れた仲間に無事下山のメッセージを送っておこう。この連絡を怠ると余計な心配をかけてしまうし、次回以降、また連絡を忘れているだけ…と思われ、実際トラブルにあった場合に助けが遅くなってしまう危険性もある。
林道完走! 走っている時は終始緊張で身体はガチガチだった
…というわけで、ついに初の林道突破!? 超初心者ゆえ、林道ダート部分が終わり舗装路に出た時の安心感は、これまでになく格別なものだった。思っていた以上に緊張で身体が硬くこばわっていたり、恐怖心からローギヤで攻めてしまったこともあり普段では感じない疲労感も大きく、実際に「楽しかった!!」と思えたのは、帰りの道中からじわじわと。
今回の林道ツーリングレポートが、これからオフデビューをする人たちの一助になれれば幸いだ。
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