●文:ヤングマシン編集部
●車両ブランド別アーカイブ:ドゥカティ
日本車を置き去りにする全面本気モードの開発魂
オン〜オフロード、日常域〜ツーリングスポーツと、あらゆる道を制覇するムルティストラーダは、第4世代を迎えこれまでにない大進化を遂げた。
ついにV4化を果たしたエンジンは、最大で170psを発揮するだけでなく、なんとバルブクリアランスの点検は6万km、オイル交換は1万5000kmごとという驚異的なメンテナンスサイクルを実現。おなじみライディングモードやIMU連動のトラクションコントロール、よりライダー感覚に最適化されたギヤレシオなども抜かりはない。車体面もアルミモノコックフレームに変更。剛性と軽さの両立が図られた。しかし、なんと言っても目玉は量産車世界初となるレーダー搭載だろう。前後に搭載されたセンサーが他車をキャッチ。アクティブクルーズコントロールや死角検知システムを搭載し、特に高速道路移動時の安全性が大きく高まることとなった。
これらにより比類ないツーリングマシンとなった第4世代ムルティストラーダには、さらに上級版の「S」や「Sスポーツ」も揃う。
【DUCATI MULTISTRADA V4/S/S SPORT】■水冷4ストV型4気筒DOHC4バルブ 1158cc 170ps/10500rpm 12.7kg-m/8750rpm ■装備重量243kg シート高840/860mm 変速機6段 燃料タンク容量22L ■タイヤF=120/70ZR19 R=170/60ZR17 ●価格:調査中 ●発売時期:調査中 ※諸元はV4S
ムルティストラーダV4Sスポーツ
【ラインナップは3タイプ】STDの他に、セミアクテイブの電子制御スカイフックサスEVOやコーナリングヘッドライト、ナビゲーション連携機能などさらに多数の電制機器が充実した「S」と、Sにアクラポヴィッチサイレンサーやカーボンフロントフェンダーが加わった「Sスポーツ」の3タイプがラインナップ。SとSスポーツではメーターも大型サイズとなっている。
全車装備しているデイタイムランニングライト(DRL)は日本でも法改正により認可開始。欧州と同仕様で国内導入となるはずだ。

【’20 DUCATI MULTISTRADA 1250S】V2の先代は’10年のフルチェンジでオールラウンダーとしてのコンセプトを獲得し、オフロード性能を拡大。’15で可変バルブタイミングに進化していた。
ムルティストラーダV4シリーズ ディテール徹底解説
驚異の“メンテ間隔6万km”を達成した脱デスモV4
“V4グランツーリスモ”と名付けられた1158ccのV型4気筒エンジンを搭載。単体66.7kgという超軽量さや、バルブメンテナンスサイクル6万km&オイル交換1万5000kmといった驚異的なスペックは時代の最先端を行く。
1速はオフや街中で有利な低速域を、6速は快適巡航のために高速域を伸ばすようギヤレシオが設定され、カバー範囲に磨きをかけた。
クラス最強170psを達成したエンジン。V2→V4化で小さくなり、単体66.7kgという超軽量さを誇る。
【羽根で熱対策】エアロダイナミズムを一段と極めた外装には、ウイングレット状のフィンも採用。エンジンの熱も効果的に排出して快適性に貢献する。
【アルミモノコックフレーム】近年のドゥカティが得意とするアルミモノコックに生まれ変わったメインフレーム。キャスター角は24.5度に設定され、コーナーでの最高の制度と素早いレスポンスが狙われた。
【スリムな両持ち】剛性と軽量化のバランスを狙って従来の片持ちから両持ちとなったスイングアーム。タイヤはピレリ製スコーピオントレール2を履く。
【Sは最新電子制御サスペンション投入】S以上にはスカイフックサスペンションEVOを搭載。電子制御のセミアクティブでリアルタイムに路面に応じた自動調整を行ってくれる。
TFTカラー液晶は2サイズあり
STDには5インチ、V4SとV4Sスポーツには6.5インチのフルカラーTFT液晶メーターを搭載。
スマホと接続して電話や音楽を管理できるDMS機能のほか、S以上ではナビゲーションアプリのMAP表示にも対応する。ここで設定できるスポーツ/ツーリング/アーバン/エンデューロのライディングモードでは、トラクションコントロールやABSも包括的に調整してくれる。
マップやスマホ連携、ライディングモードの設定などがフルカラーで表示される。
バイク初のレーダー防衛
2輪初のレーダー搭載(S以上)により、前車との距離に応じて自動で速度を調整するアダプティブクルーズコントロール機能(ACC)と、後方死角からの他車接近を知らせるブラインドスポットディテクション機能(BSD)を搭載。ACCは30~160km/h、4レベルの車間距離から設定できる。
【死角検出も実装】BSD(ブラインドスポットディテクション機能)は、ミラー内にあるLEDの点滅で死角にいる車両の存在を警告。後方から接近する車両も検知できるので、高速道路での追い越し時も便利。
【自在なジョイスティック】左手元のスイッチボックスは直感的に操作しやすいようリファイン。アダプティブクルーズコントロール用の+/-ボタンも新設されている。
【スマホ専用の防水室】燃料タンク上部にはUSBポートを備えた蓋付きのコンパートメントがあり、ここにスマホを収納して充電しながら走ることが走ることが可能だ。
【ローシートは810mm】シート高は840mmと860mmの2ポジションから選択可能。オプションで810mmのローシートと875mmのハイシートも用意される。
【充実したオプション】スッキリ着脱できるパニアケースなど純正オプションも充実。ホイールは3タイプとも工場オプションでワイヤースポークを選ぶことができる。
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