日本車も見習うべき驚異のチャレンジ精神
BMWボクサーツイン系の旗艦グランドツアラー「R1250RT」が’21でマイナーチェンジを敢行した。…と言っても、ただの熟成ではない。世界初の先進装備を満載し、魅力が倍増しているのだ。
【’21 BMW R1250RT】■水冷4スト水平対向2気筒DOHC4バルブ 1254cc 136ps/7750rpm 14.59kg-m/6250rpm ■装備重量290kg シート高805/825mm 燃料タンク容量25L ■タイヤF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●価格:調査中 ●発売時期:調査中※諸元は欧州仕様
第1のポイントは、レーダーセンサー。ドゥカティ ムルティストラーダV4と並ぶ2輪初の装備で、前車との車間距離を自動で維持するアダプティブクルーズコントロールを実現した(オプション設定)。
そして第2のポイントは、10.25インチの液晶メーター。ノートPC並みの大画面で、ナビまで表示可能だ。さらに、なんとスマホ専用コンパートメントも完備。冷却用の電動ファンを備え、ワイヤレス充電までできる。
もちろん外観のリフレッシュや、ユーロ5への適合、走行モード追加などベース車の魅力アップにも余念がない。
同シリーズは、’78年の初代R100RT以来、常に当代の最新装備を与え、ジャンルをリードしてきた。その精神性は、現代においても継承……どころか、むしろ激化したと言っていい。
【カラーバリエーション】ベーシックなソリッド白のほか、ライン入りのメタリック白を設定。さらに、メタリックブルーとメタリックカーキの計4カラーが選べる。

【前モデル:’20 R1250RT】’19で1200→1250に新生し、可変バルブのシフトカムを搭載。安定感に優れたテレレバーほか数々の快適装備を誇る。
巨大液晶にレーダー、スマホ室まで投入
メーターはアナログ2眼+モノクロ液晶の従来型に対し、10.25インチのフルカラーTFT全面液晶を標準採用。これほど巨大な液晶パネルは、クルマでの採用例こそあるが、バイクでは初となる。高速通信を実現したWi-Fiでインカムやスマホなどと連携でき、BMWモトラッド製アプリを使えばナビのマップをメーター上に表示可能。ナビやスマホをハンドルにマウントせずに済む上に視認性もバツグンで、まさに革新的な装備だ。電脳としては、走行モードに”Eco”を追加し、エンジンブレーキ制御が可能なProライディングモードをオプションで設定した。
【これは便利! 設定モードとの分割表示もOK】分割表示など様々なパターンが選べる。速度など必要な情報は上部に示しつつ、マップを最大にしたり、設定画面や機能の同時表示も可能。大画面ならではの利点だ。
【レーダーセンサー初搭載】周囲をセンシングしたレーダーおよびIMUの車体情報を元に、ACCのユニットが前後連動式ABSやエンジンを制御。車間距離を適切に調整する。
【2輪で世界初、追従式クルーズコントロール】クルーズコントロールを標準装備。さらにレーダーで前車との車間距離を保つ、2輪初のアダプティブクルーズコントロール(ACC)をオプションで設定した。ノーズにボッシュ製センサーを搭載し、車間距離調整ボタンで前車との距離を3段階から調節できる。
【高級サルーン並みの上質コクピット】巨大液晶パネルの左右にスピーカー搭載スペース(写真では非装備)、クルマ風のミラーが鎮座。まさに高級車の趣だ。スピーカーは新型となり、オプションでイコライザー付きの高品質なオーディオシステム2.0も設定した。なお液晶は非タッチパネルで、左手元のジョグダイヤルで操作する模様。
【スマホ専用ストレージ】メーター右下にスマホ専用ルームを設置。冷却用の電動ファンで熱暴走を防ぎ、USBタイプAソケットを備える。さらにワイヤレス充電まで可能だ。
【上下にもグリグリ動くコーナリングライト】フェイスは全面刷新。丸2眼でモダンな先代(写真左)に対し、新型(写真中)はツリ眼の4灯+小顔でイメチェン。空力特性も向上した。さらに’21R1250GSも採用した新型コーナリングライトをオプションで設定。バンク角に応じ、光軸を左右だけでなく、上下方向にも自動調整して先を照らす新機構だ。
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