話題騒然のホンダ「ハイネスCB350(H’ness CB350)」がインドで発表されてから一夜、さっそく公式ページができたようなので詳細をお伝えしたい。空冷単気筒エンジンは事前の予想どおり、かなりのロングストロークだった。価格は発表時の映像で現地スタッフが口頭で発表していたものだ。
空冷350cc単気筒を搭載、ライバルはロイヤルエンフィールド、そしてJAWA(ヤワ)だ! 新開発の空冷単気筒エンジンを搭載するホンダの新ネオクラシック「ハイネスCB350(Highness CB350[…]
2グレード構成で、価格は19万ルピーから
2020年9月30日に行われたオンライン発表会で、ホンダの「ハイネスCB350」が発表されたのは既報通り。その後しばらく時間を置いてからプレスリリースと公式ページの情報が入ってきたので続報をお届けしたいと思う。
ちなみにハイネスCB350の綴りについては、プレスリリース内にH’ness CB350またはHighness CB350と記述されている箇所がある。ただ、車両ロゴまわりなどに使われているH’ness CB350のほうがかなり数は多く、こちらが正式な車両名ということになりそうだ。
まず価格について。公式HPには『DLX』および『DLX Pro』という2グレード構成であることが記されているが価格については表記無し。オンライン発表時に口頭で「ワンポイントナイン……」と述べられていたことから1.9 lakhと思われ、日本の表記に直せば19万。現地メディア等で掲載されている価格も19万ルピーであることから、これが正式価格と見て間違いなさそうだ。
19万ルピーは日本円換算で約27万3000円。仮に日本で発売された場合の価格を占うために、ホンダのラインナップからちょうどいい比較対象になるバイクを探したが見つからず。日本生産のアフリカツインが現地価格135万5000ルピー(約221万円)だったりするが、これは参考にならないだろう。とはいえ、かなり戦略的な現地価格であることを考慮しても、日本発売時に60万円程度に収まることが期待できる、もしくはもっと安いかも? と思わせるプライスタグである。
本誌では日本での発売の可能性も高いと睨んでおり、発売時期については来春というセンが濃厚だ。このあたりは情報収集を続けたい。
ボア×ストローク[70mm×90.5mm]の衝撃! 前19/後18インチホイールを採用
続いて、明らかになったスペックについても解説していこう。何より衝撃的なのは、空冷単気筒エンジンがかなりのロングストローク設定だったこと。ティーザーの時点でもサウンドだけは公開されており、そのトントントンというリズムや低回転での粘り感からロングストローク傾向であることは疑いようもなかったが、なんと348.36ccにして90.5mmという長大なストロークを誇ることがわかったのだ。
ハイネスCB350のボア×ストロークは70mm×90.5mm。これがどのような数値かというと、スクエアに近い弱ショートストロークのヤマハ「SR500」の87mm×84mmよりもストロークが6.5㎜長いほど。ちなみにSR400はもっと短い87mm×67.2mmだ。
ボア×ストローク比で言っても、ロングストロークで知られたカワサキ「エストレヤ(250)」の66mm×73mmがボア×スト比1.106であるのに対し、ハイネスCB350は1.293という数値である。さらに思いつくまま比較車両を挙げていくと、カワサキW800(773cc)の77mm×83mm/ボア×スト比1.078、ハーレー883(883cc)の76.2mm×96.8mm/ボア×スト比1.270、ウルトラリミテッドが搭載するミルウォーキー114エンジン(1868cc)の102mm×114mm/ボア×スト比1.118などと比較しても、さらにロングストロークであることがわかる。これはシングルエンジン好きにはたまらないだろう。
これは完全に妄想だが、仮にこの90.5mmのストロークのままピストン径を同じφ90.5mm、つまりスクエアとした場合の排気量は約582cc。ケース側にどの程度のマージンがあるかはわからないが、チューニングの可能性についても思いを馳せずにはいられない。
ホイールサイズは前19/後18インチで、タイヤサイズは前100/90-19/後130/70-18となっており、クラシカルなバイアスタイヤが選びやすそう。Y字7本スポークのキャストホイールなので、もちろんチューブレスだ。
そのほかにも、判明した装備を列記していこう。まず灯火類はフルLED。エンジンは前述のようにロングストロークで、シリンダーをクランク軸の直上から前方にオフセットし、フリクションロスを低減している。バランサーは2つを内蔵し、アシスト&スリッパークラッチやセルフスターターも装備する。
電子制御関連では、オン/オフ可能なホンダセレクタブルトルクコントロール(HSTC=いわゆるトラクションコントロールシステム)、前後2チャンネルABSを標準装備。ホンダスマートフォンボイスコントロールシステム(HSVCS)によるナビゲーション等のコントロールが可能(DLX Proのみ)なほか、メーターには平均燃費、リアルタイム燃費、バッテリー電圧計、ギヤポジションインジケーター、燃料警告灯が点灯してからの推定走行可能距離、サイドスタンド警告灯などが表示される。
2グレードある『DLX』と『DLX Pro』の違いについては、DLXがモノトーンカラーとシングルホーンユニット、HSVCS無しであるのに対し、DLX Proはツートーンカラー、デュアルユニットホーン、HSVCS有りとなっている。価格の違いについては今のところ発表なしだ。
HONDA H’ness CB350[2021 model]
【HONDA H’ness CB350[2021 model]】主要諸元■全長2163 全幅800 全高1107 軸距1441 最低地上高166 シート高800(各mm) 車重181kg(装備)■空冷4ストローク単気筒SOHC 348.36cc ボア×ストローク70mm×90.5mm 圧縮比9.5 21ps/5500rpm 3.06kg-m/3000rpm 変速機5段 燃料タンク容量15L■キャスター27°05′/トレール120mm ブレーキF=φ310mmディスク+2ポットキャリパー R=φ240mmディスク+キャリパー不明 タイヤサイズF=100/90-19 R=130/70-18 ●インド現地価格:19万ルピー(換算約27万3000円)~ ●色:DLX=赤、緑、黒/DLX Pro=黒×灰、青×白、黒×銀
●情報提供:Honda Big Wing India ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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