日本車の絶頂期だった’80年代の名車たちに“高騰”の波が押し寄せている。超プレミアマシンと化した’70年代車のような状況ではまだないものの、現実的な価格で入手できる時間的猶予はそう長くないだろう。本記事ではビックシングルで一部のユーザーから熱烈な支持を得たヤマハ SRX600/400とホンダGB500TT/400TTの状況をレポートする。
※本記事に掲載されている車両価格等は、取り扱い店舗における’20年6月時点の情報です(関連写真提供:グーバイク)。
本物の味わいが出たいま、日本のビンテージを楽しむ
セルもカウルもDOHCも不要。その代わり日常域の痛快な運動性だけは譲らない。――レプリカ全盛時代に思い切ったコンセプトで登場したSRX。エンジンに沿うフレームと当時では珍しいショートマフラーほか優美なデザインは、VMAXなどを手掛けたGKダイナミクス・一条厚氏の作。名デザイナーと技術者が切磋琢磨した賜物で、今こそひときわ輝く。
ヤマハ SRX600/400:GK一条厚氏のデザイン遺産
- 相場:50万円前後(約70~92万円)
- タマ数:極少 ※データは600
現行の国産ビッグシングルはSR400のみ。スポーツできる大型のSRX600は特に貴重だ。好事家以外は魅力を認識しておらず、価格は程度相応。安いタマもあるが、上玉はそれなりの値段を覚悟したい。ただし新車の流通が少なかったため、タマは選びにくい。一方400はタマが豊富で値頃感高し。
サンプル1:貴重な初期型400の場合
リザーバータンク付きのリヤサスを備える初期600に対し、400はタンクなし。初期型は相場も安め。
サンプル2:600後期型の場合
タマがあり、人気が高いのは’90以降の後期型。相場は40万円から、上玉やフルカスタムは60万円以上。
サンプル3:国内/逆車で差はない?
20年乗れるようエンジンやキャブをオーバーホール、足回りも徹底整備後に納車するという車両。相場より高いのも納得。
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