H2Rよ、お前もか! カワサキ自らが「特殊なクローズドコース専用モデル」と謳うNinja H2Rは、スーパーチャージドエンジンを搭載するモンスター中のモンスターバイク。排出ガス規制の影響は受けないはずのマシンだが、兄弟車のニンジャH2とともに生産終了となりそうだ。
スーパーチャージドエンジン搭載、量産車最高の馬力キング 2015年に200psを引っ提げて初登場したニンジャH2は、2017年に205ps、そして2019年モデル以降には231psにパワーアップしたモ[…]
310ps/14000rpm(ラムエア加圧時326ps)という途方もなさ
前記事のとおりカワサキはニンジャH2カーボンの2021年モデルを発表。これにともない、兄弟車であるニンジャH2Rの2021年モデルも同時発表した。H2Rは、231psのH2が霞むほどのハイパワー、310psを発揮する怪物マシンである。
公道バージョンであるニンジャH2は、デビュー時こそ200psだったものの2017年モデルで205ps、さらに2019年モデル以降は231ps/11500rpmとし、そのフルパワー車が日本国内仕様として販売されている。
しかしその200→205→231psとしたモデルチェンジも、H2Rが持っている本来のポテンシャルの開放度合いを変えただけなのでは、と思わずにはいられない。市販車のニンジャH2をベースにクローズドコース専用モデルのH2Rをつくり上げたのか、まず制限のない状態でH2Rをつくってから公道向け市販車に適合させたのか……。
スチールトレリスフレームは2車ともに基本を同じくし、H2Rはレーシングマフラーなどのほか、ミラーの代わりにウイングを装備するなどして、クローズドコース専用モデルとしている。今までに海外メディアによる「メーター読み400km/h」や、ヤングマシン本誌による「実測350km/h超え」などを実現してきただけでなく、テイストオブツクバなどのレースに出場する酔狂なレーシングライダーも生み出した。
という具合に、ニンジャH2Rは公道から切り離されたクローズドなエリアで、ある種異様な存在感を放っていたわけだが、この記事のタイトルにもある通り、公道モデルのニンジャH2とともに生産終了を迎えそうな気配だ。
なぜなら、ニンジャH2Rのメディア向けリリースにも「※次年度モデル以降の国内導入予定はございません。」の文言が盛り込まれているからだ。H2Rがナンバー取得不可能=排出ガス規制の適用外である点、つまりモデルチェンジが必ずしも存続の条件ではないことを鑑みれば、わざわざ“次年度以降は予定なし”と宣言していることこそがニンジャH2&H2Rの生産終了を示す状況証拠のひとつである、と見做すべきなのだろう。
価格は605万円(一応据え置き)で、スペックにも変更なし。予約受付期間は2020年9月10日~2020年10月21日となっている。たとえ買ったとしても、どこで乗るのかという問題や維持管理のハードルの高さはついて回る。それでも手に入れたいというチャレンジングなライダーのために、カワサキは最後の受注生産を行うのだ。納車時期は2021年6月以降順次となっている。求ム、漢!
KAWASAKI Ninja H2R[2020 model]
【KAWASAKI Ninja H2R[2020 model]】主要諸元■全長2070 全幅850 全高1160 軸距1450 シート高830(各mm) 車重216kg■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 998cc 310ps/14000rpm(ラムエア加圧時326ps/14000rpm) 16.8kg-m/12500rpm 変速機6段 燃料タンク容量17L■タイヤサイズF=120/600R17 R=190/650R17 ●価格:605万円 ●色:ミラーコート黒 ●予約受付期間:2020年9月10日~2020年10月21日 ●納車時期:2021年6月以降順次 ※公道走行不可 ※保証対象外品 ※カワサキモータースジャパンが認定した「Ninja H2R 取扱指定店」のみの取扱い
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