2020年モデルは通常のラインナップとして発売されたカワサキ「Ninja H2 CARBON」だが、2021年モデルは再び期間限定受注モデルとして発売される。諸元や価格に変更はないが、発表されたリリースには気になる文言が……。なんと、次年度(’22)モデル以降の国内導入予定はないという。
310ps/14000rpm(ラムエア加圧時326ps)という途方もなさ 前記事のとおりカワサキはニンジャH2カーボンの2021年モデルを発表。これにともない、兄弟車であるニンジャH2Rの2021年モ[…]
スーパーチャージドエンジン搭載、量産車最高の馬力キング
2015年に200psを引っ提げて初登場したニンジャH2は、2017年に205ps、そして2019年モデル以降には231psにパワーアップしたモデルが、ついに国内仕様としてフルパワーのまま導入されるに至った。
スーパーチャージドエンジンをスチールトレリスフレームに搭載し、量産車最高となる怒涛のパワーと、まるで鏡のような特別な塗装を独自路線のデザインと組み合わせた車体は、他に類を見ないモンスターバイクとして羨望の眼差しを浴びてきた。まさしくニンジャZX-14Rの後継モデルにふさわしい、カワサキのフラッグシップマシンである。
2021年モデルは価格が据え置き、主要諸元に変更もなく、カラーリングもそのまま発売される。インタークーラー不要の高効率スーパーチャージャーによる231馬力の並列4気筒エンジンや、各種電子制御によるライダーサポートに加え、ETC2.0標準装着といった国内仕様ならではの装備も変わらない。
2019年モデルは受注期間限定、2020年モデルは通常ラインナップとして販売、そして2021年モデルは再び受注期間限定モデルという取り扱いになる。もちろんカワサキプラザネットワークによる専売だ。
さて、ここまではニューモデル情報として普通の話であるが、今回はある点において様子が異なる。というのも、カワサキのプレス発表資料には「※次年度モデル以降の国内導入予定はございません。」とあるからだ。
ようするに2022年モデル以降の国内仕様は発売されないということなのだが、これが事実上の生産終了宣言とも取れる。現状でいえば、ニンジャH2のエンジンはユーロ4排出ガス規制に対応しているのみで、2022年以降に販売される新車に義務付けられているユーロ5には未対応。つまり、少なくとも2021年モデルまでのニンジャH2は(日本向けや欧州向けについては)そのまま継続生産することができないわけだ。
しかし「次年度モデル以降の導入なし」となると、新型へのモデルチェンジの予定もないということになる。こうした要素を重ね合わせてみると、これがニンジャH2の生産終了を示唆していると受け取らざるを得ないのである。
ただし、望みが全くないわけではない。ハイパーツアラーの「ニンジャH2 SX」やスーパーネイキッドの「Z H2」が搭載するスーパーチャージドエンジンはニンジャH2と系統の異なるもので、ユーロ5に対応しながら200psを発揮する。カワサキさえその気になれば、これをベースとすることで、いつでも新型ニンジャH2がつくれるはずだからだ。
メーカーを問わず、『ファイナルエディション』と名付けたマシンであっても期間を空けて復活する例は少なくない。それを実現させてきたのはファンの声という後押しだった。ただ、今回はファイナルエディションの文言もなく、むしろカワサキは状況証拠で生産終了を静かに伝えてきているかのようでもある。実用性も兼ね備えるH2 SX系に道を譲るのか、それとも……。
予約受付期間は2020年9月15日~2020年10月15日で、予約状況によっては予定を変更する場合もあるという。期間を過ぎてしまった場合は、お近くのカワサキプラザに相談してみてほしい。
KAWASAKI Ninja H2 CARBON[2021 model]
【KAWASAKI Ninja H2 CARBON[2021 model]】主要諸元■全長2085 全幅770 全高1125 軸距1455 シート高825(各mm) 車重238kg■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 998cc 231ps/11500rpm(ラムエア加圧時242ps/11500rpm) 14.4kg-m/11000rpm 変速機6段 燃料タンク容量17L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=200/55ZR17 ●価格:363万円 ●色:ミラーコート黒 ●予約受付期間:2020年9月15日~2020年10月15日 ●納車時期:2021年4月以降順次 ※ETC2.0標準装備車
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