’20年のホンダWEBモーターサイクルショーで初公開された、CB750Fモチーフの現代版「CB-Fコンセプト」。そのベース車となるホンダCB1000Rとはどんなマシンなのか、あらためておさらいする。
ベース車CB1000R:軽くてキビキビ走る、裸のファイヤーブレード
CB1000Rは、いかにもホンダらしい正統派のスポーツネイキッドだ。’04初代CBR1000RRベースの水冷直列4気筒エンジンは、軽く吹け上がり、右手の動きにダイレクトに、開けた分だけ車体を前に押し出してくれる。加えてパワーバンドが幅広く、柔軟性に富んでおり、ギヤが高めでも十分な加速を発揮。歴代CBに連綿と流れる直列4気筒の醍醐味に溢れている。
車体は軽量コンパクトで、挙動もクイック。寝かし込みが軽く、とにかくキビキビ動く。それでいて軽薄ではない。前後輪とも高い接地感を伴いながら旋回でき、ライダーの意志通りコーナーを駆け回れる。ソリッドに効くブレーキ、カッチリ変速するシフターもキレのよさに貢献。CBらしいスポーティさに満ちたマシンだ。CB-Fの細かい仕様は未発表だが、市販されれば同様の走りが期待できるだろう。
【軽く前傾してスポーティ、足着きも悪くない】上体がやや前傾する。高さは腰骨の上程度だが、ハンドルに絞りがほぼなく、肩幅より少し開くため、やや遠い。シートとフレームが絞り込まれているため、足着き性は両つま先の腹まで接地する。[身長168cm/体重61kg]
【Point1:最強を誇ったRRエンジン】初代CBR1000RR(SC57)はレースで勝つためのマシンで、フルパワー172psを発生。CBでは公道向けに調教済みだが、やはりパワフル。【Point2:スッキリ隠れるバックボーンフレーム】スチールバックボーンフレームを採用。適度にねじれる、公道に適した特性に加え、メインフレームが隠れるのでネイキッド向きだ。【Point3:エアクリが低いホリゾンタル吸気】エアクリーナーボックスをタンク位置に割り込ますダウンドラフトと違い、CB1000Rの水平吸気はタンク上面の高さを抑えられるのでエフに最適。【Point4:ネオ感際立つモノアーム】ホンダお得意の片持ち式プロアームは先進的なイメージで、見た目の軽快感も演出できる。懐古だけじゃない、新しいCBらしさをアピール可能だ。
保安部品はどうなる?
コンセプト版は保安部品を備えないが、モダンカフェであるCB1000Rの各装備は、実に現代的。これをそのまま市販版エフに活かしても、似合うのか微妙なところだ。もちろん新作の専用品が望ましいが、価格とのバランスもある。どうなるか要注目だ。
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(左)U字型にライン発光するLEDライトが特徴。新生Fでは形状やデザインが変更されるハズ。(右)U字や円をあしらったフル液晶メーター。コンセプトでは角型の薄い液晶メーターだった。
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(左)現代的かつ機能的なスイッチボックス。Fコンセプトはモックアップでシンプルな配置だった。(右)テールを小さく見せるスイングアームマウントホルダーを採用。エフには似合わないだろう。
CB1000Rのスペックから見るFへの期待
ライバルと比較すると、CB1000Rは最軽量。パワーもカタナと遜色ない。車体構成がほぼ同じと予想される新生エフの市販版も走り自慢となりそうだ。一方でCB-Rは価格帯が突出して高め。どれだけ抑えられるかが課題となる。
(※ CB-Fコンセプトが装着していたリヤタイヤサイズ )
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【CBブランドの今後は?新生Fから再構築も?!】 空冷のCB1100はまだユーロ5に適合しておらず、販売も絶好調とは言い難い。ユーロ5が全面適用される’21年型で終了しFにバトンタッチか。CB1300は電スロでユーロ5適合との噂。CB400も継続する可能性が高そうだ。
●文:沼尾宏明 ●写真:真弓悟史 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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