勢いを増すホンダ原付二種ラインナップに、CT125ハンターカブが新たに加わったのは2020年。発売後もその人気ぶりから品薄が続いており、2021年現在も購入のタイミングによっては納車までかなりの時間がかかることがあるという。そんなとき、約10万円安く、すぐに買えるクロスカブ110は有力な比較候補になるかもしれない。はたしてコスパで勝るのはどちらなのか?
●写真:本田技研工業
CT125ハンターカブ[44万円] vs クロスカブ110[34万1000円]
人気沸騰のCT125ハンターカブは、すでに多くのユーザーが走りだしているが、現在でも場合によっては納車までそれなりの待ち時間が発生することもあるようだ。ところで、検討中もしくは様子見の方々からは時々「高い」という声も。実際のところどうなのか、比較対象になりそうなクロスカブ110と合わせて考えてみたい。
クロスカブ110は、スーパーカブ110をベースにオフロードテイストの外装を与え、ひと回り太い前後タイヤなどで走りを整えたもの。CT125ハンターカブがスーパーカブC125をベースとしているのと同じく、カブ系の派生オフロードタイプと言える。
2車を比べてすぐに目につくのは、アップ/ダウンマフラーやディスク/ドラムブレーキといった違いだが、車体のディテールを見ていくと、かなり異なったマシン造りになっていることがわかる。
もっとも大きな違いはフロントまわりだ。クロスカブはアンダーブラケットのみでフロントフォークを保持するユニットステアであるのに対し、ハンターカブはアッパーブラケットを持つ、いわゆるモーターサイクルタイプのフロントフォークを持っている。これにより、フロントまわりの剛性が向上しているのは間違いなく、さらに副次的にはヘッドライトのハンドルマウント実現にも貢献しているはず。クロスカブの場合、この高さのヘッドライト位置にマウントするにはユニットステアゆえにフレームマウントとせざるを得ないからだ。
また、ハンターカブのエンジンに沿うように取りまわされたガードパイプやエンジンアンダーガードの存在も見逃せない。クロスカブではこれらを装備しておらず、オフロードを走る場合にはグラウンドヒットなども想定して追加購入したくなる。
もちろん、前後ディスクブレーキ+ABSやアップマフラーといったハンターカブの装備も魅力的。このあたりを踏まえれば、約10万円差は妥当でこそあれ、けっして「高い」とは言えまい。もちろん、「そこまでのオフロード性能はいらないよ」とか、「クロスカブのスタイリングが好き」ということであれば、34万1000円で買えるクロスカブ110も十分に魅力的だ。ハンターカブにはない「くまモンバージョン」の存在も気になる。
エンジンに関しては、排気量の違いに加えて、ハンターカブはさらに低速トルク重視の特性になっている。最高出力は0.8ps差にすぎないと思われるかもしれないが、走行フィールはけっこう違っていて、ハンターカブはトルクフルかつ弾け感がある。例えるならタタタタッという感じの鼓動感だ。一方、クロスカブは振動が少なく、フルルル~という感じで回転が上昇していく。鼓動感はそれほどでもないが、なんともいえない味わいがあって面白い。
ハンドリングも、エンジンの弾け感に見合った車体剛性を感じさせるハンターカブに対し、昔ながらのスーパーカブの延長線的な穏やかさを見せるクロスカブといったところ。
さて、結論といこう。「ハンターカブは本当に高いのか」という問いに対しては「妥当もしくは安い」と言えそうだ。なぜなら、クロスカブ比での価格上昇分を納得させるだけのエンジン&車体、そして現代的な装備を持っているからだ。
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クロスカブ110はカスタムで可能性が広がる
走行性能ではハンターカブに対して不利なクロスカブ110だが、約10万円の価格差を生かしてカスタムやツーリング費用に当て込むのも手。下記に紹介する2台は、日本一周を果たした下川原リサさんのプライベートカスタムと、2019年の東京モーターサイクルショーのヤングマシンブースにて出展したアウトドア仕様カスタムだ。
日本一周仕様を見て気付くのは、サイドバッグの装着にはダウンマフラーが有利かもしれない、ということ。また、ヘッドライトの上のキャリアにキャンプ道具などを積載した場合でも、フレームマウントゆえにハンドリングへの影響が最小限で済む。さらに経済性も加味すれば、積極的にクロスカブ110を選ぶ理由も確かにある。
モーターサイクルショーに出展予定だった「CT125 ハンターカブ」カスタム3変化!
こちらは、発売前のCT125ハンターカブにカスタムを施した3車。SP武川によるスクランブラー仕様、キタコによるドレスアップ仕様、そして各メーカー合作によるストリート仕様といったところだ。それぞれに装着しているパーツもリストアップしているので参考にしていただきたい。
まずはSP武川によるカスタム車から紹介していこう。
CT125 ハンターカブ[SP武川仕様]
SP武川仕様はスクランブラーテイストを強めたもの。ヘルメットホルダーには旧ハンターカブこと「トレールCT110」 にオプション設定(海外)されていたサブタンクが装着可能との情報も。
CT125 ハンターカブ[SP武川仕様] ■スクランブラーマフラー:5万600円 ■ナックルガード(ブラック):6380円 ■ハンドルガード(ブラック):8250円 ■サブフレームキット(ブラック):1万6500円 ■リアフェンダーキット(ブラック):9680円 ■クロムメッキレバー(ブレーキ):4378円 ■ビレットワイドステップキット:(シルバー)1万8480円 ■ステンレスステップジョイント:3080円 ■クッションシートカバー(ブラック/レッド):4180円 ■リアショックアブソーバー(クロムメッキ/ブラック):1万1650円 ■ステムナット(ブラックナット/レッドキャップ):3300円 ■メインスイッチカバー(シルバー):1078円 ■マスターシリンダーガード(レッド):3080円 ■オイルフィラーキャップ(ブラック):2420円 ■ジェネレータープラグセット(ブラック):4620円 ■アルテックブルトキット(レッド):550円 ■ライセンスプレートボルトセット(レッド):2310円 ■LEDフォグランプキット(2個セット):2万1780円 ■ヘルメットホルダー:1万4080円 ■Zミラーセット(ショート&ミドルアーム付):4180円 ■アクセサリーバーエンド(SUS):4180円
CT125 ハンターカブ[キタコ仕様]
キタコ仕様のCT125ハンターカブは、各種ビレットパーツによるドレスアップが印象的だ。アクセサリー装着用のマルチパーパスバーなど実用的なパーツも多数。
CT125 ハンターカブ[キタコ仕様]オイルフィラーキャップ タイプ1 ゴールド:3960円 ■バーエンドキャップ レッド:5280円 ■ビレット削り出しレバー(右)ブラック:5500円 ■キーボックスカバー レッド:1210円 ■ハンドルアッパーホルダー レッド:7150円 ■ヘルメットホルダー ブラック:3080円 ■ハンドルブレース ブラック:7700円 ■タイミングホールキャップSET レッド:4180円 ■右ケースカバーリング レッド:9900円 ■リアショック レッド(2個必要):7040円 ■スキッドプレート ブラック:2万6400円 ■マルチパーパスバー:4620円 ■ブッシュガード ステンレス:1万8700円 ■センターキャリア:7700円
CT125 ハンターカブ[合作カスタム仕様]
最後に紹介するのは、モリワキマフラーやSP武川のピリオンシート、キタコのハンドルブレースなど、カスタムパーツメーカーを跨いだ合作カスタム仕様だ。タンデムの使い勝手などを考えると、ストリート仕様と言ってもいいのかもしれない。
CT125 ハンターカブ[合作カスタム仕様]モリワキ CT125 MONSTER BLACK:6万3800円 ■モリワキ OIL FILLER CAP M20×P2.5 CROWN Ti:3850円 ■モリワキ MASTER CYLINDER CAP SS Ti GOLD:3850円 ■モリワキ HOLDER, HANDLE UPPER Ti GOLD D22.2×P80:7150円 ■デイトナ ヘルメットホルダー:3960円 ■SP武川ピリオンシート(ブラック):7920円 ■SP武川ステムナット(ブラックナット/シルバーキャップ):3300円 ■SP武川2ピースバーエンド(ブラック/シルバー):4290円 ■SP武川アジャスタブルステップキット(シルバー):1万5180円 ■SP武川クッションシートカバー(ダイヤモンドステッチ/ブラック):5280円 ■キタコ ハンドルブレース シルバー:7700円 ■プロト BIKERS プレミアム アジャスタブルフロントブレーキレバー チタン:1万780円 ■デイトナ サイドバッグサポート(左):3960円 ■デイトナ サイドバッグ:7480円
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