正式発表までカウントダウンが進んでいるカワサキ Ninja ZX-25R。久しぶりに復活する250cc4気筒マシンの実力を再検証すべく、往年のZXR250(’90)と最新のNinja400(’20)を比較する本特集、前ページのサーキットラップタイム計測に続き、本ページではのコーナーなしの直線路0-1000m全開加速テストの結果をお届けする。
●文:伊丹孝裕 ●写真:真弓悟史 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
'80年代後半から'90年代初頭に全盛を誇ったクォーター4気筒とは一体どんなマシンだったのか? それをあらためて体感するために袖ケ浦フォレストレースウェイに持ち込んだのが、'90年型のカワサキZXR2[…]
0-1000m計測結果
【テストコース:日本自動車研究所】0-1000m加速テストではJARIの城里テストセンター内にある総合試験路を使用。全長1500mの直線コースだ。●茨城県東茨城郡城里町大字小坂字高辺多1328-23
ただ開けていればいいってもんじゃない?
サーキットではコーナリングスピードという武器があったZXR250だが、直線路の0-1000m加速ではなす術なし。最高出力と最大トルクの優劣を埋めることはできず、ミッションがややハイギヤードなことも手伝って、5速や6速の領域になるとエンジン回転数を上まで押し上げることができなかった。
「絶対的なパワーもそうだけど、250は高いスキルとエンジン特性を見極めるセンスが必要。何回転でシフトアップしていけばいいかがギヤによって異なるため、それに失敗すると回転数が落ち込み過ぎて加速が鈍るでしょ? この排気量だと、それが大きな差になってしまう。スタートも1万回転以上でクラッチをつなぐから、負担をかけないように、でもロスなくダッシュできるように……と、そのサジ加減が難しいところ」(丸山氏)
「半クラッチとか、パワーバンドをキープするなんて、いつの頃からかまったく気にしなくなったし、ましてエンジン回転数を500回転刻みで意識することなんて今は皆無。でも、ZXR250を上手く加速させるにはそれが必要で、この感覚は久しぶり。体のセンサーをフル稼働させる感じが新鮮ですね。その点、Ninja400はイージーに操れるため、ストレスなく誰もが楽しめるはず」(伊丹氏)
排気音に関しては、これはもうZXR250の圧勝だ。山間に響き渡るそれは、1.5秒のタイム差や10km/hの速度差を帳消しにして余りあるもの。なんだかんだ言っても、音もまたバイクにとって大切な性能のひとつなのだ。
250cc4気筒の実力再検証する本特集、次ページではZXR250とNinja400を比較したサーキットテスト&0-1000m全開加速テストの結果をまとめた上で、新型Ninja ZX-25Rの可能性を探ってみる。
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