オンもオフも、街乗りもロングツーリングもを楽しめるアドベンチャーモデルは、近頃特に勢いのあるカテゴリー。本ページではヤマハの4台、国内未導入モデルのトレーサー700、トレーサー900 ABS/GT ABS、市販化まで長らく待ったテネレ700、XT1200ZEスーパーテネレの4台を紹介する。
●文:沼尾宏明、宮田健一 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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トレーサー700:YZF-R顔になって精悍さが倍増
並列2気筒を持ったMT-07の兄弟車となる「トレーサー700」は、’20でYZF-Rシリーズのようなフロントフェイスとなってモデルチェンジ。同時に吸排気系や点火系の見直しで最新のユーロ5への対応も果たした。最高出力は従来より1kW下がって54kW(73.4ps)となったが、二次減速比の見直しで高レスポンス型へと味付けを変更。車体面もフロントフォークのスプリングレートを最適化したほか、前後サスともプリロードと伸び側ダンピング調整機構が与えられて、ルックスに見合う刺激的な走りに応えられるようになった。一方、片手で高さを調整できるスクリーンやシート形状、メーターなどに手が加えられて快適性能もアップ。より魅力的となった。従来から日本国内へは未導入となったままのモデルだが、ぜひとも新型になった’20では日本仕様投入に期待したい。
トレーサー900 ABS/GT ABS:従来の猫目顔のままカラーチェンジ
MT-09の並列3気筒エンジンとフレームを受け継いだツーリングモデル「トレーサー900 ABS/GT ABS」。ストロークの長いサスペンションを持ち、シート高も2段階に調整できるなど、オンロードを中心にマルチパーパスな舞台で活躍できるマシンだ。2段階+OFFのトラクションコントロールや3段階パワーセレクトといった電子制御を採用。上級版のGTにはシフトアップ方向へのクイックシフターも装備されている。またGTには、ロングスクリーンやフルカラー液晶メーター、フルアジャスタブルの倒立フロントフォークにリモートタイプ・プリロード調整式のリヤショック、さらにはクルーズコントロールやグリップヒーターまで、よりツーリングを快適にしてくれる装備を満載。’20欧州仕様は新色にカラーチェンジとなった。
テネレ700:国内仕様は’20年夏か
ラリーレイドスタイルの本格オフロード対応アドベンチャー「テネレ700」の新作。独特の4眼LEDヘッドライトが特徴的だ。開発にはパリダカ経験のあるライダーなども起用し、世界中の過酷なシチュエーションでテストを続け、その走破性には並々ならぬ自信を見せる。エンジンはMT-07系だが独自にチューン。車体も専用設計で、鋼管ダブルクレードルフレームにフロント21インチ&リヤ18インチの足まわりを持つ。FIやABS以外の電子制御は持たないシンプルな構成で、どんなところからも帰ってこれるアドベンチャー本来の信頼性を旨としている。タンク容量は16Lで満タンで350km+αの連続走行が可能。’20年夏の発売を目指して日本国内仕様も準備中となっている。
XT1200ZE スーパーテネレ:国内は’19在庫限りで終了
1200cc並列2気筒を持ち、最上級のオールラウンダーを目指したアドベンチャーツアラー「XT1200ZEスーパーテネレ」。日本に入荷しているZEは、電動調整式サスペンションを持ち、微調整を入れると84通りものセッティングが可能となっているのが特徴だ。ただスーパーテネレの日本への正規輸入は’19在庫限りで終了となることが決定。欲しい人はお早めに。
オンロードに加え、オフロードの走りも意識した、”旅力”の高いアドベンチャーモデルは近頃特に勢いのあるカテゴリーだ。次ページではスズキのVストローム1050/XTとVストローム650、カワサキのヴェルシス1000SEの3台を紹介する。
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