セローよりもダート走行を楽しみたい人へ

’20 カワサキ KLX230 試乗インプレッション【手軽に遊べて奥が深い、オフロード入門に最適なバイク】

  • 2019/12/19
KAWASAKI KLX230 メイン

“闘う4スト”ことKLX250の生産終了から3年、カワサキが久しぶりに国内の軽二輪クラスのデュアルパーパス車を発売した。新開発の空冷シングルエンジン&フレームを採用した1台で、クローズドコース専用モデルと同時に開発されたことからも、ヤマハ・セローとは目指している方向性が異なることが分かる。試乗してその実力を測った。

[◯]本格的な足まわりで攻めのダート走行が可能に

ずいぶんと大きなヘッドライトが印象的なKLX230。完全新設計のエンジンは232ccの空冷SOHC2バルブシングルで、最高出力は19psを公称。これをフルサイズと呼ばれるフロント21インチ/リヤ18インチホイールの車体に搭載する。

KAWASAKI KLX230
【カワサキ KLX230】主要諸元■全長2105 全幅835 全高1165 軸距1380シート高885(各mm) 車重134kg ■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ 232cc 19ps/7600rpm 1.9kg-m/6100rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量7.4L ■ブレーキF=ディスクR=ディスク ■タイヤF=2.75-21 R=4.10-18 ●価格:49万5000円 ●色:緑、黒
KAWASAKI KLX230
【オフロード走行を誰もが楽しめるように設計】ホイール径はヤマハ・セローと同じフロント21、リヤ18インチで、前後とも軽量なアルミリムを採用。標準装着タイヤはIRC・GP-21F/22R。燃料タンク容量はセローの9.3Lよりも少ない7.4Lで、Rモデルは6.5Lとなっている。
KAWASAKI KLX230
シート高はセローより55mmも高いが、座面がタンク上面までほぼフラットなのでポジション移動がしやすい(身長175cm 体重62kg)。

スペックが近しいことから、直接のライバルはヤマハのセロー250だと思われがちだが、またがった瞬間からコンセプトの違いを実感する。足着き性のいいセロー(シート高830mm)に対し、KLXはシート高が885mmと高く、しかも乗車1Gでの沈み込みも少ないため、信号待ちでは緊張感が漂う。車体が軽いので慣れれば問題ないが、乗り降りも含め最初は戸惑う可能性大だ。

FIを採用するエンジンは非常に元気がいい。そう感じさせる最大の要因はレスポンスの良さで、スロットルの開け始めから快活に吹け上がる。それと、バランサーを採用していることもあって、単気筒ながら高回転域の振動は過大ではなく、高速道路では100km/h巡航も十分にこなせる。ただし、高速域での余裕となると、排気量がほんの少し大きいセローに軍配が上がる。それも含めてコンセプトの違いが明瞭だ。

KAWASAKI KLX230
【新開発の扱いやすい空冷シングル】ほぼスクエアな67×66mmというボア×ストローク値の232cc空冷SOHC2バルブ単気筒。6段ミッションやバランサー、セルモーターなどを採用し、スロットルボディ径はφ32mm。低~中回転域での出力を重視したエキゾーストパイプ長に設定。

舗装路の峠道では、大きなピッチングと軽い車体を生かすことで、スーパースポーツ顔負けの高い旋回力を引き出すことが可能。これについてはセローも同様ではあるが、KLXの方がサスセッティングも含めて車体がしっかりしている印象で、元気のいいエンジンと合わせ、スポーティさで上回っていると感じた。

KAWASAKI KLX230
【サスストロークはセロー並み】φ37mm正立式フォークは220mm、リンク式のリヤは223mmというホイールトラベル量を公称。ブレーキディスクは前がφ265mm、後ろがφ220mmで、デュアルパーパスABSを標準装備。
KAWASAKI KLX230
【フレームも完全新設計。エンジンと同時に誕生】メインチューブに角断面パイプを使用した高張力鋼セミダブルクレードルフレーム。オフロードでの使用を前提に開発され、脚でホールドしやすいようにと配慮もされている。

もちろん、オフロードでの走りもいい。私はさほどダート走行は得意ではないが、それでもタイトなターンでテールスライドさせられるほどに車体とエンジン双方のコントロール性が優秀だ。加えて、ボッシュと共同開発し、カワサキ車では初採用となるデュアルパーパスABSの作動も違和感がなく、これもビギナーに自信を持たせる要因のひとつだ。

今回、高速を含む150kmを走行しての燃費は約31km/Lと良好で、経済性は高いと言えるだろう。ベテランのセカンドバイクとしても最適な1台だ。

KAWASAKI KLX230
標準装着のブロックタイヤはダートでの食い付きが良く、長いサスストロークと合わせて初心者でも安心してオフ走行が楽しめる。
KAWASAKI KLX230
【ブレースの付いた本格的なハンドル】純正アクセサリーでバーパッドを用意。左右のレバーとも調整機構はなし。丸型のミラーはステーが短いために後方視界はあまり良くなかった。
KAWASAKI KLX230
速度計やバーグラフ式の燃料計、積算&距離計×2に時計という非常にシンプルな液晶メーターを採用。
KAWASAKI KLX230
【KXシリーズに通じる水平基調デザインだ】モトクロッサーKXシリーズで培ったフラットなタンク&シートデザインを踏襲。シートはRモデルよりも幅が広い。左のサイドカバーは脱着可能で、中に車載工具を収納。
KAWASAKI KLX230
明るさ重視の大型ヘッドライトは60/55W のハロゲン球を採用。テールランプは対照的にコンパクトだ。日本仕様のウインカーはクリアレンズとなる。
【クローズド専用のKLX230Rも設定】ホイールトラベルを前30mm、後ろ28mm延長し、Fディスクを25mm小径化。エンジンセッティングを変更し、保安部品省略やスイングアームのアルミ化などで19kgも軽量化される。 ●価格:51万7000円

[△]本格的に過ぎるため、足着きとロングに難あり

ポジション移動を優先したボディワークにより、どの位置に座っても足着き性はあまり良くなく、さらに座面も狭いため途中からお尻が痛くなった。ミラーによる後方視界の悪さも街乗りでの評価を下げる一因なので、あらかじめ知っておこう。

[こんな人におすすめ]セローよりもダート走行を楽しみたい人へ

クローズドコース専用モデルと同時に開発されたことからも、セローとは目指している方向性が異なることが分かる。とはいえ、かつてのKLX250よりも明らかに間口が広く、誰もがダート走行を楽しめる。余裕があれば1台欲しい。

●まとめ: 大屋雄一 ●写真: 真弓悟史
※取材協力:カワサキモータースジャパン

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大屋雄一

大屋雄一

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『ヤングマシン』にて厳正なる新製品テストを担当するベテランモーターサイクルジャーナリスト。

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カワサキ KLX230

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※ 価格は全国平均値(税込)です。

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