今回のポイントは『峠越えの古道』『適度な荒れ具合』 そして舞台は、福島県の南会津地域。しばらく通行止めの情報が出ていた古桧峠林道が開通したと聞き調査。残念ながら富貴沢林道は通行止めだった。
写真&文:谷田貝 洋暁
古桧峠(こびとうげ)林道 旧道の峠越えは冒険気分満点!
往来が少なく廃れ気味だからこそおもしろい
名前のとおり古桧峠を越え、針生と会津荒海を結ぶダート9.5kmの歴史のある道……。なのだが、少し南側に同じように尾根越えし、幅広で整備の行き届いた広域幹線林道・七ヶ岳線ができたことで、峠道としての役目はほぼ終了。
それだけに往来は極端に少なく、道幅が狭いのはもちろん除草などの整備も頻繁には行なわれていない様子。とくに峠を越しての北側、支線2までの数百m区間は、「本当に抜けられるのか?」と不安になるくらい暗く鬱蒼としており、アドベンチャー気分が盛り上がる。ただ路面そのものは意外としっかりとしており、ロードバイクであっても少々腕に覚えがあれば、なんとか抜けられそうな難易度。
また古桧峠林道で面白いのが、作業道を含めた支線探索。南側の入り口で分岐し、七ヶ岳線へと接続して、ぐるりと一周できる5.6kmの富貴沢線をはじめ(今回は通行止)、数本の支線が接続している。北側の国道289号へ抜けた段階で走り足りなければUターンで再突入。内部で網の目のように発達した支線はガソリンが不安になるくらい走り回ることができる。しかも、鴨沼付近のアタック系廃道に、ワイドオープンが楽しめる七ヶ岳線と、バリエーションも豊富。ドロドロになるまで遊んだら、中荒井駅近くのコイン洗車場で車両をキレイにしてから帰るとしよう。
古桧峠周辺マップ 以降、マップの番号やアルファベットに合わせてポイントを紹介していきます。
逆からのアプローチ 国道289号の橋が目印!
支線1(0.8km)
古桧峠のY字路B を左へ、中の森岳(1217m)に進むような支線1。林業作業道のようで、路面は締固められておらず、ふかふかとしている。ロードバイクではちょっと難しそうだが、オフロードマシンならとくに問題なし。少々ヤブっぽくなってきたな?と思う0.8kmで行き止まり。ただし終点部分は広場のようになっており、らくらく転回可能。
支線2(2.7km)
古桧峠から0.9km。ダート開始地点から3.9km地点にある分岐点D を右へと折れる道が支線2。取り付け部は舗装されているが、すぐにダート化し、勾配もそこそこあるので路面も荒れ気味。オフロードマシンなら楽しく走れるだろうし、ロードバイクでもなんとかなるだろう。この林道は約3km続き、畑を経て国道289号に出る。
支線3/4 仮称:鴨沼林道(4.4km)
前号で紹介した広域幹線林道七ヶ岳線に、この支線3と支線4で接続している。またこの支線自体もかなり奥は深く、山中に入り込めば鴨沼と呼ばれる溜池があったり、その奥はアタック系の廃道が続いていたりなかなか面白い。ただし、この林道の鴨沼以南を探索するなら、2人以上のパーティを組むほうが無難だし、楽しめるだろう。
古桧峠のマップはこちらから
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