性能と買いやすさの好バランス、ダウンサイジングが潮流に

令和に買いたい!【650/750/900ネイキッド MT-09/07、CB650R、Z650、SV650、etc】2019ニューモデル大集合

ヘリテイジ系と真逆の現代的かつ過激なルックスを持ち、SS由来の強心臓を搭載するモデルも多数――。「ストリートファイター」や「スーパーNK」と呼ばれるマシンが居並ぶリッターネイキッドが幅を利かせてきた中、2014年に登場したMT-09がダウンサイジングの流れを決定的に。そのMT-09の最新型をはじめ、オーバー600cc~アンダー1000ccの間に魅力的なモデルが揃う。

レースレギュレーションに縛られない自由なバイクたち

847ccの並列3気筒という、レースから離れたことで手に入ったオリジナリティあふれる排気量×エンジン型式で支持を集めたMT-09。レースで高出力を追求する必要がないことからエンジン剛性も、そしてフレーム剛性もそれほど高める必要がなく、その軽さはスーパースポーツ以上。とはいえ十分なハイパワーでもあり、瞬く間にオーバーリッターのビッグネイキッドから主役の座を奪っていった。

同様の流れは他メーカーにも起こり、先に紹介したCB1000Rなどのリッタースポーツネイキッドとは、似たような排気量帯のようでいてきちんと棲み分けが成立している。シンプルで軽量なアンダー1000ccと、ハイスペックなリッタークラスは、価格帯も異なることから直接的にはライバルという構図にならないのでだ。

650cc~750ccクラスも見逃せない。こちらはさらに軽量で、扱いやすい2気筒エンジンを搭載したものが多く、価格もグッと抑えられている。電子制御もABSなど最小限とされているものが多く、そのことに好感を抱くユーザーも少なくないだろう。

そんな中では、CB650Rはやや異色と言えるかもしれない。トラコンやABSだけでなく、このクラスでは外国車くらいしか搭載していないクイックシフター、それもアップ/ダウン両対応のものをオプションとはいえ設定しているのだ。

ヤマハ MT-09/SP:鋭い姿と走りを見せる3気筒パフォーマー

トルクフィーリングに優れる水冷並列3気筒エンジンを軽量な車体に搭載したスポーツモデルで、そのエンジンは欧州仕様とほぼ同一の116psを発揮し、アシスト&スリッパークラッチやアップ方向のクイックシフター、それに3段階パワーセレクトのD-MODEや2段階+OFFのトラクションコントロールシステムを装備している。猛禽類を思わせる鋭いヘッドライトは4眼LED。上級版のSPは、フロントにKYB&リヤにオーリンズの専用サスペンションを装備。他にもダブルステッチのシートやツートン塗装など専用装備を持つ。

【YAMAHA MT-09 2019】主要諸元■水冷4スト並列3気筒DOHC4バルブ 845cc 116ps/10000rpm 8.9kg-m/8500rpm 193kg 14L シート高820mm ●価格:100万4400円
細身の横長液晶メーターを採用。タコメーターはバーグラフ式となる。SPでは表示部が反転液晶となり、STDより質感が高まっている。
[MT-09]’19欧州STDは新色のアイスフルオに加え、チームヤマハブルーとマットブラックの計3色を発表。国内’19にも反映される見込みだ。
[MT-09 SP]●価格:111万2400円
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ヤマハMT-09 vs MT-07

カワサキ Z900:シンプルにスポーティさを追求

ネオクラシックのZ900RSと兄弟車となるヨーロピアンスタイルのスポーツネイキッド。Z1000の「Sugomi」デザインを継承したクラウチングスタイルのライディングポジションを持ち、エンジンもZ1000をベースに設計された948cc直4となる。最高出力は125psを発揮。トラコンやパワーモードは非搭載だが、ABSやアシスト&スリッパークラッチ、それに国内仕様にはシート下にETC2.0車載器も標準装備している。贅肉をそぎ落とした分、100万円を切る車両価格が魅力的だ。

【KAWASAKI Z900 2019】主要諸元■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 948cc 125ps/9500rpm 10.0kg-m/7700rpm 210kg 17L シート高795mm ●価格:95万400円
3通りの表示パターンが選べるアナログスタイルの回転計とデジタル表示の速度計が同居。中央にはギヤポジションインジケーターが配置される。
LEDのテールランプは“Z”パターンに点灯し、Zシリーズの力強くスポーティなイメージを演出する。リヤシート下には収納部も確保。
車体色は緑フレームのブラックの他に、赤フレームとなる灰×黒ツートンの2種類を同価格でラインナップしている。
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カワサキ×ジャパンレジェンズ ZXR900:市販化前提のレプリカカスタム

’18EICMAにスペインのカスタム企業“JAPAN LEGENDS”が参考出品したモデルで、Z900に市販を前提に開発中のパーツを装着したもの。’80~’90年代のZXRレーサーをモチーフとしている。バーハンドルを逆さに付けることでセパハン風に見せたり、シートやテールランプを純正流用するなど、低コストでガラリと雰囲気を変えられる工夫がしてある。日本で買うには直接スペインとやり取りをする必要があるが、このデザインなら所有してみたいと思わせるに十分だ。

【KAWASAKI×JAPAN LEGENDS ZXR900】
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ホンダ CB650R:CB-Rシリーズの次兄が’19でブランニュー

CB600Fの後を受け継いで完全新設計となる648ccの直4エンジンとスチールフレームで登場したCB650Fをベースに、ネオクラシックなデザインのロードスポーツに生まれ変わったのが’19新登場のCB650Rだ。フロントには倒立フォークを新たに採用し、またトラクションコントロールシステムも追加。各部の見直しにより高回転域の出力も向上している。全灯火器にLEDを採用するほか、急ブレーキ時にハザードランプを高速点滅させるエマージェンシーストップランプも新しい装備だ。

【HONDA CB650R 2019】主要諸元■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 648cc 95ps/12000rpm 6.5kg-m/8500rpm 202kg 15L シート高810mm ●価格:96万1200円
反転液晶のメーターは薄型・軽量化を追求。エンジン回転数のピークホールド表示やシフトアップインジケーター機能も備えている。
ヘッドライトはCB-Rシリーズ共通イメージでまとめられ、650ではLEDバルブと周囲を取り囲むポジションランプを採用する。
カラバリはブラックのほか、レッド、シルバーの計3色。全車ともABSは標準装備となる。
[CB650F]CB650Rの前身となるヨーロピアンNKでフロントフォークは正立タイプ。国内では販売終了がアナウンスされ、店頭在庫が残るのみだ。●価格:92万3400円
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ヤマハ MT-07:より精悍なスタイルと走りになったMTシリーズのミドルモデル

並列2気筒エンジンを鋼管ダイヤモンドフレームに搭載。バイクの素の楽しさを伝えるため電子デバイスはFIやABSなど最小限に留め、リーズナブルな価格設定としている。’18で最新の排ガス規制に対応したほか、ヘッドライトを旧MT-09譲りのものにしてデザインに精悍さをアップ。サスペンションもコシが増し、リヤショックに伸び側減衰力調整機構が新たに追加された。’19では他のMTシリーズ同様、グレーを基調とした新色のアイスフルオがメインカラーとして設定されている。

【YAMAHA MT-07 2019】主要諸元■水冷4スト並列2気筒DOHC4バルブ 688cc 73ps/9000rpm 6.9kg-m/6500rpm 183kg 13L シート高805mm ●価格:77万7600円
パネル右側にスピード、左側に燃料計や時計など、下部にバーグラフ式回転計、そして中央にギヤポジションが表示される。
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スズキ GSX-S750:GSX-RハートのスプリンターNK

GSX-R750直系のエンジンをストリート用にチューニングして搭載。最終減速比をローギヤード化して加速性能を向上させつつ6速ギヤはハイギヤード化してトップスピードを維持している。3段階+オフのトラコンは左ハンドルスイッチボックスとLCDメーターパネルで直感的に選択可能だ。

【SUZUKI GSX-S750 2019】主要諸元■水冷4スト並列4気筒 749cc 112ps 8.2kg-m 212kg 16L シート高820mm ●価格:96万9840円
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ホンダ NC750S:旅の快適装備が充実している

マニュアルミッション仕様に加えフルオートマのDCT仕様も設定するNCシリーズのネイキッドスポーツ。一般的な燃料タンク位置には容量21Lのラゲッジスペースが置かれ、使い勝手は優秀。また全車にETC2.0車載器とグリップヒーターが標準装備されている。Xに付いたトラコンはSでは未搭載。

【HONDA NC750S 2019】主要諸元■水冷4スト並列2気筒 745cc 54ps 6.9kg-m 218kg 14L シート高790mm ●価格:74万5200円~
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力強いトルク特性で扱いやすく燃費性能に優れた直列2気筒750ccエンジンを搭載し、Honda独自の二輪車用「デュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)」をタイプ設定したNC750シリーズ。その2[…]

NC750X

カワサキ Z650:低く構えたスタイルを継承

フルカウルのNinja650と共通コンポーネントを持つネイキッド。シリーズ独特の「sugomi」デザインを継承し、Z900譲りのメーターパネルやZパターンに光るテールランプを持つ。電脳デバイスはABSのみとシンプルだが、ETC1.0車載器を標準装備している。

【KAWASAKI Z650 2019】主要諸元■水冷4スト並列2気筒 649cc 68ps 6.6kg-m 187kg 15L シート高790mm ●価格:78万6240円
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気軽に乗れる扱い易さと優れたスポーツ性能を両立したライトウェイトネイキッドバイク・Z650。650ccとは思えない軽量&コンパクトさが、心地よいハンドリングを生み出すとともにスーパーネイキッドZの誇る[…]

KAWASAKI Z650 [2019]

スズキ SV650:トラスフレームがオシャレ

スムーズな出力特性の90度Vツインを美しいトラスフレームに搭載したスタンダードネイキッド。トラコンやパワーセレクトは持たないが、発進時や低回転走行時にエンジン回転数をわずかに上げて走りやすさを向上させるローRPMアシスト機能を採用し、日常での使い勝手を主眼に置いている。

【SUZUKI SV650 2019】主要諸元■水冷4ストV型2気筒 645cc 76.1ps 6.5kg-m 197kg 14L シート高785mm ●価格:73万8720円
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