マシン・オブ・ザ・イヤー2018
欧州で試乗会が開催

2018新型CB1000Rを撮影&全容を解説

2018年4月2日に発売した新型CB1000R。欧州では10年前からこのモデルが発売されていたが、日本では初登場。一体どんなマシンなのか、今回のモデルチェンジで何が新しくなったのか? 欧州での試乗会の写真も紹介しつつ全容を解説しよう。

新世代CBの狙いとは?

日本国内で絶対的な人気を誇ってきたCBスーパーフォアシリーズが排ガス規制によって2017年限りで姿を消し、新世代CBが登場すると本誌スクープでは報じてきた。しかし、2018年型でCBスーパーフォアシリーズはモデルチェンジし、当面存続することが確定。一方、新世代CBシリーズとしてCB1000Rも日本国内で発売し、新旧世代が共存することになった。新世代CBについては欧州専用のCB1000Rをモデルチェンジさせるとともにグローバル化するという筋書が基本線でウワサされ、その姿形が見えてきたのは昨年の夏頃になってから。それが、2017年10月の東京モーターショーでコンセプトモデルとして出品され、翌11月のミラノショーで製品版が正式発表されたのだ。

日本国内ではCB1000Rはこれまで発売されていなかったので、まだその実体は未知のままだが、ホンダによる詳細な資料が発表されているのでそれを元に解説したい。まず、新世代CBシリーズが何を目指したかと言うと「スポーツバイクの根源的な楽しさ」を深めることだという。高性能だけを目的に終わらせるのではなく、高性能なスポーツバイクのみから感じ取れる「上質な手応え」を追求している。『この追求は公道上の幅広いシチュエーションでの操りやすさを最大化することでスポーツバイクの普遍的な価値を高めることへの挑戦であり、「世界一速く走るマシンは世界一操りやすいマシンである」という価値観を拡張することを意味している』とより詳しく説明された。つまりRC213V-Sのフィーリングをより低い速度で幅広く味わえるようにしたということである。

これは2018新型CB1000Rだけではなく、新世代CBシリーズ(=CB125R、CB150R、CB250Rも含む)全体が「スポーツバイクの根源的な楽しさ」を深めることが狙いと説明されている。新型CB1000Rは「ネオ スポーツ カフェ」をキーワードにしたスタイリングが話題の中心となっているが、むしろ中身の方が重点的に磨きがかけれられシリーズの頂点に位置付けられているのだ。

【HONDA CB1000R 2018年型欧州仕様 国内価格:163万6200円 国内色:黒、赤】右の黒はオプション付きのCB1000R+で左の赤がSTD。ともに欧州仕様で、国内ではSTDの外観にクイックシフターなどが装備される中間的ポジションの仕様で発売される。+に装着されているシングルシートカウルやアルミフロントフェンダーパネルなどは国内でも購入可能だ。インプレッションは4月24日発売のヤングマシン6月号に掲載予定。

フレームはモノバックボーン形式

従来型と同様に新型CB1000Rはモノバックボーンのフレームを採用するが、素材をアルミ→鉄に変更している。しかし、新フレームはリヤクッション上側ブラケットの位置を変更することでフレームボディにかかる応力を分散させフレームの板厚低減を可能とした他、ピボットプレートの軽量化などにより従来型よりも2500gの軽量化を達成している。

また、フロントタイヤの接地感を高め、上質なフィールを提供するフロントサスペンションとのマッチングを図るため、ヘッドパイプからダウンチューブにかけての部位を高剛性に設計している。ヘッドパイプまわりのガセットは、立体的な小型モナカ形状とすることで軽量化とともにフレーム縦剛性を向上させることで、路面追従性の高いフロントサスペンション性能を活かしながらハードブレーキング時の車体安定感を高めた。

ヘッドパイプまわり後方のフレームボディバックボーン部では、高張力鋼の特徴を活かしたしなやかな操縦フィールを実現。フレームがねじれる中心点を下げることでコーナリング時のフレームのたわみによる前後タイヤ位置変化を最小化し、前後一体感のあるコーナリング特性を実現している。

リヤショックの縮みを抑えるアンチスクワット率を従来モデルよりも高く設定し、高速走行や直進時の車体安定性とコーナリング時のコントローラブルな車体姿勢変化が得られる特性としている。ライダーのスロットル操作に対し、後輪を効果的に路面に押し付けて増加した駆動力を効率よく伝えることで、車体レスポンスの向上につなげている。

エンジンは出力、レスポンス、フィーリングが向上

エンジンは、スーパースポーツを操る時の興奮と充実感を公道のスピードレンジで満喫できるように設計された。最大トルクを10.6㎏-m/8250rpmとし、公道での回転域を考慮した6000~8000rpmでトルクが上昇する特性はライダーに高揚感を提供。最高出力は145ps/10500rpmで、ワインディングでの一層のファンライドと高速道路などでの余裕を提供している。

最高出力と最高回転数アップを実現するため、吸気系ではエアクリーナーを新設計。エアクリーナーエレメントを、左右の吸気ダクトからファンネルに至るまでの空気をスムーズに流す配置に変更することで従来型から約50%の通気抵抗軽減を実現した。また低回転域から良好なスロットルレスポンスが得られるよう、吸気ダクト形状も新設計している。高回転域で要求される吸入空気量を供給できる吸気ダクト断面積を確保しつつ、吸気ダクト内部に整流板を配置。吸気の流れに沿った配置によりダクト内を整流板で区切ることで、低回転域でもダクト内吸気流速を速く保つエリアを設けている。これにより、エアクリーナー内の流れがよどみやすい低速走行時にも、ダクト内で助走された吸気が速やかにエンジン内へ流れることで、すばやいスロットル操作にリニアに追従するスロットルレスポンスに寄与している。

エンジンは、吸気マネジメントによる出力向上に加え吸気音を演出することでさらにライダーの高揚感を高める工夫を施している。ダクトカバー上部に吸気音を演出するスリットを設定することでライダーの耳に吸気音をクリアに聞かせ、スロットル操作にリンクして吹け上がるエンジン回転をより体感できるようにした。

マフラーは高回転時にストレート排気

マフラーはテールパイプを縦に二本配置。これにより必要な開口面積を確保することで高回転域の伸び向上とバンク角確保を両立した。サイレンサー内部はシンプルな2室構造とすることで軽量化を図り、併せてパンチングメタルを効果的に用いることで高い消音性能を実現している。また、マフラー内部の下側テールパイプ先端3箇所に小さな穴を設けることでアイドリング時の重低音を活かしたまま、中高回転域では膨張室を介さず大気開放する「抜け」を確保し、並列4気筒らしい吹け上がりを実現した。

左右キャタライザーより前部で4-2排気管集合部をつなぐ連通管を設け、各エキゾーストパイプ長の違いからくる気筒間の出力差を平均化することで、ピーク出力を損なうことなく出力の谷を補い、4000~6000rpm時のトルクが向上。コンパクトにレイアウトされたチャンバーや、部位ごとに最適な板厚としながらもより一体化を進めた構造により、エキゾーストパイプからマフラーまでの排気系パーツで従来型比約4500gの軽量化を図り、運動性能向上に大きく寄与している。

ライディングモードは4つの設定

電子制御スロットルの採用によって、走行状況やライダーの嗜好に合わせた走行フィーリングが任意に選択できるライディングモードを搭載している。

例えばツーリングでは、一度のライディングで走行するシチュエーションは大きく変わるが、新しいCB1000Rでは市街地から郊外、高速道路、ワインディング、また、天候などによる路面コンディション変化に直感的かつフレキシブルに即応でき、さらに個々のライダーの嗜好への最適化が可能な4種類のライディングモードを設定。エンジン出力レベル(P)、トルクコントロールレベル(T)、エンジンブレーキレベル(EB)の各制御レベルが連動して切り替わるSPORT、STANDARD、RAINの3モード、およびユーザーがP、T、EBの制御レベルを任意に設定できるUSERモードから選択可能だ。

選択したライディングモードはメーター右上のマルチカラーライン表示で直感的に把握できるようにした。他にもギヤポジションを色別表示したり、シフトアップのタイミングや燃費状況を知らせる表示に使うこともできる。

新世代CBシリーズのイメージリーダーに

新世代CBシリーズラインナップのイメージリーダーにふさわしく、スポーツバイクとして本質的に欠くことのできない部品構成によるコンパクトでありながらダイナミックなプロポーションや、素材に即したパーツごとの質感表現によって、同シリーズの考え方を牽引するエレガントな存在感を備えている。

さらにCB1000Rでは、高密度な車体シルエットの基軸であるマス集中化をカラーリングでも表現。車体重心上に位置するフューエルタンクとシートの境界部に2トーン塗装を施した。各色とも共通の金属質感溢れるシルバーで塗り分けることにより、メカニカルな表情を強調するとともに、CB1000Rの存在感を高めている。

カラーリングでは、キャンディークロモスフィアレッドはベースコートにカラークリア、さらにオーバーコートクリアを塗り重ねた3層構造のキャンディー塗装仕様とし、ベースコートには従来のアルミフレークよりさらに薄くなめらかな表面で反射率を上げた“次世代高輝度着色アルミフレーク”を採用することで、より強くシャープな輝きを実現。また、カラークリアには “ナノ顔料”を採用することで、ベースコートに到達する光の透過率を大きく向上させた。これらにより従来のキャンディー塗装では成し得なかった、稜線を走る光線のようなハイライトと深い陰影が織りなす表情変化によりフューエルタンクの立体感を演出している。

ベースコートには、従来よりさらに薄くなめらかな表面で反射率を上げた“次世代高輝度着色アルミフレーク”を採用し、強くシャープな輝きを獲得。カラークリアには、従来よりさらに細かい“ナノ顔料” を採用することで、ベースコートに達する光の透過率を格段に向上。高彩度の透明感と、見る角度で色味が大きく変わる性質により豊かな立体感を実現。

メーター表示にはホンダ独自の文字デザインを採用

新型CB1000Rのメーターには軽量化とともに新しい特徴が盛り込まれている。小型化を図りながらライダーに多くの情報を提供するために液晶部を最大化。立体的なギヤポジション部の周囲に金属質感による半円状の枠を配した上、表示部全面を平なアクリルで覆った特徴的なメーターデザインとしている。

各表示には現代的な印象の新しいホンダのオリジナルフォントを採用している。表示は、CB1000Rロゴマーク、周囲の明るさに連動し液晶画面を自動調光、車両の情報を一目で伝える8色のマルチカラーラインなどを盛り込んだ。

マルチカラーラインは、ハンドルスイッチでの入力と呼応するように白色が発光。時刻表示が1:00、2:00など、毎時00分となると白色が発光。燃料計がE状態となるタイミングで橙色 が15秒間発光。イグニッションスイッチ ON/OFF 時とエンジン始動時に発光・変色し高揚感を演出する。他にもギヤポジションを色別表示したり、シフトアップのタイミングや燃費状況を知らせる表示に使うこともできる。

「2018新型CB1000Rが163万円で4/2に発売」記事はこちら
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いち

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本誌編集長。雑誌は生き残りタイアップ全盛期だというのに、ひとり次期型ネタを嗅ぎまわって反感を買う現代のスクープ魔王。
■1972年生まれ
■愛車:BMW R100GS(1988)

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