【滑る! サビる!】冬のツーリング後には“融雪剤”を落とす洗車が必須[バイクメンテナンス]

融雪剤

●文:ライドハイ編集部(伊藤康司)

冬場の山間部や橋の上は、路面の凍結に要注意!

「寒くても走りたい!」という元気なライダーが増えている。近年は防寒性能に優れた冬用ウェアや電熱ウェアが数多くリリースされており、キチンと装備すれば真冬でも凍えずに走ることができるからだろう。

とはいえ、冬の路面には要注意! 天気が良くても冷え込むと、標高の高い山間部のワインディングや、平地でも橋の上などは凍結していることがあるからだ。

管理の行き届いた道路の場合は、凍結したり降雪すると(または凍結や降雪の予報が出ると)、“融雪剤”を散布して路面の凍結を防いでくれるので大丈夫…というワケでもない。

アネスト岩田ターンパイク

山間部の、とくに日陰や北斜面は路面が凍結しやすい。そこで道路管理者が融雪剤を散布して溶かしたり、凍結を防ぐ。写真の手前の方に見える白い粒々が融雪剤だ。写真はアネスト岩田ターンパイクの山間部で、ライダーやドライバーの安全な走行のために、道路の管理を徹底している。SNSなどでも当日の道路状況などを告知しているので、チェックしてみてはいかがだろう。

凍結しているよりはマシだけど…

融雪剤や凍結防止剤と呼ばれる薬剤にはさまざまな成分が含まれているが、代表的なものは塩化ナトリウム/塩化マグネシウム/塩化カルシウムだ。通常、水は0℃で氷になるが、塩分などを混ぜると、0℃では凍らなくなる。この作用を利用して、凍結を防いだり溶かしたりしているのだ。

ちなみに、塩化ナトリウムの水溶液は凝固点(凍結する温度)が-20℃、塩化マグネシウムが-30℃、塩化カルシウムが-50℃といわれている(いずれも濃度で変化する)。さらに塩化カルシウムの場合、水に溶けると発熱する性質を持っているので、雪や氷を急速に溶かすのに効果的。そのため、山間部などで使われる融雪剤は塩化カルシウムが主成分のモノが多い。

こうして融雪剤は凍結を防いでくれるが、路面上から氷や雪が消滅するわけではなく、水に変化させているだけだ。しかもかなり冷たい水で、かつ融雪剤が混ざっているので、じつは“けっこう滑る”。もちろん凍結や雪よりは断然マシなので、クルマ(四輪車)ならかなり安心できるのだが、バイクの場合は……

※本記事は2022年3月14日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。