●文:ライドハイ編集部(伊藤康司) ●写真:長谷川徹 柴田直行
車体を傾けたら真っ先に接地する“バンクセンサー”
カーブを曲がるために深くバンクさせると、車体のどこかが地面に接地して、ゴリッとかガーッという音とともに、ステップから衝撃が来てビックリしたことがあるライダーもいるはず。特にクルーザーやネイキッドのオーナーは、愛車で走る初めてのワインディングやサーキットでそんな経験をしているかもしれない。
そんな時、驚いて車体を起こす余裕があれば大丈夫だが、問題なのは、マフラー/フレーム/エンジン等の車体にシッカリ固定された部品が接地することで、タイヤが路面から浮いてしまった場合だ。完全に浮き上がらないまでもグリップ力を損なうため、スリップする可能性は高くなるし、もし完全に浮き上がったら転倒してしまうこともある。
そこで現在の市販バイクには、接地すると折りたたまれる可倒式ステップが装備されていて、さらにステップの下側には、地面に向かって伸びた棒状の「バンクセンサー」が備わっている。そして車体を深く傾けた際に、このバンクセンサーが真っ先に接地して、“ここがバンク角の限界”と知らせてくれるのだ。
バンクセンサーの仕事って?
さらに、ステップが可倒式になっていることにも、きちんと理由がある。バンクセンサーが地面に接地した時に折り畳まれることで、荷重を逃がし、タイヤが浮くのを防いでくれるのである。もちろん、バンクセンサーが接地して、ステップが折りたたまれるのもお構いなしにバンクを深めてたり、ステップを踏み込めば、いずれはタイヤが浮いてしまうかもしれないが、その前に車体を起こすなど、余裕を持って対処する時間があるはずだ。
このステップのバンクセンサー、ほとんどの国産車が装備しているが、なかには妙に長くて少々カッコ悪く思ったり、停車時に足を出した際にパンツの裾が引っかかったりして、邪魔に感じる場合もなくはない。
バンクセンサーの傷が気になったり、削れすぎて先端が鋭利になっている場合は、この部分のみ交換することも可能だから、ステップのベースに到達する前に交換したいところだ……
※本記事は2021年10月9日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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