![ホンダNR750 [名車バイクレビュー]](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/02/RideHi_NR750.jpg)
●文:ライドハイ編集部(根本健) ●写真:大谷耕一
ビッグシングルのような低中速パンチ&ジェットフィールの高回転!
Part1で触れたように、鈴鹿のバックストレートで2速も6速も同じ加速Gという、経験したことのない哮(たけ)り狂ったダッシュに怖れを感じつつ、もっともインパクトが大きかったのが、強大なトラクション。中速域はもちろん、コーナーで2~3速ほど上のギヤへ放り込んだ街乗り回転域でさえ、開ければ路面を蹴って曲がっていく。
4ストビッグシングルのオフロードモデルで、ターンの出口でガバッと開けると、ドバーッとテールが振り出しそうでも、後輪が石を跳ね飛ばしながら必要な噛み込みで、前に進む旋回加速へと変換してくれる、あの瞬発力とグリップするトラクションがあるのだ。
これが、オーバルピストンのポテンシャル…。NR500で、2ストの500ccに負けずブチ抜くために必要な130psに対して、2万rpm上限で得るバルブ面積の合計がどうにも不足する(丸い燃焼室に欲しい面積の丸いバルブを並べると、大径化は○が重なり、小径化で多バルブにした配置でもかえって使わない面積が増えてしまう)。
それを、ある朝の通勤で信号機を見たとき、長円になら収まるかもと閃き、オーバルに吸気4バルブ排気4バルブを横に並べる気筒あたり8バルブにしてみたら、計算上は目標出力に達すると結論づけて、チャレンジがスタートした由。
これによって増える吸気量は、20%近く。言い換えれば、排気量が20%大きなエンジンのパフォーマンスを得られることになる。
750ccなら900ccクラス、そりゃ低い回転域の力強さが違って当然だ。というより、この多バルブと燃焼室がコンパクトな組み合わせは、最大出力でひとまわり大きな排気量と同じどころか、レスポンスが瞬発的で燃焼によるダッシュ力が、これまでにないエンジン特性を生んでいる…。
そんな風に伝わってくるポテンシャルの発見に、胸が破裂しそうなほどドキドキする“ときめき”を感じていた。
中速のトルク、「経験上すぐ消せるのでご安心を」の意外な言葉!?
マシンから降りてまず、6速での回転数を知らせると、300km/hオーバーと告げられる。そして、興奮気味に経験のない中速域の力強さを称賛したら、「あ~、それ邪魔ですよネ。散々経験してるので、すぐ消せますのでご安心を」と即答された。
エッ!? せっかくあるトラクションに好都合な力強さ、しかも開けてからのトルキーな追従が曲がれる特性で楽しくて仕方なかったので、「なんで消すとか言いだすの?」と問いただすと、「NR500では、パーシャル区間が安定せず、立ち上がりで2次曲線的に加速しない」とライダーからの不満が多く、そこをなだらかに繋ぐ吸排設定からキャブレーションまで、ノウハウをたっぷり積み上げたとのこと。
何年も前の500ccのグランプリはともかく、ビッグバイクはそういった乗り方をしないし、このプロジェクトは市販車で必要になるアレンジもテーマのひとつ、このツーリングしやすいポテンシャルをむしろ重点的に伸ばしましょう!と力説した……
※本記事は2023年2月1日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ライドハイの最新記事
鈴鹿8耐でV4に勝つ750インライン4開発に単を発した操る面白さでライディングする新次元のスーパースポーツFireBlade! 1992年に登場したCBR900RR FireBladeは、それまでトッ[…]
世界をリードしたCB、CBR、VFR、RVFの歴史を積み上げた経験とこだわりのありったけを注ぎ込む! スーパーブラックバード。米空軍で超高々度を偵察飛行する目的で開発された最高速度記録3529.56k[…]
2バルブで半球形燃焼室のツイン点火プラグ! 1989年のゼファー(400)が火をつけたネイキッド・ブーム。 カワサキは1990年にゼファー750、そして1992年にはゼファー1100とビッグバイクでも[…]
不朽の名車KATANAのレプリカで、尖ってないスポーツモデルをリリース! スズキといえばKATANA……国産4メーカーが揃ってビッグバイクへチャレンジして肩を並べた1970年代を過ぎて、スズキはスペッ[…]
ネオレトロなロケットカウルへの郷愁を巧みなグラフィックで新しさへと巧みに演出! 1989年、スズキは1レーサーレプリカ全盛だった頃に感性も価値観も異なる、オトナを意識した都会的な新ネイキッド、BAND[…]
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車 | ホンダ [HONDA])
ホンダの“R”だ! 可変バルブだ‼ 1980年代に入ると、市販車400ccをベースにしたTT-F3やSS400といった敷居の低いプロダクションレースの人気が高まってきた。ベース車として空冷直4のCBX[…]
長時間の高速移動で悩まされる風圧 休日のツーリング。目的地に着く頃には、高速道路での強烈な風圧で首や肩が悲鳴を上げている。そんな経験を持つライダーも多いはず。かといって、風を防ぐために過激な前傾姿勢を[…]
どう計算したって同じようにはなれない 2025年のホンダ熊本イベントでフレディ・スペンサーと話せる機会を得て、あらためて彼は「天才」だと感じたね。僕が高校時代にバイクの免許を取った頃には、もうスペンサ[…]
スペンサーの世界GPでの大活躍がAMAレースの注目度を高めた 旧くからのバイクファンなら、だれもが“ファスト・フレディ”の愛称を知っているだろう。1983年に世界GP500でチャンピオンに輝き「彗星の[…]
世界中のカスタムアワードを総なめしてきた有名ビルダー 2013年、ベルギーで開催されたブリュッセル・モーターショーのホンダブースは異様な熱気に包まれていたといいます。 ジャパン・トリビュートのタイトル[…]
最新の関連記事(ネモケンのこのバイクに注目)
新型4気筒を待ち焦がれていたホンダファン CBにXが加わった車名のCBX400Fは、1981年10月にデビュー。バイクブーム真っ只中で爆発的な人気を誇ったホンダの切り札となったマシンだ。 実はカワサキ[…]
ボクサーエンジンの誕生、最強バイクとして世界中でコピー BMWといえば、2輪メーカーとしてスーパーバイクS1000系からボクサーのRシリーズなど、スポーツバイクで世界トップに位置づけられるメーカーだ。[…]
特別な存在をアピールする“衝撃”=IMPULSEと名付けたバイク スズキには、1982年から400ccネイキッドのシリーズに「IMPULSE(インパルス)」と銘打ったバイクが存在した。 IMPULSE[…]
250ccの4気筒はパフォーマンスで不利。それでも届けたかった4気筒の贅沢な快適さ 250ccで4気筒…。1982年当時、それは国産ライバルメーカーが手をつけていないカテゴリーだった。 1976年にD[…]
一般公道は乗りやすさ最優先、そのコンセプトを後方排気でピュアレーシーへ ヤマハは、1980年にレーサーレプリカ時代の幕開けともいうべきRZ250を発売。一躍250ccをビッグバイクを凌ぐパフォーマンス[…]
人気記事ランキング(全体)
乗っていてワクワクする相棒を求める気持ち 年齢とともに車の運転が不安になり、免許返納を考える。だが、いざ代わりの移動手段を探すと「いかにも」なデザインの乗り物ばかり。ただ近所のスーパーへ行ければいい、[…]
チェーンメンテナンスから解放される悦び。ヒョースン「GV250X Roadster」 ヒョースンから2026年6月に上陸予定の「GV250X Roadster」は、チェーンメンテナンスから解放してくれ[…]
シニアカーへの抵抗感と、移動のジレンマ 歳を重ねるにつれ、長年親しんだクルマの運転免許を返納する日は誰にでも訪れる。しかし、その後の移動手段に頭を悩ませる人は多い。電動アシスト自転車は便利だが、バラン[…]
段差を恐れない「足長」サスペンションの威力 一般的なスクーターはタイヤが小さくサスペンションのストロークも短いため、路面のギャップを拾いやすい。しかし、SR GT 200 Sportは根本から設計が異[…]
窮屈さとは無縁。余裕のフルサイズボディがもたらす優越感 125ccのバイクというと、小柄でコンパクトな車体を想像するかもしれない。しかし、SX 125は違う。全長2050mm、ホイールベース1430m[…]
最新の投稿記事(全体)
【開発背景】「インカムで耳が痛い……」全ライダーの悩みをサイズ3割減で一発解消! インカムを使っていて「スピーカーが耳に当たって痛い」「ヘルメットを脱ぐときに耳がちぎれそう」という経験はないだろうか?[…]
すべてのライダーよ、初夏の駿河湾に集結せよ! 「バイク乗りは自然を愛し、地球を愛するグッドライダーであるべき」という信念のもと、これまで多くのライダーと二輪業界が一丸となって紡いできたこの活動。今回の[…]
高い防水性で長時間の走行も快適に:RY7001 コミューティング ストレッチレイン 雨の日でも快適に走りたい気持ちに応える、上下セットアップタイプのレインウェア。生地にはヤマハオリジナルの防水透湿素材[…]
ヘルメットやウエアに合わせて“着せ替え”を楽しめ! バイク用インカムといえば、今やツーリングの必須装備。しかし「みんなと同じ見た目じゃつまらない」「ヘルメットのグラフィックと色が合わない……」と密かに[…]
疲労ゼロと操る歓びの融合。Eクラッチの真価 クラッチ操作の自動化といえば、ホンダにはすでに「DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)」という確立された技術がある。しかし、DCTが約10kgの重[…]


![NR750のクランク|ホンダNR750 [名車バイクレビュー] オーバルピストンの衝撃【Part2:ネモケン1987ルマン24時間出場に向けた車体開発】](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/03/RH_honda_nr750-02_221220_-2-768x432.jpg)
![ホンダNR750|ホンダNR750 [名車バイクレビュー] オーバルピストンの衝撃【Part2:ネモケン1987ルマン24時間出場に向けた車体開発】](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/03/RH_honda_nr750-02_221220_-1-768x432.jpg)





































