
直立単気筒はオフ車から転用せずロングストロークの専用設計!
1980年代のレプリカ全盛が過ぎると、各メーカーはパフォーマンス追求から多様なニーズを前提に様々なカテゴリーのモデルを投入した。
そんな中、トラディショナルやクラシカルといったキーワードで登場するバイクが増えはじめる。
カワサキも1992年5月に250単気筒のエストレヤを発表、ただそのアプローチには他と違い並々ならぬこだわりが貫かれていた。
トラディショナルやクラシカルなバイクといえば単気筒。このシングルエンジンを、売れるかどうかわからないこともあって、ほとんどがオフロードモデルからの転用をベースに開発するのが常套手段だ。
このカテゴリーのレジェンド、ヤマハSR400/500の単気筒もオフロードモデルのXT500がベース。
オフロードモデルは、マッドや瓦礫で方向転換にスパッと路面を蹴る俊敏なレスポンスが必須、それと凹凸を乗り越えるのにエンジンを路面に打ちつけたくないので上下に短いエンジン高も求められる。
だからどれもショートストローク。対してロードモデルのシングルはロングストロークに設定するのが英国などノウハウのあるメーカーの王道、低い回転域のトルクや高回転時のトップスピードを稼ぐためにも、クランクの慣性力を活用できるロングストロークが優位だからだ。
エストレヤは66.0mm×73.0mmと、明確なロングストローク。249ccで20PS/7,5000rpmと2.1kgm/6,000rpmは、インレットポートのストレート化やバルブタイミングとマフラー構造の工夫に1軸の1次バランサーも駆使して、250ccなのにセカンドギヤで発進もできるトルクを優先した特性だ。
また見た目にもクランクケースからバーチカル(直立)にシリンダーがにょきっと聳えるカタチにこだわり、バランサーやセルモーターをシリンダー背面に置かず、クランクケース上面をフラットにしている。
左のカムチェーントンネルも、テンショナーの膨らみが美しくないとシリンダーヘッドの上部内側に置き、カムチェーンカバーを防振構造を兼ね内側にラバーを挟むゆとりを与えたデザイン。
左右で表情のまるで違うルックスに、逞しく粘るチカラ強さ、弾ける低周波エキゾーストノート……エストレヤはそもそもからカワサキならではのこだわりを貫く、全く次元の異なる単気筒なのだ。
かくして1992年の登場以来、上の2017年にリリースされたファイナルエディションまで、25年以上ものロングセラーとして不動の人気を獲得していた。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ライドハイの最新記事
最後発の意地を賭け超高回転を許容する新4気筒と本格派足まわりで構築! 1980年代に日本国内で吹き荒れた空前のレーサー・レプリカ・ブーム。 しかしカワサキだけが、その熱き戦線へ参画していなかった。 そ[…]
イン→アウト→インで繋ぐのが状況対応ライディング! 山の中のワインディングロードは、イン側を山肌や樹木で遮られる、先の見えないブラインドカーブ。この見えていない先で、道がどう曲っているかによっては曲り[…]
ヤマハが400のレプリカ第1弾でトップセラーに! 1960年代から、ヤマハといえば世界GPロードレースで活躍するメーカーとして名を馳せていた。 しかし4ストの1980年にリリースしたXJ400は、ツー[…]
805ccは4,500rpmの低回転で7.0kg-mもの強大トルク! 1990年、スズキは創業70周年を迎え、その記念のひとつとして国内モデルが750ccを超えて認可が得られるようになったのを機に、8[…]
少し重くなるけれどリーン過程で変化のないハンドリングを優先して流行りのツインチューブを捨てた! 1990年の冬が明けてすぐ、スズキからGSX-R400Rのイヤーモデルではなく、フルモデルチェンジのマシ[…]
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI] | 名車/旧車/絶版車)
前時代的な46psのバイクが予想を覆す大ヒット! ’70年代後半に訪れた空前のバイクブーム。そして’80年代半ばに始まったレプリカブームによって、国産バイクの性能は常軌を逸したスピードで高まっていった[…]
最後発の意地を賭け超高回転を許容する新4気筒と本格派足まわりで構築! 1980年代に日本国内で吹き荒れた空前のレーサー・レプリカ・ブーム。 しかしカワサキだけが、その熱き戦線へ参画していなかった。 そ[…]
“速さこそ正義!”の先駆けだったマッハ カワサキといえば風を切り裂く「ザッパー」。シグナルGPで「速ければ正義!」という実にシンプルなイメージがあります。60代以上のライダーは特にその印象が強いと思い[…]
スーパースポーツより贅沢な感性を追求した最速頂点バイク! 1984年、それまで空冷DOHC4気筒で牙城を守り続けたカワサキが、初の水冷化と先鋭フルカウルのGPZ900R Ninjaで世界最速宣言を謳っ[…]
高機能な開発の傍らでマイノリティ好きな感性のファンにも応えるカワサキ! 1985年、カワサキはライバルたちのレーサーレプリカに迎合しない、フルカバードボディのGPZ400Rをリリースした。 ただ驚いた[…]
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車)
前時代的な46psのバイクが予想を覆す大ヒット! ’70年代後半に訪れた空前のバイクブーム。そして’80年代半ばに始まったレプリカブームによって、国産バイクの性能は常軌を逸したスピードで高まっていった[…]
最後発の意地を賭け超高回転を許容する新4気筒と本格派足まわりで構築! 1980年代に日本国内で吹き荒れた空前のレーサー・レプリカ・ブーム。 しかしカワサキだけが、その熱き戦線へ参画していなかった。 そ[…]
ヤマハが400のレプリカ第1弾でトップセラーに! 1960年代から、ヤマハといえば世界GPロードレースで活躍するメーカーとして名を馳せていた。 しかし4ストの1980年にリリースしたXJ400は、ツー[…]
805ccは4,500rpmの低回転で7.0kg-mもの強大トルク! 1990年、スズキは創業70周年を迎え、その記念のひとつとして国内モデルが750ccを超えて認可が得られるようになったのを機に、8[…]
“速さこそ正義!”の先駆けだったマッハ カワサキといえば風を切り裂く「ザッパー」。シグナルGPで「速ければ正義!」という実にシンプルなイメージがあります。60代以上のライダーは特にその印象が強いと思い[…]
人気記事ランキング(全体)
死角なしの8K映像と夜間撮影に強い1インチセンサー バイクの走行動画を撮影する際、進行方向だけでなく周囲の景色や自分のライディングフォームも同時に記録したいと思うことは多いだろう。DJIのOsmo 3[…]
電子制御と5psアップで走りを磨いた最新Z900RS カワサキZ900RSは、最高出力111ps/8500rpmを発揮する水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ、948ccエンジンを搭載したネオク[…]
イタリアを制したアルファロメオはドイツを目指した DTM(ドイツツーリングカー選手権、Deutsche Tourenwagen Meistershaft)は、ドイツ発祥のヨーロッパで最も権威あるスポー[…]
最後発の意地を賭け超高回転を許容する新4気筒と本格派足まわりで構築! 1980年代に日本国内で吹き荒れた空前のレーサー・レプリカ・ブーム。 しかしカワサキだけが、その熱き戦線へ参画していなかった。 そ[…]
タイで新進気鋭のカスタムパーツブランド「RYU Loyal」とは? ’80年代に流行ったピヨピヨを現代版にアレンジ! 今回の2台の車両はカブハウスのモトスタイリストのネイさんによるパーツを装着したデモ[…]
最新の投稿記事(全体)
極小シート、フェンダーレス車対応 テールスラント形状 テールスラント形状はウィンカーをよけ、SSモデルのテールラインにフィットする形状となっている。両サイドのバッグを橋渡しするコネクションベルトを使う[…]
前時代的な46psのバイクが予想を覆す大ヒット! ’70年代後半に訪れた空前のバイクブーム。そして’80年代半ばに始まったレプリカブームによって、国産バイクの性能は常軌を逸したスピードで高まっていった[…]
往年の名車「Z1」を彷彿とさせる、美しきティアドロップタンクと丸目ヘッドライト バイクに興味を持ったのなら、一度はこのシルエットを目にしたことがあるだろう。Z900RSの最大の魅力は、なんといっても1[…]
見応えのある世界のトップレース MotoGP:バイクメーカーの威信をかけた絶対的な速さが魅力! 現在のロードレースのトップカテゴリーとなるMotoGP。2001年まではWGP(ワールドグランプリの略)[…]
高性能IC搭載で効率よく充電。ハンドル周りもスッキリまとまる デイトナのバイク専用USB電源は、USB-Aポートを1口備え、最大10.5Wの出力を発揮する。高性能ICを内蔵したコンパクトな変圧器を採用[…]
- 1
- 2










































