●記事提供: ライドハイ編集部
レーシングマシンにしか使われない、素材や高度なパーツで他の追随を許さなかったスズキ
1980年のヤマハRZ250、続く1982年のVT250Fで人気沸騰だった世界GPマシンのイメージをオーバーラップしたレプリカの流れを、いきなり似た雰囲気から素材や構成まで、市販車とは一線を画したレーシーな仕様へと劇的に進化させたのはスズキだった。
衝撃的なデビューを飾ったRG250Γ(ガンマ)は、フレームをメインのダブルクレードル部分からシートレールにスイングアームまで、市販車では初となる完璧なオールアルミフレームで世界中を震撼させた。
また当時の世界GPで先鋭化の象徴だった前輪の小径16インチ化を、フランスのミシュランタイヤと共同開発して採用、レーシングマシン専用だったセパレートハンドルの採用、サスペンションの高度な仕様にほぼワークスマシン専用だったアジャスト機構、これまたレース専用パーツだったアルミのステップ、そして伏せても顎に当らないフラットなエアプレーンタイプのタンクキャップなど、憧れでしかなかったレーシングマシンからダイレクトなフィードバックの数々にファン垂涎のマシンだった。
その極めつけともいうべき象徴が、コクピットのセンターに据えられたタコメーター。何と表示が3,000rpmからと、停車中にアイドリングする1,000~2,000rpmでは回転計の針が動かない、まさにレーシングマシンそのままのスパルタンな仕様だ。
レーシングマシンは、当時のGPマシンだとアイドリングをしない設定。スロットル全閉で、少しでもエンジンブレーキを効かせるためにはアイドリングする開度も閉めてしまったほうが、レーシングライダーには扱いやすかったからだ。
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