エンジンや足まわりのオイルやグリス汚れを落としたり、ブレーキダストを流したり、日頃のメンテ作業で頻繁に使用するパーツクリーナー。種類が多すぎてどれを選べば良いのか分からなくなることもあるが、重要なのは洗浄能力と安全性。ヤマハの看板を背負ったヤマルーブ製品なら、安心してバイクメンテに使用できる。
●文/写真:モトメカニック編集部(栗田晃) ●外部リンク:ワイズギア
サンデーメカニック御用達の高性能ケミカルに注目
分解組立時の洗浄はもちろん、オイル汚れをサッと拭き取る際にも便利なパーツクリーナー。ホームセンターなどで安価で購入できるものから有名メーカー品まで、膨大な数がある中でどれを選べば良いのだろう。
まず注目すべきは、“パーツクリーナー”か“ブレーキ&パーツクリーナー”の違い。どちらも脱脂洗浄剤だが、後者はダストシールやピストンシールといったゴム部品や樹脂にも使えると判断できる。
スプレー後の乾燥速度も重要だ。速乾タイプは揮発が早いのが特徴だが、コッテリ系の頑固な汚れだと浸透前に乾いてしまうこともある。そんな場合には、洗浄成分が長くとどまり浸透する遅乾タイプの方が適している。ただし、製品によってはウェット感がしばらく続くものもある。
洗浄性能に直結する有機溶剤の量にも注目したい。パーツクリーナーの主成分は、有機溶媒の一種・ヘキサンとアルコールの一種・エタノールで、含有量が多いほど性能が高い。製品ラベルの他、メーカーホームページでSDS(安全データシート)が開示されている場合、より詳細な情報も確認できる。
こうしたチェック項目を参考にしても選択は容易ではないが、そんな時に頼りになるのがブランド力だ。ヤマルーブの「スーパーブレーキ&オイルクリーナー」は、安価とは言えないが、バイクパーツに適した成分で開発を行っている。ブレーキのゴムにも安心して使えて、強力なガス圧により汚れを洗い流す能力も高い。
一般的にジャンボ缶と呼ばれる容量840mlタイプでも、洗浄剤の原液量は製品によってまちまち。安価な製品の中には、未使用なのに拍子抜けするほど軽いものもある。
それらに対してこちらは、ずっしり重く、缶を持ち上げた中身が詰まっていることを実感できる。成分はノルマルヘキサンとエタノールの混合物で、LPG ガスによって噴射される。エンジンオイルやグリスなどの油汚れとともに、ブレーキキャリパーやパッドのダスト洗浄にも使用できる。
パーツクリーナーは作業中の消費量が多いため、価格が重視されるのは否めない。だが洗浄成分や使い勝手の良さといった本質的な部分で抜き出るヤマルーブは、満足度の高いクリーナーだと言える。
製品特徴:作業内容に合わせた使い勝手の良さが魅力
ノズルは折り畳み式を採用し、パイプ着脱式ノズルより切り替えが容易。2種類のノズルでスプレーパターンの違いが明確で、洗浄部分や汚れの種類によって拡散とスポットの使い分けができるる。ヘッド部分がボタンカバーになっており、キャップの着脱も不要。また正倒立バルブを採用することで、缶を逆さまにしても使用できる。
使い方その1:安定したガス圧でダストを除去
ブレーキダストは水道水と中性洗剤でも洗浄できるが、すすぎと乾燥が必要。それに対してブレーキ&オイルクリーナーは、洗浄したダストをガス圧で流した後、短時間で乾燥するため、スムーズに組み立てられる。
ブレーキドラム内に溜まったダストをエアブローすると環境汚染につながるので、必ずブレーキクリーナーを使用すること。
使い方その2:オイル汚れに浸透する絶妙な乾燥時間
サスペンションリンクのグリスなど粘性の高い油分を洗浄する際は、洗浄剤の浸透時間を稼ぐため、乾燥時間が早すぎないほうが良い。ヤマルーブのクリーナーは、洗浄成分の濃度が濃く速乾タイプではないので、ビチャビチャに滴るほどスプレーしなくても汚れが落ちやすい。ウエスにスプレーしてもすぐ乾かないので、広範囲を拭くことができる。
使い方その3:普段の洗車にも使えて、オイル交換時も必需品
洗車用シャンプーで落ちないパッドダストやチェーンオイルの飛沫を除去したり、オイルドレンボルトやオイルパンを清掃するなど、あらゆる場面で出番のあるパーツクリーナー。ヤマルーブのブレーキ&オイルクリーナーは、バイクで使われることを前提に開発されているのが特徴で、確かな洗浄性能に加えて安心して使えるのが魅力だ。
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