エンジンオイルの違いが体感性能となって表れることは、ベテランライダーなら経験したことがあるはずだ。それを可能にする高性能添加剤であれば、ギヤオイルに対しても「効能にあやかれる!? あやかりたい!!」と、サンデーメカニックなら思いを寄せるのではないだろうか? そこで、あくまで自己責任において、高性能のエンジンオイル添加剤「スーパーゾイル」シリーズをギヤオイルに使ってみたいと考えた。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:パパコーポレーション
駆動系オイルでも応用可能な高性能添加剤。自己責任において、アイデアを実践してみた
バイクには様々な油脂類が使われている。各種オイルやグリスやフルードなどなどだが、車体にはサスペンションオイル、エンジンにはエンジンオイルが主要オイルとして馴染み深い。
駆動系の潤滑用としてプライマリーオイル、トランスミッションにはギヤオイル、シャフトドライブモデルなら、後輪ハブにデファレンシャルユニットが直結するため、その潤滑用にデフオイルが利用されている。
特に、この駆動系は、ギヤの噛み合い駆動部やドライブチェーンに極めて高い圧力がかかることでも知られている。それゆえに、独立した駆動系を持つエンジンでは、エンジンオイルと異なる“高い粘度のオイル”を利用するように指示されている。
たとえばハーレーダビッドソンの場合は、エンジンタイプによってプライマリー系とギヤボックスを同じオイルで潤滑するが(スポーツスター系)、ビッグツイン系はすべてのユニットを個別のオイルで潤滑管理する設計となっている。
今回メンテナンス中の旧車=直列エンジンを搭載したBMW K75Sは、エンジンタイプこそ異なるが、ボクサーシリーズと同様に、トランスミッションギヤ用とドライブシャフト&デフユニット用のオイルを別途管理するタイプ。メーカー発行のサービスマニュアルによれば、SAE80番とSAE90番を外気温度によって使い分けるオイル設定条件となっている。
このミッションギヤ用オイルとデフギヤ用オイルの交換に「スーパーゾイル」を使用してみた。こんな極圧部分の潤滑にも効果的なオイル添加剤である。
発売元では、4サイクルエンジンオイル用としてラインナップしている商品だが、摩擦熱によって金属表面を改質再生する効果を得られるのがスーパーゾイルの大きな特徴である。たとえば、長年の酷使によって金属表面がただれてしまったような状況でも、いわゆるトリートメント効果によって金属化合物がただれた表面を平滑にする。結果的には、その後の金属摩耗を減らす高い効果を得られるのだ。
旧車部品をできるかぎりケアしつつ、ダメージを極力減らしたいユーザーにとって、スーパーゾイルは気になる高性能添加剤として認識されている。
実は、ロングツーリングを好むライダー仲間から、愛車カワサキW1シリーズのプライマリーオイルにスーパーゾイルを添加したところ、以前と比べて滑らかさが増したとの話を聞いていた。
ハーレーでも同様の話があった。確かに、パッケージされたユニット内で、クランク軸出力をドライブチェーンで駆動しているのがプライマリーユニット。スーパーゾイル効果を得られても当然だろう。
そこで、個人責任において、スーパーゾイルエコを各ギヤオイルの使用量5%にて添加し、注入してみた。トランスミッションギヤオイルとデフギヤオイルにスーパーゾイルエコを添加することで、ゾイル効能を得られれば幸いと考えたのである。せっかく仕上げた旧車BMWのK75Sだから、今後は高性能添加剤にも頼り、より良いコンディションで乗り続けていければと考えている。
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