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スマホホルダーにセットしたスマホで地図アプリを見ながら、気づけばバッテリー残量10%以下だった…という経験はないだろうか? ここではスマホ充電に必要なUSB電源の装着方法を紹介しよう。
●写真/文:モトメカニック編集部 ●外部リンク:デイトナ
電気系アクセサリーを装着する際にどこから電源を取るか?
バッテリー直結は簡単だが、キーを抜いても通電するのは心配。一方、キーONで通電する回路を探すのは手間だし、ヒューズが切れても面倒だ。
電気系アクセサリーを数多く手がけるデイトナでは、ブレーキスイッチ部分からの電源取り出しを推奨しており、多くのUSB電源製品に専用ハーネスを同梱している。確かにブレーキランプ回路はイグニッションキーに連動して通電し、コネクターも着脱しやすい場所にあるから、電気が苦手なユーザーも作業しやすい。下で紹介するスレンダーUSB電源の取り付けには最適の方法だろう。
一方、本ページ冒頭の写真で示した、バッテリー電圧をモニターできるタイプの電源については、バッテリーターミナル直結配線とキー連動の配線が必要で、シート下のアクセサリー用カプラーから電源を確保した。この電源はあくまで信号用なので、車体側配線の容量を心配する必要はない。
いずれの方法でも、走行しながらスマホの充電が可能になることで、ツーリングが今まで以上に楽しくなるのは間違いないだろう。
USB Type-C 1ポート
デイトナ製スレンダーUSB電源は、ハンドルスイッチやミラーホルダーがあっても装着しやすいスリムな縦型ポートが特徴。ハンドルバーに固定する本体とは別に、バッテリー電圧を調整する変圧器があり、この変圧器にブレーキスイッチから分岐した電源を接続する。変圧器からUSBまでのコード長は約500mm。
【デイトナ USB Type-C 1ポート】●価格:3960円
Type-A/C to Type-A/C L型/Type-A/C to Lightning L型
USBポートがタイプAかタイプCか、充電するスマホがタイプCかライトニングかにより、デイトナでは4タイプの充電ケーブルを販売している。いずれもコネクターは接続時に張り出しの少ないL字型。
【デイトナ Type-A/C to Type-A/C L型/Type-A/C to Lightning L型】●価格:1980円/2420円
USB電源の装着方法その1:ブレーキスイッチから
フロントブレーキに取り付けられたブレーキスイッチには、2本の端子が差し込まれている。一方がバッテリー(メインキーを通った12V)で、もう一方がブレーキランプにつながる。
サービスマニュアルがあれば配線色で分かるが、検電ドライバーがあればキーONで電気が流れる端子が電源側であることが分かる。USB 電源を仮組みして配線しても良い。
検電ドライバーで分かった電源側の端子にブレーキスイッチ分岐ハーネスを取り付ける。これでキーをONにすれば分岐ハーネスの先端から12Vを取り出すことができる。
φ22.2mm、φ25.4mmのハンドルバーに対応するスペーサーをセットしてユニットを取り付ける。ハンドルスイッチ近くでもクランプ部でも、パイプ直線部なら取り付け可能。
直方体の変圧器は目立たない場所に取り付けたい。ヘッドライトケース内に収めるつもりでLED ライトユニットを取り外してみたが、タイトな設計で、まったく入らなかった、残念。
ライトケースはあきらめ、ヘッドライトステー裏側に固定してからアースコードをフレームボルトに共締めする。このボルトが車体から絶縁されていると回路ができないので要注意。
キーと連動して充電が行われることが確認できた。iPhone用のライトニングケーブルのコネクターの白色LED は、スマホ接続の有無にかかわらず電源に繋げば点灯する。
USB電源の装着方法その2:バッテリーターミナルから
これよりイー・プラスチャージャー=デジタル電圧計&USB電源Type-Cの取り付け。この製品はバッテリーターミナルに配線を繋ぐので、変圧器をガソリンタンク下に配置。
取り付け車両がFI仕様のカワサキW800で、タンクの着脱が面倒。変圧器や配線の位置を決める際は、ガソリンタンク後部に木っ端などを挟んでクリアランスを確保する。
後付け感が出ないよう、ボルトオンで着脱できるケーブルガイドやホースカバーを外しながら、バッテリー部分まで配線を取り回す。復元時に配線を圧迫しないように注意!!
シート下のトレーを外してバッテリーに到達したら、電源の配線をプラスとマイナスターミナルに直接取り付ける。その上で、キーONで通電する回路に赤色の配線を接続。
意味ありげなゴムカバーを外すと、接続されていないカプラーや端子が現れた。何かのアクセサリーを取り付けるための電源かも知れないので、検電ドライバーで確認する。
検電ドライバーでキーON通電する端子を見つけたら、キーをOFFにして切断されるかを確認する。常時ON の回路から分岐すると、バッテリー電圧が常時表示されてしまう。
イグニッションキーに連動する配線を特定したら、端子抜き工具でロックを外してカプラーの後方に引き抜く。ロックがどのように効いているのか、よく観察してから作業しよう。
精密ドライバーやピックツールでも代用できるが、専用工具はやはり使いやすい。デイトナでは110型/250型/MT-HM防水コネクターに対応する2本セットで販売。
デジタル電圧計&USB電源Type-Cにはアクセサリー電源接続用のエレクトロタップが付属しているが、スマートに仕上げるため純正と同じ茶/ 白コードで分岐線を接続。
キーONでバッテリー電圧が表示され、12Vを下回るとバックライトが赤く点灯する。しばらく乗っていなかったのが原因で、始動後エンジン回転を上げたらすぐに回復した。
※本記事は“モトメカニック”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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