絶版車に最適化された空冷専用エンジンオイル〈モトジョイオリジナル〉

モトジョイオリジナル空冷専用エンジンオイル

「良いエンジンオイルとは何か?」をひと言で答えるのは難しい。単体で判断するなら、100%化学合成油は良いオイルかもしれない。しかしエンジンオイルはあくまでエンジン内で本領を発揮するものであり、どのようなエンジンで使うかによって答えは変わってくる。モトジョイ(三重県鈴鹿市)が求めたのは、油温が上昇してもシフトタッチが悪くならない、空冷エンジンに適した絶版車用オイルだった。オイルメーカーとの共同開発で誕生したオリジナルオイルは、多くの空冷絶版車ユーザーから評価を得ている。


●文/写真:モトメカニック編集部(栗田晃) ●外部リンク:モトジョイ

ベースオイルの種類や粘度だけでは分からないオイル性能。鉱物油ベースに厳選添加剤を加えることで熱ダレに対応

【モトジョイ オーヴァークラシックス空冷専用オイル 15W-50●価格:1L缶1980円 ペール缶20L2万2000円

絶版車用オイルに適した特性とは? モトジョイが重視したのは油温上昇時の油膜の強さだ。

ベースオイルが鉱物油でも化学合成油でも、エンジンオイルは粘度指数向上剤/極圧剤/摩擦調整材/清浄剤/酸化防止剤など、いくつもの添加剤を加えて製品化されている。それらは主に高分子ポリマーで、圧力や温度によって性能が低下する傾向がある。

そこで重要になるのが、ベースオイルの特性だ。一般的に鉱物油は化学合成油に比べて分子が大きく浸透性が低いと言われており、低粘度化にとってはマイナスだが、油膜の強さにはプラスとなる。

モトジョイがオイルメーカーと共同で開発した空冷エンジン専用オイルは、その利点を引き出すべく鉱物油ベースの半合成油を採用。15W-50と硬めの粘度設定とすることで、シフトチェンジ時の不快なショックを吸収する効果も期待できる。自社で整備する車両はもちろん、空冷のカワサキZ1エンジンを搭載した自社製レーサーOV-40にも使用して好感触を得ているという。

絶版車のエンジン特性や求められる特性を把握し、それらをリクエストすることで完成した空冷エンジン専用オイル。八方美人的ではなく狙いをはっきり定めた製品だけに、空冷絶版車のオーナーは体感してみる価値がありそうだ。

エンジンオイルと言えば茶褐色の製品が多いが、モトジョイのオイルは特徴的なエメラルドブルー。これは着色剤によるもので、直接性能に影響するわけではないが、他の製品とはひと味違った個性をアピールできる。5Wや10Wのオイルに比べて、15Wは常温時の粘性が高い。

モトジョイでは、カワサキZやホンダCBXなどの絶版車のエンジンを日常的にオーバーホールしている中で、オイルが果たす役割や必要な性能に対するイメージが明確になり、的を絞った製品開発が可能になったという。同じようにオリジナルオイルを開発するにしても、使用するエンジンが現行スーパースポーツ用なら、当然ながらベースオイルや粘度も変わってくる。


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