
●文:モーサイ編集部(鷹橋公宣/元警察官・刑事)
元警察官が体験を交えて“よくある言い訳/言い逃れ”を紹介
交通違反をして取り締まりを受けると「あぁ、チクショウ!」と悔しい気分になるものです。警察官に声をかけられると、やっぱり言い訳や文句のひとつもしたくなるでしょう。状況次第ですが、そこでしっかり効果的な説明や反論ができれば「今日のところはもういいから、次から気を付けて」と指導で済まされる可能性もあります。
取り締まりに不服があれば声を大にして主張するべきですが、以下に挙げる“よくある言い訳/言い逃れ”のセリフは残念ながらほぼ通用しません。実際の交通取り締まりの場面でよく遭遇したセリフを紹介します。
よくあるセリフその1「オレだけじゃなくて違反者すべて止めろよ」型
違反を見つけて停止してもらい、窓を開けてもらって違反の説明をしていると「じゃあ、あの車も、あっ、あの車も! 同じ違反してるじゃんかッ、オレだけじゃなくてあっちも切符を切れよ!」と言う方はかなり多いんです。
たしかに、そんな状況だと「自分だけ違反処理されて不公平だ」と感じるでしょうから、気持ちはわかるんですが、それでも自分が違反したことに変わりはないですよね。
「そうですね、取り締まりを強化します!」なんて返されるだけで終わります。
よくあるセリフその2「今日はたまたま」型
シートベルトの取り締まりでよく遭遇していたのが「いつもはちゃんと着けてるんだけど、今日はたまたま忘れちゃったんです」というもの。
本当にいつもはしっかり守っていたのか、はたまたウソなのかはわからないわけですが、まさにシートベルトを装着し忘れたときに事故に遭えば大変なことになります。自分が気を付けていても、後続車から追突されてしまったら、シートベルトなしだとフロントガラスに頭をぶつけて大ケガをしてしまうでしょう。
取り締まりにしても、事故にしても「なぜこのタイミングで…」という運の悪さが重なるものだと覚えておいてください。
よくあるセリフその3「はじめて通る道だった」型
一時停止や一方通行の取り締まりに多いのが、「初めて通る道だったから規制がわからなかった」というセリフです。
たしかに、通り慣れていない道路は規制がわかりにくいものなので、知らないうちに違反を犯してしまうケースも少なくありません。しかし、初めて通るドライバーでも規制がわかるように日本全国で同じ標識/標示を使っているのだから、そんな言い訳をしてもムダです。
ここで覚えておきたいのが、実際に標識や標示が見えなかった、あるいは見えにくかったとき。たとえば、街路樹が生い茂っていて標識が隠れていたとか、標示が薄くなって見えにくかったといったケースでは、違反が取り消される可能性があります。
少しでも時間が経ってしまうと状況が変わってしまい、「当時はどうなっていたの?」となってしまうので、その場で標識/標示が見えにくいという状況をスマホで撮影しておきましょう。
よくあるセリフその4「ちょっとぐらい大目にみてよ」型
いろいろな違反で遭遇するのが「ちょっとぐらいいいじゃんか、大目にみてよ」という言いわけです……
※本記事は2022年9月20日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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