雨でもライディングを楽しめる全天候型スポーツラジアル!『BATTLAX HYPERSPORT S23』の実力とは

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ブリヂストンの「バトラックス・ハイパースポーツS23」が発売されて早や9か月。スポーツ性の高さは折り紙付きだが、果たして高性能タイヤで懸念される「悪条件での走り」はいかに? テスター丸山浩がウェット路面に果敢にチャレンジ!

●テスト:丸山浩 ●まとめ:伊藤康司 ●写真:長谷川 徹 ●取材協力:SP忠男 浅草店 ●BRAND POST提供:ブリヂストン

雨でも走りを妥協しない「高級タイヤ」

BATTLAX HYPERSPORT S23

もはやオンロードスポーツタイヤの名跡といえるブリヂストンのBATTLAX(バトラックス)。その中でもストリートからサーキットまで全方位でのスポーツ性を確保するのが「HYPERSPORT S23」だ。2023年10月に発表され、同年11月に行われたサーキット試乗会にはもちろん私も参加し、前モデルのS22からの進化には本当に驚かされた。そして2024年2月の発売以降は、様々なスポーツバイクに履いてツーリングやワインディングも走り込んでおり、S23の実力の高さは身に染みている。

……のだが、いままでS23に乗るシーンはなぜか“好条件”ばかりで、ウェット路面を走る機会が無かったのだ。これはRS11のようなハイグリップタイヤの猛烈なパフォーマンスを確認する上では好都合なのだが、S23のようなストリートもサーキットも楽しむためのスポーツタイヤでは、じつはウェット路面のような条件が悪い時の性能こそが、タイヤ選択の判断基準に大きく影響するのではないだろうか?

そんな想いがあるなか、今回のS23試乗は絶好の機会(?)に恵まれた。ところどころウェットパッチが残るサーキットと、ストリートでは天候不順によってドライ→ウェット路面への変化をしっかりテストできたのだ。スズキのGSX-8RにBATTLAX HYPERSPORT S23を履き、袖ヶ浦フォレストレースウェイと高速道路&ストリートを試乗。普通なら最初にサーキットレポートかもしれないが、今回は公道でのフィーリングから解説したい。

【テスター:丸山浩】WITH MEプロフェッショナルレーシング会長でありYouTubeチャンネル「MOTOR STATION TV」を主宰し、ヤングマシンのメインテスターを務める。プロの正しい評価とアマチュアの目線を忘れずに、極寒・酷暑と悪条件をも厭わずにとことん走り込んで性能と楽しさをチェック! 

まずは移動のために走った高速道路だが、前モデルのS22よりも剛性を上げているのに、乗り心地が非常に良い。文字で書くと簡単そうだが、剛性を上げれば乗り心地も硬めのフィーリングになるのが普通なので、この部分だけでも“全方位スポーツラジアル”の進化の片鱗を感じられる。じつはS23発表時のサーキット初試乗(2023年11月)の際にも、あえてゼブラの上などギャップの上を走ってみたが、その時感じた乗り心地の良さは、公道にもきちんと反映されているのだ。

そしてコーナリング。一般道やワインディングでは、ブレーキングしながら寝かして入っていくような走りはしないが、コーナーに入って“思ったよりキツいかな”と感じるようなシーンでも、そこからスーッと寝かせて行けるラインの自由度が素晴らしい。これはストリートタイヤとして大切な部分だ。

こうして気分良く走行していたら、なんと期待の雨(笑)が降ってきた。豪雨というほどではないが、みるみる路面が濡れてほどなくフルウェットに。ところが中速のS字コーナーを抜けるのにも、不安を感じるどころか“ちょっと攻めてみようかな”くらいのポジティブな気持ちで曲がることができる。公道なのでフルバンクではないし、タイヤのエッジも使っていないが、3LC構造のフロント、5LC構造のリヤともにセンターから移行するショルダー部分のコンパウンドが、濡れたアスファルト路面と非常に相性が良いように感じる。またS23のリヤタイヤで新採用したパターンデザインの“パルスグルーブ”が、キチンと路面の水を切っているのも、ウェットの不安を解消する要因になっている。

たとえばツーリングに出て途中で雨が降ってきたら、いわゆるハイグリップタイヤを履いていると“イヤだな、もう怖いから走りたくないな……”とネガティブな気持ちになることもあるが、S23にはコレが無い。雨が降ってきても「やっぱりスポーツバイクって楽しいな!」という気持ちを維持してくれる。これは紛れもなく“高性能”と呼べるのではないだろうか。

完全に雨水に覆われたフルウェット状態でも、S23を履いていればポジティブな気持ちを維持してスポーツライディングを楽しめる。

耐摩耗性を考慮したライフの長いセンターのコンパウンドや、グリップを生み出す剛性の高い構造にも拘らず、乗り心地が良いのが特徴。路面のギャップもスムーズに吸収。

コーナリング速度を上げてタイム向上を狙う

端的に言えば、S23は前モデルのS22よりエッジ部分の剛性を高めることで、コーナリング性能を高めている。フロントタイヤはコーナー進入でブレーキングしながらな寝かしていくような場面で、S22で少し弱かった部分を改善して違和感を無くしてしっかりしている。またリヤタイヤもトラクションをかけた時に踏ん張れるように剛性を高めた。これによりドライでのエッジグリップをグッと高めて、それがコーナリングスピードを上げてラップタイムの向上にも繋がっている。

これは実際にサーキットで試すと体感できるのだが、逆を言えばストリートではそんなコーナー進入はやらないし、エッジの剛性やコンパウンドで横Gに耐えるような過激な走りもしない。と、考えるとS23はかなり「サーキットに寄せた」性能と進化を狙って開発したように思えるし、実際にそうなのだろう。

ところが前述したように、S23はかなり“乗り心地が良い”。既存のスポーツラジアルのセオリーだと、どちらかに性能を振ると、やはりどこかが犠牲になるものだが、S23はどこも落としていないのだ。

タイヤが新品の状態でコースインして、1周目からヒザを擦れるくらいの接地感と安心感がある。もちろんタイヤウォーマなど使っていないし、特別にタイヤ暖めに配慮したわけでもない。しかし2周目ではキチンと溶けてグリップ発揮している。

じつはこの「サーキットの1~2周目での安心感」こそが、「一般道での普段の安心感」につながると、私は感じている。そしてS23にはそれがあるのだ。

ちなみに性能を比較したレーダーチャートを見ると、ドライだけでなくウェットでのすべての項目でS23がS22を上回っている。今回のサーキット試乗は前日の雨の影響で、コース上に何カ所かウェットパッチが残っており、場所によっては少なからず水が流れている部分もあった。しかし、そんなウェットパッチを通過する際、けっこう深いバンク角でもスロットルを開けさえしなければ、滑ることなく何事もなかったようにクリアできた。このウェット性能の高さも、雨天時のストリートでの安心感につながっているのは明白だ。

ともすればレース用やサーキットで威力を発揮するハイグリップタイヤを「高性能タイヤ、高級タイヤ」と捉える傾向が強い。しかし“HYPERSPORT”の名の通り、全天候そして全方位で隙無く進化し、どんな状況でも「ライディングが楽しい」と感じさせてくれるS23こそが、現代における「高級タイヤ」ではないだろうか。

新品でコースインして、1周目からヒザを擦れる安心感を享受できるS23。いわゆるタイムアタック用のタイヤではないが、確実にタイム向上を狙えるポテンシャルを備える。

水しぶきが上がるほどのウェットパッチを通過しても、不意に滑ったり挙動変化を起こさないウェットグリップ性能を達成している。

新品状態のリヤタイヤ。5LC(5分割のトレッドゴム)のショルダーとエッジの境目が確認できる。

袖ヶ浦フォレストレースウェイを12周走った状態のリヤタイヤ。走り始めてすぐにショルダー部(5LC構造のセンターとエッジの間のトレッド)がキレイに溶け始めて、安定したグリップ力を生み出す。

全方位で性能向上を実現したスポーツラジアルの新基準!

ブリヂストンのオンロードスポーツタイヤの主軸を担うBATTLAX HYPERSPORT S23。前モデルのS22から内部構造とプロファイルを継承しつつ、新開発のコンパウンドとパターンデザインを投入し、サーキットでのタイム向上からウェット性能の向上、摩耗を抑えてライフも延長している。

トレッドコンパウンドがフロント3分割(3LC)、リア5分割(5LC)の構造は前モデルのS22を踏襲するが、フロントのショルダー部とリアエッジ部に新たなグリップ向上剤を配合した新コンパウンドを採用。

リヤタイヤのセンターに新形状の「パルスグルーブ」を採用。水の流れをを均一化して流速を上げることで、優れた排水性を実現。

きわめて強力なドライエッジグリップを発揮しながら、ウェット性能やハンドリングなど全方位で前モデルS22からパフォーマンスアップを果たしたS23。グリップ力を高めながらライフを伸ばしているのに驚かされる。

ブリヂストン・バトラックス ハイパースポーツ S23 のサイズ一覧

フロント

タイヤサイズメーカー希望小売価格(税込)
120/70ZR17 M/C (58W) TL2万7830円
 

リヤ

タイヤサイズメーカー希望小売価格(税込)
160/60ZR17 M/C (69W) TL3万7400円
180/55ZR17 M/C (73W) TL4万1140円
190/50ZR17 M/C (73W) TL4万2130円
190/55ZR17 M/C (75W) TL4万3010円
200/55ZR17 M/C (78W) TL4万5650円
 

BRIDGESTONE BATTLAX HYPERSPORT S23

BRIDGESTONE BATTLAX HYPERSPORT S23

BATTLAX HYPERSPORT S23のテストに使用したのはスズキのGSX-8R。新設計の270度位相クランク並列2気筒エンジンを搭載。新時代のフルカウルスポーツを標榜する作りは、S23の「全方位スポーツラジアル」の性能とコンセプトをチェックするのに最適な車両といえる。


※本記事はブリヂストンが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。