マシンも走行シーンも選ばない、全てのスポーツライディングに対応する『BATTLAX HYPERSPORT S22』の実力とは!?
ブリヂストンのロードスポーツ用ラジアルタイヤ「バトラックス・ハイパースポーツS22」。ミドルから1000ccスーパースポーツ、ツーリングからサーキットまで対応し、季節を問わないスポーツ性能を、テスター丸山浩氏が全方位でくまなくチェック!
●テスト:丸山浩 ●まとめ:伊藤康司 ●写真:長谷川 徹、山内潤也 ●取材協力:SP忠男 浅草店 ●BRAND POST提供:ブリヂストン
寒くても濡れていても、走り出してすぐに得られるグリップと安心感
ブリヂストンのオンロードスポーツの主軸に据えられるBATTLAX HYPERSPORT S22は、ヤマハのYZF-R7やMT-09等にもOEM装着される。とはいえ国産1000ccスーパースポーツの多くは、同社のRACING STREET RS11を標準装着する、いわゆる“ハイグリップタイヤ”とカテゴライズされるものだ。そこで今回は、敢えてGSX-R1000RにS22を履き、主軸たるスポーツタイヤの実力をチェックしてみようと思う。
じつは我々がスーパースポーツ車をテストする時は、RS11やともすればレース用のR11の様なタイヤを履かないと、その猛烈なパフォーナンスを評価できないコトも少なくない。……とはいえ、そんなスーパースポーツを含め、多くのスポーツバイクユーザーが、そういった使い方をしているわけではなく、ワインディングロードで心地よいスポーツをたしなみ、ツーリング先のキレイな風景の中で写真を撮る……みたいな方も多いハズだ。そうなると、タイヤは最大グリップを発揮する“前のところ”で、持てる効果を発揮できなければならない。そこで重要なのが「温度依存性の低さ」だが、S22はココが非常に優秀だ。
たとえば冬場の雪混じりのような道でも、温まりの良さも相まって、走り始めてスグにグリップ感が出るのだ。コツコツッとした感じから、ゴロゴロッと接地感が出て安心感を得られるのが嬉しい。たとえば街乗りなどでも、短距離の通勤レベルだと安心感が出る前に到着してしまうようなところを、多くのライダーが使う領域のところまで温度依存性を下げているのが素晴らしい。
そんな温まりの良さと同時に高く評価すべきはウェット性能だ。これはS22の前々身といえるS20の辺りから、コンパウンドが相当に良くなっている。溝(トレッド)で何とかしようとするのではなく、タイヤのゴム質自体が水の上ですごく強い、というのを確かに感じるのだ。
ハンドリングは極めてニュートラル。S22はすごく丸いラウンド形状なので、GSX-Rに限らずどんな車種に履いても自然なハンドリングが得られる。車両によっては少し重く感じる場合もあるかもしれないが、これは尖がって軽くなりすぎる傾向が、しっかり手ごたえのあるハンドリングになっている、という意味に捉えて欲しい。
そして耐久性。S22はリヤが5LCだが、そのセンター部分は耐久性がシッカリあって、街や峠はもちろんサーキットでも何も起きない。フロントは3LCで、やはりセンターがシッカリしているのでブレーキング性能も良い。しかし、コーナーで加速する時に使うリヤの横サイド(5LCのセンターとエッジの間のショルダー部)はよく溶ける。耐久性が低い……という意味ではなく、たとえば路面温度が極めて低い冬のワインディングを走っても「あっ、これぐらいキチンと溶けてくれるんだ!」という感じで、バンクしている時のフィーリングが良いのだ。
センター部分はしっかりしている(相応に硬い)とはいえ、街乗りや巡行ばかりだと少なからず角減りするのは仕方ない。しかし2か月に1度くらいのペースでワインディングをビューンと走れば横サイドがキレイに削れて本来の丸いタイヤに戻る。これがサーキット走行なら一発だ。そういう使い方の人なら、ずっと丸い形状を維持してニュートラルなハンドリングを得ながら幸せに暮らせるわけだ(笑)。
ニュートラルなハンドリングがずっと持続するから、スポーツ走行を長く楽しめる
冒頭でも触れたが、国産リッタースーパースポーツ系はOEMでRS11を履いている。たとえばこのGSX-R1000Rを「サーキットで走るために手に入れた」という人は、RS11のようなハイグリップがオススメだろう。私もトランポに積んで移動するバイクにはハイグリップを履かせている。しかし、メインが快走ツーリングでたまにサーキット、もしくはサーキットにも自走で行くというライダーにとって、ライフも含めてハイグリップがオススメ、とは言えない部分もある。
もちろんサーキットにはサーキット用タイヤの方がコンマ何秒のタイムを削るには向いているし、むしろ「こんなに減ったぜ!」と自慢するのも大いにアリだと思う。とはいえハイグリップタイヤでストリートを走っているとかなり角減りするため、その状態でサーキットを走っても本来のハンドリングを得られない。反対に全体に硬いタイヤだと、角減りしにくいかもしれないが、サーキットに行っても横サイドが硬いのでグリップ力に乏しかったり、少し走っても角減りが改善されるわけではない。
しかしS22なら普段の街乗りや峠、そしてサーキットへの行き帰りも含め十分なライフとニュートラルなハンドリングを確保しつつ、サーキットもシッカリ攻められる。もちろんハイグリップよりタイムは落ちるが、かと言ってすごく落ちるワケではない。普段の楽しさを犠牲にせずにサーキット走行できるという意味で、S22を選ぶメリットは大きい。
そして温度依存性の低さやウェット性能の威力も忘れてはならない。たとえば雨天後のサーキットでウェットパッチがそこそこ残っていたり、川が流れていたら、ハイグリップタイヤではまともに走ることができない。うっすら濡れているレベルでも路面温度が低かったら無理だ。しかしS22は水の上のグリップ感はすこぶる良好で、ハイグリップとは比較にならないほど走れる。レインタイヤに履き替えるヘヴィユーザーはともかく、四季を通してウェットに強いS22の、ここも特筆すべきポイントだろう。
新技術を投入し、ドライもウェットも一切の妥協なく進化
ブリヂストンのオンロードスポーツタイヤの主軸を担うS22。微粒径シリカや樹脂などコンパウンドの最適化や、パタンやブロック比率によって、ドライ/ウェットを問わずグリップやハンドリングブレーキやトラクションなどすべての項目で前モデルのS21を超える性能を発揮する。
ブリヂストン・バトラックス ハイパースポーツ S22 のサイズ一覧
フロント:
120/70ZR17 M/C (58W) 2万5520円
110/70R17 M/C 54H [Hレンジ] 1万9470円
リヤ:
160/60ZR17 M/C (69W) 3万4210円
180/55ZR17 M/C (73W) 3万7620円
180/60ZR17 M/C (75W) 3万9380円
190/50ZR17 M/C (73W) 3万8500円
190/55ZR17 M/C (75W) 3万9380円
200/55ZR17 M/C (78W) 4万1800円
140/70R17 M/C 66H [Hレンジ] 2万4750円
150/60R17 M/C 66H [Hレンジ] 2万5740円
※メーカー希望小売価格は税込/全てチューブレスタイプ
※本記事はブリヂストンが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。