●文:中村友彦 ●写真:山内潤也 ●取材協力:ブリヂストン ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
オールラウンドにしてフレンドリーな特性
先代BT-45との相違点はウェット性能のみ。ブリヂストンはそう公言しており、発表された変更点もリヤのコンパウンドを雨に強いシリカ配合とし、フロントの回転方向を逆向きにした程度(ウェット時の接地感向上などに効果があるという)。トレッドパターンも基本的には踏襲されている。BT-45は’98年発売の超ロングセラーにしてバイアスタイヤ界の大定番銘柄だが、その基本を引き継ぎつつチューニングを加えたのがBT46と言っていい。
とはいえ、そのウェット性能の差は明確で、’19年末に開催された試乗会(散水路のみ)では、BT-45では恐る恐るだった操作が、BT46なら自信を持って行えることに驚かされた。同時にこの特性ならドライも期待できそうだと考え、BT46を装着したニンジャ250でツーリングに出かけたところ……。
他社の最新バイアスにBT46は負けていないと思った。軽快感と安定感は絶妙の塩梅で両立されているし、ブレーキ&アクセルの操作時や車体を倒し込む際は、接地感の変化がわかりやすく伝わって来るし、路面の凹凸の吸収性もなかなか良好。中でも印象深かったのは接地感の変化で、やや味気ない感触のあったBT-45に対し、BT46はわかりやすい情報を頼りにしながら、マシンとの濃密な対話が楽しめるのだ。
もっとも、絶対的なグリップや剛性はラジアルタイヤに及ばないが、前後セットの実勢価格が1.2万円安いことを考えれば、そこに異論を述べるのは野暮だろう。先代同様の実直さを維持しながら、信頼感と操る楽しさが増したタイヤ。それが僕のBT46に対する印象である。新たな定番バイアスとして、幅広い支持を集めるに違いない。
現代的なアレンジと3分割トレッドの廃止
近年のBSの流儀に乗り、トレッドに商品名とデコレーショングルーブ(=浅い装飾用の溝)を刻印。リヤのコンパウンドは先代の3分割構造→シングル化。
フロントは逆パターン!?
BT-45に対して、フロントのトレッドパターンは逆回転となった。ウェット性能の向上を実現するため、リヤにはシリカ配合の新開発コンパウンドを採用。
多種多様な車両に対応
先代のBT-45と同様、半世紀以上前のクラシックバイクから現代のベーシックモデルまで、とてつもなく幅広い車両に対応するBT46。第一弾として発表されたのは表の25サイズだが、’21年には14サイズ、’22年には8サイズが追加され、最終的には47サイズが揃う予定だ。対応機種の豊富さという面で、おそらく、このシリーズに勝るタイヤはないだろう。
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