ハンターカブ”噂の真相”を追及する

ホンダCT125ハンターカブを先代CT110と比べてみた【似て非なる圧倒的な走行性能】


●文:ヤングマシン編集部(谷田貝洋暁) ●写真:増井貴光 ●取材協力:モトツーリング編集部

Zやカタナなど、最近のレジェンドブランドの復刻すべてに言えることだが、新型は必ず過去の栄光と比べられる。旧型の人気が高ければ高いほど”伝説”のハードルは高くなるものだ。ではCT125ハンターカブではどうだろう? 先代のCT110(オーストラリア郵政仕様・個人所有車)と比較してみた。

車体性能が圧倒的。ただしそのぶんデカイ

見た目からしてCT110(以下:旧型)に比べて大きいCT125ハンターカブであるが、実車を前にすると新型はさらに大きく感じ、存在感がある。旧型にはどこか華奢なところがあるが、新型は骨太なガッシリ感がある。

[左]先代CT110 [右]CT125 HUNTER CUB

[左]CT110:比較車は6Vではなく12V仕様で、副変速機を持たないオーストラリアの郵政仕様。ギヤも一般的なカブとは逆で、前に踏み込むとシフトダウン。国内モデルのCT110は、105㏄で7.6㎰/7500rpmで、標準現金価格15万9000円だった。[右]CT125ハンターカブ:日本国内では’81年のCT110の登場以来、約40年ぶりの登場となる現代の”ハンターカブ”で、旧型同様、ハイマウントのエアスクープ、トップブリッジ付きフロントフォークなどを採用。排気量は124ccで8.8㎰/7000rpm。価格は税込44万円。

乗ってみての印象にもそれがそのまま当てはまる。新型の方が車体において明らかに性能が高いのだ。コーナリング時にはディスクブレーキでしっかり制動できるので、それだけ突っ込める。フレームにもがっしり感があるので、コーナリング中にこじって向きを変えるような場面でも、フレームが負けない。ひと言で言ってしまえばスポーツ性が高いってことだ。旧型はハンターとはいえやっぱりカブなのだが、新型は明らかにカブの範疇を超えた車体性能を持っている。

エンジンパワーにしても、もはや別モノといっていい。確かに車体は重いし大柄に感じるのだが、新型のエンジンには旧型比で排気量差以上のパワフルさを感じるのだ。

確かに比較車両は個人所有車で新車当時の性能ではないだろうが、それを差し引いても、旧型がおとなしく走らざるをえない場面で、新型はアクセルを開けられるし、ブレーキも握れるのである。新型の乗り味はもはやカブではなく、モーターサイクルだと言える。

[左]先代CT110 [右]CT125ハンターカブ

CT125ハンターカブ/CT110のディテール比較

エンジン

排気量が19㏄も違ううえ、経年劣化もあると思われ、単純な比較はできないものの、それを差し引いてもCT125ハンターカブはかなりパワフルに感じる。

CT125ハンターカブ

フレーム

華奢なイメージのCT110に対し、全体にゴツい印象のあるCT125ハンターカブ。走りの違いにもそのまま当てはまる。CT125ハンターカブはかなりのハイスピード走行が可能だ。

CT125ハンターカブ

エアクリーナーボックス

CT110は蝶ナットでカバーが外れるが、新型はカバー&本体がねじ止めされており、外すのがちょっと手間。新型の接合部にはゴムパッキンが挟まれていた。

CT125ハンターカブ

フロント足まわり

キャスター角は両車とも27度だが、トレール量が旧型85mmに対しCT125ハンターカブは80mm。ブレーキもCT110がドラムなのに対し、CT125ハンターカブはディスクを採用。

CT125ハンターカブ

ハンドル

最小回転半径は、CT110の1.8mに対しCT125ハンターカブは1.9m。操作感もCT110の方がかなり軽く、重さも実際にCT125ハンターカブの120kgに対し、CT110は92kgとかなり軽い。

CT125ハンターカブ

燃料タンク

タンク容量はCT125ハンターカブの5.3Lに対し、CT110は5.5Lを確保。またシートはCT110がカブらしく吸盤固定なのに対し、CT125ハンターカブはキー施錠式だ。

CT125ハンターカブ

キャリア

両車とも大きく実用的でエアスクープが前方左側に収まるのも一緒だが、CT125ハンターカブの方は2人乗りしてもプラス荷物が積めそうなくらい大きい。

CT125ハンターカブ

ライディングポジション

両車とも基本的に足着きはよく、両足ともかかとまでベッタリだが、CT110の方がさらに足着き性はいいと感じた。アップライトなポジションも似ており姿勢はほぼ一緒。CT110の方が若干ステップが後ろにある印象だ。[身長:172cm/体重:75kg]


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