![鮮烈なボディカラーが印象的だった42年前の名車。とんでもないスペックだったが、わずか2年で消えた伝説の[カワサキ 750 TURBO]](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2026/09/kawasaki_750_Turbo_A.jpg)
1980年代前半のバイク界を席巻したターボブーム。その大トリとしてカワサキが投入したのが「750TURBO」だ。カラー展開は異例の「赤×黒」1色のみ。ナナハンでありながらリッターマシンを凌駕する最高出力112psを叩き出した、伝説の最強ターボマシンの足跡を辿る。
※2025年6月刊行の『ニッポン旧車烈伝 昭和のジャパン・ビンテージ・バイク 323選』より、個性派名車を選出し、加筆して掲載しています。
●文:ヤングマシン編集部
112馬力の衝撃! リッターマシンを脅かした「最強・最速」のドッカンターボ
1980年代前半、国内4メーカーがしのぎを削った二輪ターボ開発競争。その最後に満を持して登場したカワサキ「750TURBO(ZX750E)」は、遅れてきた真打にふさわしく「世界最強最速のターボモデル」をコンセプトに掲げて開発された。
パワーユニットはナナハンの排気量(738cc)でありながら、当時のカワサキのフラッグシップ大排気量車であったGPz1100(120ps)に肉薄する、驚愕の最高出力112psを叩き出した。日立(JECS)製の超小型タービンを搭載し、最高速度は750ccクラスでありながら235km/hオーバーを記録。
1984年 KAWASAKI 750 TURBO
過給機システムを搭載しながらも乾燥重量233kgという軽量化を果たし、ゼロヨン(0-400m加速)性能でも並み居るライバルたちを完全に圧倒した。しかし、他社が扱いやすさを模索する中でカワサキが追求したのは、過給圧が一気に立ち上がる強烈なトルク感であった。3,500〜4,500rpm付近から怒濤の加速を見せるいわゆる「ドッカンターボ」の強烈な特性を持ち、まさに乗り手を選ぶワイルドでスパルタンなモンスターマシンでもあったのだ。
驚異の112psをただき出す心臓部、そして特徴的なメーター周り
名機・GPz750系の空冷DOHC2バルブ並列4気筒エンジンをベースに補強。排気ポートからの流速を削がずターボラグ(過給遅れ)を極限まで抑えるため、タービンはシリンダーVバンク直前の排気口近くに配置されている。吸気供給には高度な制御を可能にするDFI(電子制御燃料噴射)を採用。
排気口近くにターボを配置することで、ターボラグの低減を目論んではいるが…。
メーター周りはGPzシリーズのアイデンティティである異径二連メーターを踏襲しつつ、タコメーター内には押しボタン式で作動する電圧計を内蔵。さらにパネル中央下部には過給圧を示すデジタル液晶ブーストゲージを配置しており、後に登場する大ヒット作GPZ900R(Ninja)よりもスパルタンかつ戦闘機ライクなコックピット空間を演出している。
スパルタンな印象のコックピット。
【カワサキ750ターボ 主要諸元】(1984年・輸出モデル)
- エンジン形式:空冷4スト並列4気筒DOHC2バルブ
- 排気量:738cc
- 最高出力:112ps/9000rpm
- 最大トルク:10.1kg-m/6500rpm
- 車両重量:233kg
- タイヤサイズ:F=110/90-18 R=130/80-18
航空機を連想させる武骨な造形! 伝説の始まりとなった「プロトタイプ」
750TURBOの歴史は、市販化の3年前となる1981年の第24回東京モーターショー(および東京モーターショーに先立って発表された海外ショー)に展示されたプロトモデルまで遡る。
’81 KAWASAKI 750 TURBO PROTO TYPE
当時公開された試作車両は、車体各部にリベット留めの意匠が施され、まるで往年の戦闘機や航空機を彷彿とさせる武骨かつ無骨なスタイリングが特徴的だった。「空の技術」をもルーツに持つカワサキらしさが全面に押し出されたそのデザインは、世界中のバイクファンに強烈なインパクトを与え、市販化への期待を決定づけた。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車)
名車の姿を変えた国内事情。“耕運機ハンドル”誕生の背景 1980年のケルンモーターサイクルショーで公開され、翌1981年に発売されたスズキ「GSX1100S KATANA」。日本刀をイメージしたシャー[…]
勝利のために常識を超えた装備を投入した特別なCB 1980年代初頭、世界のスポーツバイク市場で存在感を高めていたホンダが、持てる技術を惜しみなく注ぎ込んで生み出したのが「CB1100R」だ。その開発思[…]
ベスパとは異なるアプローチを見せた「もう一つの至宝」 現在のクラシックスクーター市場ではベスパが有名ですが、かつてその絶対王者に真っ向から勝負を挑み、世界中のファンを熱狂させたブランドがありました。そ[…]
ナンバー付きからレース専用車まで本格的スポーツ走行と模擬レースが体験できる 各地のサーキットには、ライダーの技量に応じてファミリー走行枠やスポーツ走行枠といったクラスが設けられていることが多い。また主[…]
軽量化への徹底したこだわりが生んだ、革新的なスーパースポーツ 1980年代、国内のバイク市場ではレーサーさながらの外観と高性能を備えた、レーサーレプリカの人気が急速に高まっていた。その流れを牽引する存[…]
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI])
空力性能を追求したウイングレットとシャシージオメトリーの最適化 カワサキのフラッグシップスーパースポーツとして君臨するNinja ZX-10R。その走りのポテンシャルをサーキットでの戦闘力へ純粋に昇華[…]
税込418万円で2027年1月23日発売! 国内限定300台のプレミアモデル 再導入の報から注目を集めていた2027年モデルのNinja H2 CARBONだが、注目の価格はカワサキケアおよびETC2[…]
初期型ゼファーの第一印象は「遅い!」だった 1989年に発売されたカワサキ・ゼファーは、レーサーレプリカ全盛期にデビューし、その後の「ネイキッドバイクブーム」の立役者となった一台です。 ちなみに「ゼフ[…]
Z1から11年、新基準を打ち立てた カワサキが水冷6気筒のZ1300を発売したのは’79年だったが、この頃からすでにZ1系に代わる次世代フラッグシップが模索されていた。Zに改良を加えて世代交代を進めて[…]
136PSの1098cc並列4気筒ツアラー! 「Ninja 1100SX / SE」2027年モデルが11月14日登場 カワサキは、スポーツツーリングモデルの最高峰となる「Ninja 1100SX」お[…]
人気記事ランキング(全体)
【第1位】普通免許で乗れて車検不要! 全天候型電動トライク専門店が名古屋にオープン 普通免許で乗れて車検や車庫証明も不要な全天候型電動トライクの専門店「ビークルファン名古屋BASE」が開設された。ドア[…]
ボタンひとつで車体が自立!力作業を完全に不要にする電動油圧の技術 重い大型バイクやスクーターを停車・駐車する際、車体を支えながらスタンドを立てる作業は、時にライダーにとって大きな身体的負担や精神的スト[…]
名車の姿を変えた国内事情。“耕運機ハンドル”誕生の背景 1980年のケルンモーターサイクルショーで公開され、翌1981年に発売されたスズキ「GSX1100S KATANA」。日本刀をイメージしたシャー[…]
85%共通プラットフォームがもたらす多彩な展開力 ドイツ・ベルリンで産声を上げ、デザインと開発の拠点をイタリア・ミラノに置く新鋭電動モビリティブランド「GR1T(グリット)」。世界最大級のバイク見本市[…]
T40より手頃な価格設定を実現したボンネビルファミリーの新たな入門機 トライアンフがインド市場向けに投入した「ボンネビル T4」は、世界的な成功を収める400ccプラットフォームの技術基盤を活用しつつ[…]
最新の投稿記事(全体)
4気筒CBR500R FOURにレーシングコンセプト ホンダは中国の重慶モーターサイクルショーにて、カスタムコンセプト「CBR500R FOUR レーシングカラー」を世界初公開した。ベース車両は「CB[…]
専用設計だからこそのジャストフィットと安心感 汎用の保護シートをハサミで切って貼る手間とは無縁。MK50の画面形状に合わせて寸分の狂いもなくカットされた車種・モデル専用設計となっており、ディスプレイの[…]
2650名の熱気!モデルの垣根を越えて共有するバイクライフの歓び バイクを走らせる醍醐味は、単に目的地へ移動することだけではない。同じ志を持つ仲間と出会い、バイクへの情熱やツーリングの思い出を語り合う[…]
「普段は箱、仕事や買い出し時はデカバッグ」がカギひとつで成立する! 仕組みは至ってシンプルにして極めて実用的。 普段愛用しているモノロックケース用ベースプレート「MP60N」の上に、ボックス[…]
母国グランプリとなったもてぎでは多くのファンから熱い声援を受け、ウィークを通じて圧倒的な存在感とスター性を発揮した小椋選手。アライが企画した抽選販売は即座に完売するなど、ファンにとって彼の身につけるア[…]
- 1
- 2

![1984年に登場した、KAWASAKI 750 TURBOの左側面の写真|鮮烈なボディカラーが印象的だった42年前の名車。とんでもないスペックだったが、わずか2年で消えた伝説の[カワサキ 750 TURBO]](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2026/08/the-japan-bintage-machine_2_kawasaki-750turbo.jpg?v=1787709099)
![1984年に登場した、カワサキ750TURBOのエンジン部分の写真|鮮烈なボディカラーが印象的だった42年前の名車。とんでもないスペックだったが、わずか2年で消えた伝説の[カワサキ 750 TURBO]](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2026/08/the-japan-bintage-machine_3_kawasaki-750turbo.jpg?v=1787709101)
![1984年に登場した、カワサキ750TURBOのコックピットの写真。|鮮烈なボディカラーが印象的だった42年前の名車。とんでもないスペックだったが、わずか2年で消えた伝説の[カワサキ 750 TURBO]](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2026/08/the-japan-bintage-machine_4_kawasaki-750turbo.jpg?v=1787709103)
![1981年にモーターショーで公開された、カワサキ750ターボのプロトモデルの写真|鮮烈なボディカラーが印象的だった42年前の名車。とんでもないスペックだったが、わずか2年で消えた伝説の[カワサキ 750 TURBO]](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2026/08/the-japan-bintage-machine_5_kawasaki-750turbo_prototype.jpg?v=1787709105)
![ニッポン旧車烈伝 昭和のジャパン・ビンテージ・バイク323選[雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/815BH7RG51L._SL1500_.jpg)





























