
なつかしのスクーターをまとめてみた。単なるモデル紹介ではなく、当時のライダーにとってそれぞれがどんな存在だったのか、文化や時代性を含めて振り返ろう。※本記事はヤングマシン臨時増刊『ニッポン旧車烈伝 昭和のジャパン・ビンテージ・バイク323選』からの転載です。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真:編集部/YM Archives
- 1 様々な可能性が試された個性の時代
- 2 1982 HONDA LEAD 80 DELUXE:タンデム対応の上級モデル
- 3 1982 SUZUKI GEMMA125:4ストエンジンを採用
- 4 1982 YAMAHA CYGNUS XC180:異色の171cc軽二輪
- 5 1983 HONDA SPACY125 STRIKER:リトラクタブルヘッドライト採用
- 6 1987 YAMAHA CZ150R:2スト17psの快速スクーター
- 7 1984 YAMAHA CYGNUS125:コンセプトはバイク版セダン
- 8 1984 HONDA SPACY250 FREEWAY:現代版250ccスクーターの誕生
- 9 1986 HONDA FUSION:ロー&ロングのラグジュアリースクーター
- 10 目立ってナンボ! 個性を前面に
- 11 1988 YAMAHA BW’s:スクーターにオフのテイストをプラス
- 12 1990 HONDA ZOOK:細部まで浸透した遊び心
- 13 ファッションブランドコラボカラーも登場
- 14 1986 SUZUKI Hi PERSON’S SPECIAL EDITION:パーキングじゃないですから!
- 15 1986 HONDA DJ-1R VIVAYOU EDITION:スクーターにもブランドの波!?
- 16 倒れないバイク! スリーター
- 17 1981 HONDA STREAM:近未来フォルムの次世代コミューター
- 18 1982 HONDA GYRO X:史上最強のデリバリーマシン
- 19 1984 HONDA ROADFOX:唯一無二の公道用三輪バギー
- 20 エレガント系スクーター花盛り
- 21 1983 SUZUKI 蘭:高級感の演出で差別化
- 22 1983 SUZUKI 薔薇:独自のあんしんスタート機構も
- 23 1983 HONDA EVE:乾燥重量わずか34kgを実現
様々な可能性が試された個性の時代
現代から過去を振り返って見ると、今に連なるメインストリームのマシン達が当然のように歴史を作ってきたように錯覚してしまう。しかし時代の王道を行くマシンの影には、無数の異色モデルが隠れていたことを忘れてはならないだろう。
代表的なのは125〜250ccクラスの大型スクーター。50ccの販売競争の中で国産スクーターは復活したが、免許取得の不便さや中型クラスのスポーツバイクブームから大型スクーターは決してメインストリームとはならなかった。それでもスクーターの利便性に大排気量エンジンを組み合わせ、スピードや快適さを上乗せしたモデルの可能性を各メーカーが模索していたことは過去の中型スクーターの推移を見れば一目瞭然だ。こうした土壌があってこそ、後のフュージョンやマジェスティによるビッグスクーターブームを生み出した、と見ることができる。
また’80年代初頭には急増する女性ライダーの需要を見込んだスクーターがホンダとスズキから次々に登場。性能や便利さだけでなく、スクーターのある生活を提案するイメージ戦略的な展開も見ることができた。
こうしてメーカーが次の流行を模索し、様々な可能性を提案して来る’70〜’80年代は、どんなニューモデルが何が飛び出すかわからない、驚きと活気に満ちあふれた時代でもあった。
1982 HONDA LEAD 80 DELUXE:タンデム対応の上級モデル
50ccと同時に発表されたタンデム対応の上級モデル。6.5psの80ccエンジンは、二人乗りでもゆとりの走りを実現。
主要諸元■空冷2スト単気筒ピストンリードバルブ78cc 6.5ps/6500rpm 0.75kg-m/5000rpm 車重72kg(乾) 1982年
1982 HONDA LEAD 80 DELUXE
1982 SUZUKI GEMMA125:4ストエンジンを採用
’80年代以降に復活した国産ビッグスクーターの草分け的存在で、兄弟車と違い4ストエンジンを採用した。
主要諸元■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ124cc 8ps/7500rpm 0.91kg-m/4000rpm 車重92kg(乾) 1982年
1982 SUZUKI GEMMA125
1982 YAMAHA CYGNUS XC180:異色の171cc軽二輪
当時としても珍しい軽二輪クラスのスクーター。エンジンも4スト単気筒OHVと、非常に個性的な構成だ。
主要諸元■空冷4スト単気筒OHV2バルブ171cc 15ps/7300rpm 1.5kg-m/6000rpm 車重108kg(乾) 1982年
1982 YAMAHA CYGNUS XC180
1983 HONDA SPACY125 STRIKER:リトラクタブルヘッドライト採用
リトラクタブルヘッドライトや、ラジエターの放熱を利用したヒーターなど個性的な機構を搭載した。
主要諸元■水冷4スト単気筒SOHC2バルブ124cc 11ps/7500rpm 1.1kg-m/6500rpm 車重91kg(乾) 1983年
1983 HONDA SPACY125 STRIKER
1987 YAMAHA CZ150R:2スト17psの快速スクーター
17psを発揮する2ストロークエンジンを搭載した快速スクーター。鋭角的なカウルデザインも独特の味わいを持つ。
主要諸元■水冷2スト単気筒ケースリードバルブ141cc 17ps/6500rpm 1.9kg-m/6000rpm 車重107kg(乾) 1987年
1987 YAMAHA CZ150R
1984 YAMAHA CYGNUS125:コンセプトはバイク版セダン
ゆとりある走りの“バイク版セダン”をコンセプトに、一軸バランサーやダブルガスクッションを採用する。
主要諸元■水冷4スト単気筒SOHC2バルブ124cc 11ps/8000 rpm 1.1kg-m/6500rpm 車重91kg(乾) 1984年
1984 YAMAHA CYGNUS125
1984 HONDA SPACY250 FREEWAY:現代版250ccスクーターの誕生
スペイシーシリーズの最上級モデルとして登場した、’80年台以降では国産初となる250ccスクーター。
主要諸元■水冷4スト単気筒SOHC2バルブ244cc 20ps/7000 rpm 2.2kg-m/5000rpm 車重136kg(乾) 1984年
1984 HONDA SPACY250 FREEWAY
1986 HONDA FUSION:ロー&ロングのラグジュアリースクーター
従来のスクーターのイメージを覆す1625㎜の超ロングホイールベースの車体が特徴的なビッグスクーター。
主要諸元■水冷4スト単気筒SOHC2バルブ244cc 20ps/7500 rpm 2.2kg-m/5500rpm 車重155kg(乾) 1986年
1986 HONDA FUSION
目立ってナンボ! 個性を前面に
続いては個性派をご紹介!
1988 YAMAHA BW’s:スクーターにオフのテイストをプラス
ワイドブロックタイヤにデュアルヘッドライトを組み合わせ、ロングストロークサスまで備えるオフテイストのスクーター。移動手段としてだけでなく、レジャーバイクの要素を備え遊び心をくすぐる。
主要諸元■空冷2スト単気筒ピストンリードバルブ49cc 6ps/6500rpm 0.67kg-m/6000rpm 車重65kg(乾) 1988年
1988 YAMAHA BW’s
1990 HONDA ZOOK:細部まで浸透した遊び心
まるで一枚の板から2本の棒が生えているような独創的な造形と、当時としては破格の9万円を切る価格設定が特徴のスクーター。ノーマルタイヤは足あとの形を模したトレッドパターンを採用する。
主要諸元■空冷2スト単気筒ピストンリードバルブ 49cc 3.3ps/6000rpm 0.45kg-m/4500rpm 車重41kg(乾) 1990年
ファッションブランドコラボカラーも登場
コラボレーションも当時の流行に。
1986 SUZUKI Hi PERSON’S SPECIAL EDITION:パーキングじゃないですから!
渋谷発のメンズファッションブランド・パーソンズとのコラボレートで誕生したオリジナルカラーモデル。
1986 SUZUKI Hi PERSON’S SPECIAL EDITION
1986 HONDA DJ-1R VIVAYOU EDITION:スクーターにもブランドの波!?
スポーティなDJ-1Rと原宿系レディースファッションブランドのコラボ。従来にないカラーが目を引いた。
1986 HONDA DJ-1R VIVAYOU EDITION
倒れないバイク! スリーター
トライクブームのもっと前、スリーターにも動きが。
1981 HONDA STREAM:近未来フォルムの次世代コミューター
「まったく新しいカテゴリー」としてリリースしたスリーターシリーズ第一弾。車体をバンクさせると前輪部分だけがバンクし、リヤ2輪は垂直を保つ独特のスイング機構を採用した。
主要諸元■空冷2スト単気筒49cc 3.8ps/6500rpm 0.46kg-m/5500rpm 車重 74kg(乾) 1981年
1981 HONDA STREAM
1982 HONDA GYRO X:史上最強のデリバリーマシン
ストリームで完成したスイング機構に加え、不整地での安定した走破性を生むノンスリップデフ機構を採用して安定した走行を実現。屋根付きのキャノピー仕様はデリバリーでも活躍。
主要諸元■空冷2スト単気筒 49cc 5.0ps/6500rpm 0.56kg-m/5500rpm 車重81kg(乾) 1982年
1982 HONDA GYRO X
1984 HONDA ROADFOX:唯一無二の公道用三輪バギー
安定感の高いスリーターを、走破性の高いバギースタイルに仕上げた個性派モデル。むき出しのパイプフレームや、キツネの尻尾のようなチャンバーマフラーなどデザインの評価も高い。
主要諸元■空冷2スト単気筒ピストンリードバルブ49cc 4.0ps/6000rpm 0.49kg-m/5500rpm 車重59kg(乾) 1984年
エレガント系スクーター花盛り
華やかなスクーターも誕生。
1983 SUZUKI 蘭:高級感の演出で差別化
後発となったスズキは、和風なネーミングで先行メーカーと差別化。上質な装備で高級感を強調した。
主要諸元■空冷2スト単気筒 49cc 3.6ps/5500rpm 0.5kg-m/4500rpm 車重44kg(乾) 1983年
1983 SUZUKI 蘭
1983 SUZUKI 薔薇:独自のあんしんスタート機構も
スズキの漢字シリーズ第2弾(?)は、装備をシンプルにした普及モデル。高級イメージの蘭と2本柱を構成。
主要諸元■空冷2スト単気筒リードバルブ49cc 4.0ps/6000rpm 0.52kg-m/4500rpm 車重41kg(乾) 1983年
1983 SUZUKI 薔薇
1983 HONDA EVE:乾燥重量わずか34kgを実現
女性でも楽に扱えるように開発された車体は乾燥重量34kgを達成。この車重は軽快な走りにも貢献してくれる。
主要諸元■空冷2スト単気筒ピストンリードバルブ49cc 4.0ps/6000rpm 0.50kg-m/5000rpm 車重34kg(乾) 1983年
1983 HONDA EVE
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車)
浪漫の塊だったレプリカ 年末、あるいは正月にフランスのパリをスタートし、アフリカ大陸を走破してセネガルのダカールを目指す「パリ・ダカールラリー」(2009年からはコースを南米に移して開催)。1978年[…]
再現という行為の本質 第18回モンキーミーティングの会場には数多のモンキー系カスタムが集まり、綺羅星のごとく会場を埋め尽くしたカスタムモンキーの中に一際目を惹く1台があった。 それは伝説的名車であるホ[…]
特殊シリコーン被膜で穴を埋めてサビを防ぐメッキングの可能性を追求 平滑で均一に見えるクロームメッキ被膜には無数の穴があり、そこから浸入した水分によりサビが生じるメカニズムに注目し、特殊シリコーン被膜で[…]
400cc4気筒ブームの立役者、第3世代の直4を実現したカワサキの戦略 Z1/Z2系からZ650のザッパー系に続くカワサキ直4の第3弾がZ400FX。1980年代初頭に日本で巻き起こった空前のバイクブ[…]
伝説のチューナー「スーパーモンキー」 東大阪市に拠点を構えていたチューニングショップ「スーパーモンキー」は、ミニバイクという小さな世界において極限性能を追求した異端の存在だ。その頂点に位置するのが「ス[…]
最新の関連記事(新型スクーター)
ホンダの心臓を宿した、ヤマハの新しい「ジョグ」 「EVスクーターに興味はあるけれど、どこのメーカーのシステムが安心できるのだろう」。そんな疑問を持つライダーにとって、この一台はひとつの信頼できる答えに[…]
排気量アップの恩恵。余裕のパワーと驚きの低燃費を両立 「お洒落なスクーターに乗りたいけれど、幹線道路の合流や上り坂ではパワー不足が不安だ」。そんな悩みを抱えるライダーにとって、ベスパのアップデートはこ[…]
十分な機動力を備えるけどちょこまかしすぎない走り 我が家には以前から、原付二種クラスのスズキ・アドレスがあります。これは基本的に母の愛車。身長148.5cmの小柄な体格なので、2スト時代のアドレスV1[…]
元青汁王子が立ち上げたバイクメーカーが第1号モデルを発売! 青汁王子としてその名を知られる実業家の三崎優太さん。最近、バイクにハマっているらしいとの情報をきっかけに近況を不定期でお届けしてきましたが、[…]
単なる足代わりで終わらない。シグナスXが誇る「本気」の走り ただのスクーターと侮るなかれ。シグナスXの根底に流れているのは、紛れもないヤマハのレーシングDNAだ。心臓部にはVVA(可変バルブ機構)を採[…]
人気記事ランキング(全体)
【魅力1】30年ぶりの4気筒フルカウルに最新「Eクラッチ」を融合 「4気筒の高周波サウンドを響かせながら、風を切って走りたい」。そんなフルカウルファンの渇望を満たすCBR400R FOUR E-Clu[…]
開店休業状態のランボとBMWがタッグを組むのだが… M1をざっくり説明すると、1976年にBMWがグループ4/5に参戦可能なマシンの開発に乗り出し、当時の趨勢(すうせい)だったミッドシップを画策。とは[…]
未踏の地へ。30Lタンクを備えた「V4 ラリー」の絶対的安心感 長距離ツーリングの最中、「ガソリンスタンドが見つからない」「足つきに不安がある」とストレスを感じた経験はないだろうか。 V4 ラリーは、[…]
SEに新色シルバーが登場。スペックと価格は据え置き 「毎年モデルチェンジをされると、いつ買えばいいのか迷ってしまう」。そんなライダーにとって、2027年モデルは非常に安心できる内容となっている。 結論[…]
気温45℃再現ブースで驚異の-30℃冷却能力を体感してみた ウインドコア ICE&HEATERペルチェベスト こちらはICE&HEATERペルチェベスト。身体を直接冷やす、-30℃の冷[…]
最新の投稿記事(全体)
様々な可能性が試された個性の時代 現代から過去を振り返って見ると、今に連なるメインストリームのマシン達が当然のように歴史を作ってきたように錯覚してしまう。しかし時代の王道を行くマシンの影には、無数の異[…]
人生を変える大きな第一歩になるかも!? 初めてのハーレー体験ができる公式イベント 「次のハーレーはどれにしようか」と、悩んでいる既存ユーザーたちはもちろん、まだハーレーに乗っていない人も大歓迎なのが、[…]
ショートパンツ×素足にGSブーツ?!みんなが気になるF450GSカラーラインナップ! 皆様こんにちは~指出瑞貴です! 絶賛梅雨シーズンの中ではありましたが、6/26に開催された「BMW NIGHT […]
レースを戦うために研ぎ澄まされた、妥協なきスペック 「最新の電子制御と、エンジンを限界まで回し切る快感を両立した生粋のサーキット用レーシングマシンが欲しい」。そんなハードコアなスポーツ走行愛好家にとっ[…]
2027年モデルSEに精悍なブラックが登場。価格とスペックは据え置き 「毎年仕様が変わると買い時がわからない」「また値上げしてしまうのでは」。そんな不安を抱えて購入を迷っていたライダーにとって、今回の[…]
- 1
- 2


























































