
硬化してカチカチになったゴム部品を、短時間で柔らかくしてくれる魔法のようなケミカル「ラバゲイン」。インシュレーターでの検証、さらに2か月後の経過確認を経て、効果そのものについては、かなり信頼できるところまで分かってきました。…が、それでも、まだ満足できない「では、他のゴムではどうなんだろう?」ゴムと一口に言っても、用途も配合も役割も実にさまざまです。柔らかくなればOKなものもあれば、寸法や弾力が命の重要部品もある。そこで今回は、硬化したゴム部品をいくつか集め、素材ごとの反応を時間経過で観察してみることにしました。ラバゲインは、どこまで使えるのかその「境界線」を探る検証です。
●文:ヤングマシン編集部(DIY道楽テツ)
さ~て今週のラバゲインは!?
これまでのラバゲインの活躍っぷりは過去記事でご覧になってください(↓)
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これまでラバゲインを使って、おもにインシュレーターを中心に検証してきたわけですが、正直に言うと、ずっと気になっていた部品があるんですよ。「これは使えそうだけど、どうなんだろう?」「説明書には書いてないけど、実際はどうなんだろう?」・・・というわけで今回はガレージ中から硬化したゴム部品をかき集めてみました。
・プラグキャップ
・ハンドルグリップ
・完全に硬化したモンキーのインシュレーター
・ガソリンホース
・Oリング
・電気ハーネスのゴムカバー
・・・なかなかの顔ぶれです。まずプラグキャップとハンドルグリップは見た目以上に古いもので、とっていたのではなくて捨てるタイミング逃していただけでとても再利用する気になれないほどの硬化っぷり。
新顔のインシュレーターは古~いモンキーのもので、そりゃもうカチカチに硬化してます。以前のDT50のものよりさらにビンテージものなので、これがどうなるかこうご期待。そしてガソリンホースはほぼゴミ。釘が打てそうなレベルのカチカチ状態。
Oリングに関してはラバゲインの説明書に「使用不可」と明記されてるものなのですが、はたして何が使用不可なのか、あえてテストするために用意しました。最後の電気ハーネスのゴムカバーは、以前のテストでフォロワーさんからのリクエストが多かったので試してみることにしました。
てことでクセの強いゴム達が揃いましたが、はたしてラバゲインでどれぐらい柔らかくすることができるのか、始める前からワクワクがとまらないのですよ!
ラバゲインの使い方をおさらい
ここで一度、ラバゲインの基本的な使い方を軽くおさらいしておきます。今回の検証も、基本はこの手順に沿っています。
① 硬化してしまったゴム部品を、可能な限り車体から取り外す(無理な状態での施工は避けた方が無難)。
② PP(ポリプロピレン)またはPE(ポリエチレン)製の袋に入れる。ジッパー付き袋が使いやすくておすすめ。←今回もジップロックを使います。
③ 部品全体が浸る程度にラバゲインを注入。できるだけ空気を抜き、液が全体に行き渡るようにする。
④ 状態に応じて漬け込む。説明書の目安では、弾性が多少残っているゴムは1〜3時間、弾性がほぼ失われているゴムは4〜6時間。※今回は検証のため途中経過も確認。
⑤ 柔らかくなったら袋から取り出し、濡れたまま1〜2時間ほど放置。その後ウエスで余分な液を拭き取って完了。
いざ実験開始…8分で異変!
さっそく実験開始です。
各部品をジップロックにぽいぽいと放り入れて、ラバゲインを注いで実験開始。
・・・なのですが! 開始からわずか8分ですでに異変が。
ちょいと袋の上から触ってみると、感触が明らかにおかしい。柔らかいとかそんな次元じゃなくて「プチッ」と潰れた(!)ので急遽取り出してみることに。緊急射出だっ!!
ヤバいほどの反応示したのが、プラグキャップ、電気ハーネスのカバー、Oリング。
「硬さが抜ける」というより、腰が一気に落ちる印象。効いているのは間違いない・・・が、効きすぎでしょコレは? これはちょっと危険なニオイがします。いきなり波乱の展開だなっ!
浸け込み開始60分
これまでの経験上、60分も浸ければ大概は効果が出てくるのでハンドルグリップとモンキーのインシュレーターを引き揚げます。
ガソリンホースもう柔らかくなっただろうとタカをくくっていたのですが、イマイチ変化が薄かったため、さらに1時間延長することにしました。
漬け込み実験 完了 → 状態チェック
合計二時間経過。とりあえずここでガソリンホースを引き揚げて、一時間ほどそのまま放置してからウエスで拭き取って実験を終了。状態確認してみましょう。
プラグキャップ
さっきまで「ヤバいな…」と思ってしまうほどプニプニしてたのですが、少し落ちついたようです。
それでもかなり柔らかい感じなのですが、新品よりちょっと柔らかい(!)ぐらいなのでまあ実用域行ではありますね。これぐらいだったらレストアした車両にそのまま使えるかもしれないってことで続投決定。とりあえずは幸先ヨシ!
ハンドルグリップ
さっきまであんなに硬かったハンドルグリップがとても良い具合に柔軟性を取り戻しました。指の力でぷにぷに動いてとてもいい感触。触った感じも滑ることなくゴム本来のグリップ力を回復してるのでこれもそのままグリップとして復帰できそうな感じ。試しにハンドルに取り付けてみても緩いことはなくそのまま使えそうです。
まじか。すごいなコレ。旧車の純正グリップなどで手に入らない場合でもこのラバゲインで復活する可能性があるって言うことですよね? これを大きな収穫ですよ!?
ガソリンホース
実は今回の部品の中で一番楽勝に復活すると思っているのがガソリンホースだったのですが、これが2時間つけたところで全然柔らかくならない。カチンカチンな状態に変化なし、です(さっきとは逆の意味でマジか?)
ホースの端の割れてるところは少し柔軟性を取り戻しているのですが全体的にはほとんど変わってない状態。これは何だろう。素材が違うということでしょうか? それとも単純に浸けている時間が短かったのか??
完全に硬化していたモンキーのインシュレーター
今現在レストア最中の6Vモンキーのインシュレーターなのですが、これが・・・前回のDT50のインシュレーターよりもむしろ柔らかくなりました。すっげぇ! ついさっきまでまったくと言っていいほど動かないカチコチ硬化っぷりだったのに、いまはこうですよ。
アッチョンブリケ! これは…完全復活レベル。いや、すごい。
Oリング
今回とても注目しているOリング。何がNGなのか、事前にサイズ測っていたので太さと直径を調べてみたのですが、とくに膨張してる様子もなければ表面が溶けてることもありませんでした。固くなっていたのもすっかりなくなってとても柔らかくなってます。
・・・ハテ? なんで使用不可なのでしょうか。あれこれ弄ってるとその理由はすぐ分かりました。たしかに柔らかくなっているんですけどもぎゅっと潰すと・・・戻ってこない。
柔らかくはなったが、弾力は戻ってない。押すと柔らかいけど戻る力が弱い。つまり、Oリングにしてもパッキンにしてもある程度潰れてその反発力でシール効果を発揮するところなのですがその効果自体が失われているということですよね。
つまりこのまま使ってもオイルがダダ漏れということ。しかもこれ、あれこれいじってるうちに「ぽくっ」と折れてしまいました。え、折れるんだ! 本当に弾力性がなくなってるようです。
なるほど、そういうことか! ラバゲインの説明書に「使用不可」と書かれている理由がストンと腑に落ちました。っていうか実際に試してみて良かった。この結果をみなさんに見せられただけでも意義があったというもの!
電気ハーネスのゴムカバー
最後に、電気ハーネスのゴムカバー。これを触ってみると ・・・ 柔らかい。柔らかすぎるぞ! ペチャっとした印象で、完全にやばそうな状態です。これはラバゲインに浸す時間が長かったのか、それとも素材的にアウトなのか?・・・と思ったら、後日なんと製造メーカー様からメッセージをいただきました。
それによれば「刷毛塗り施工でOK」とのこと。わざわざ浸けるまでもなく表面に薄く塗るだけで十分効果を発揮するそうです。なるほど、了解です!!(アドバイスありがとうございました)
結果整理:素材別評価はこうだ!
そんなわけで今回の実験結果をまとめてみます。
- プラグキャップ:柔軟性・弾性ともに良好
- ハンドルグリップ:状態良好。今後も使えそう
- ゴムホース:効果は限定的。素材依存の可能性あり
- インシュレーター:効果絶大。やっぱすげぇ
- ゴムパッキン類(Oリング):柔らかいが弾力不足。使用不可
- 配線のゴムカバー:反応が強すぎるので刷毛塗りで十分
まとめ:ラバゲインは”効く”が、相手を選ぶ
いかがでしたでしょうか? 今回の検証で改めて分かったことは、ラバゲインは使いどころを選べばとても頼れるケミカルということです。ただし「ゴムなら何でもOK」というわけではなく、柔軟性を大幅に改善してくれますが弾力性までは戻らないので、部品の役割と性質を理解したうえで使えばレストアや整備の現場で心強い味方になってくれることはもう疑う余地はないでしょう。
やはり説明書にある通りパッキンやOリングは使用不可ですが、今回柔らかくなりすぎた部品については漬け込みの時間を短くしたり表面に刷毛塗りをすることでより効果的な使い方ができそうです。
この記事が、「これはいける」「ここはやめておこう」そんな判断のヒントになれば幸いです。今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました~!
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