
昨今のバイク市場はネオクラシックとクルーザーモデルの注目度が高く、普通二輪クラスではGB350やレブル、エリミネーターの人気が依然高い。しかし海外メーカーも負けていない。どんどん対抗馬となるモデルを投入しており、選択肢を多様化させているのだ。中でも、中国、そして英国の老舗ブランドが放つニューモデルたちは国産のライバルたちを脅かすほどの個性を持っているぞ。
●文:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:ウイングフット、ロイヤルエンフィールド
充実してきた普通二輪クラスの輸入モデル
この記事で取り上げるのは、日本に本格上陸を果たす注目の輸入ネオクラシックモデルばかりだ。それが、中国のVツインクルーザー「ベンダ ナポレオンボブ250」、英国老舗の新型ネイキッド「BSA バンタム350」、そして装備を充実させつつ値下げを敢行した「ロイヤルエンフィールド ハンター350」の3台。いずれも普通二輪免許で乗れるため、バイク初心者でも手を出しやすいぞ。
ベンダ ナポレオンボブ250:唯一無二のカスタムスタイルを貫くVツイン
中国のクルーザー専業ブランドであるBENDA(ベンダ)のファーストモデルが、ロー&ロングの特異なネオクラシックスタイリングを持つ250ccの「ナポレオンボブ250」だ。最大の魅力は、そのカスタムメイドのような各部の仕上がりだ。シグネチャーライトがV字をモチーフにしたイカツイ顔つきを作り出し、艶のある深い塗装が施された燃料タンクや、前後ブロックタイヤの組み合わせが、置いているだけで絵になる佇まいを醸し出す。
心臓部には、水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ249ccエンジンを搭載。最高出力は25.8psと十分なパワーを誇り、とくに中速トルクが扱いやすいフィーリングだ。前後サスペンションも個性的で、リヤはリジッド風アームにリンク式ショックを仕込む凝った構造を採用している。シート高748mmと足着き性は良いが、独特のライディングポジションはフルカスタムされたボバーそのものだ。価格は93万5000円で、他人と違うバイクを求めるニッチな層に深く刺さる一台だろう。
低く長いデザインが個性マシマシ! レトロモダンなボバークルーザー 中国から新たな刺客がやってきた! ベンダは2016年設立の新興メーカーで、独自設計のエンジンを搭載したクルーザーを中心に、ネイキッドな[…]
BSA バンタム350:ライバルを凌駕する水冷DOHCのパワフルシングル
かつて英国最大のバイクブランドだったBSAが、2021年のゴールドスター650復活に続き、新たな世界戦略車として市場に投入したのが「バンタム350」だ。これは1948年にデビューした小排気量スタンダードモデルの名を冠するネイキッド・シングルである。
車体はシンプルでオーセンティックなスタイルを貫きつつも、中身は現代的だ。排気量334ccの水冷単気筒DOHCエンジンを搭載しており、最高出力は29ps/7750rpmと、ライバルであるGB350など(20ps前後)と比べると、かなりパワフルな設定となっている。
DOHCの恩恵により、低回転域から高回転域まで扱いやすい出力特性に造り込まれており、6000rpm以上でのエンジンの伸びの良さやパンチ力が印象的だ。
コンセプトは低価格で移動手段としての使いやすさとバイクの根源的な楽しさの追求にあり、英国現地価格はライバルを下回る設定だ。日本総輸入元のウイングフットにより、2025年度中の発売が予定されており、価格は69万8500円だ。
世界の二輪市場にBSA復活を知らせる2台の新型車 BSAブランドが再び動き出したのは2016年。自動車や二輪車、物流や不動産など多角的に事業を展開するインド/マヒンドラ・グループが、新たに起ち上げたク[…]
ロイヤルエンフィールド ハンター350:装備充実、戦略的な値下げでクラスの主役に躍り出る
英国にルーツを持ち、現在はインドを拠点とするロイヤルエンフィールドが展開する「ハンター350」は、ブリットやクラシックと基本骨格を共有するベーシックなロードスターだ。2025年モデルではマイナーチェンジが施され、魅力を大幅に高めてきた。
最大の驚きは価格設定だ。新型モデルにもかかわらず、従来モデルから5万円以上の値下げが敢行され、59万9500円からという廉価な設定となった。さらに、装備も大幅に充実している。同社の350ccシリーズで初採用となるアシスト&スリッパークラッチを搭載し、操作力の低減と減速時の安定性向上を実現。SHOWA製サスペンション、LEDヘッドライト、簡易型ナビゲーションシステムのTripper(トリッパー)、USBタイプCポートも標準装備となった。
搭載される空冷349cc単気筒エンジンは、低中回転域トルクを重視した穏やかな乗り味であり、極低回転域で粘り強く、初心者でも扱いやすい。軽快なハンドリングと相まって、スポーティーな操縦を覚えたい層にもぴったりの一台だ。
スポーティなライディングを気軽に楽しむ最初の1台に! 英国にルーツを持ち、現在はインドの二輪メーカーとして活動するロイヤルエンフィールド。このうちハンター350は、ブリットやメテオやクラシックといった[…]
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(新型ヘリテイジ/ネオクラシック)
進化した単気筒TRエンジンは5%パワーアップの42psを発揮! トライアンフは、2026年モデルとして400シリーズの最新作×2を発表した。すでにインドで先行発表されていたカフェレーサースタイルの「ス[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
6/30:スズキの謎ティーザー、正体判明! スズキが公開した謎のティーザー、その正体が遂に判明したことを報じたのは6月30日のこと。ビリヤードの8番玉を写した予告画像は、やはりヤングマシンが以前からス[…]
ナンバー登録して公道を走れる2スト! 日本では20年以上前に絶滅してしまった公道用2ストローク車。それが令和の今でも新車で買える…と聞けば、ゾワゾワするマニアの方も多いのではないか。その名は「ランゲン[…]
CB復権! 新型CB1000F/CB1000F SE 名車CB1300シリーズの後を継ぐHonda CBの新しいフラッグシップモデル・CB1000Fシリーズがついに正式発表となりました! CBの持つ歴[…]
最新の関連記事(新型クルーザー)
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
まさかのAMTをクラス初採用 BENDAやヒョースンなど海外メーカーがV型2気筒モデルを投入する一方、日本車ではホンダの単気筒・レブル250が孤高の地位を築く軽二輪(250cc)クルーザーカテゴリー。[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
バイクはお兄さんの影響 メグミさんは昔からバイクに興味があったのだと言います。 「兄が二人いて、どちらもバイクに乗っていたんです。小さいときからその様子を見ていたので、自然に自分も乗りたいと考えるよう[…]
足着きがいい! クルーザーは上半身が直立したライディングポジションのものが主流で、シート高は700mmを切るケースも。アドベンチャーモデルでは片足ツンツンでも、クルーザーなら両足がカカトまでベタ付きと[…]
人気記事ランキング(全体)
250cc水冷90°V型2気筒でDOHC8バルブが、たった2年でいとも容易くパワーアップ! ホンダが1982年5月、V型エンジン・レボリューションのVF750Fに次ぐ第2弾としてVT250Fをリリース[…]
インカムが使えない状況は突然やって来る!ハンドサインは現代でも有効 走行中は基本的に1人きりになるバイク。たとえ複数人でのマスツーリングだとしても、運転中は他のライダーと会話ができないため、何か伝えた[…]
悪質な交通違反の一つ、「無免許運転」 今回は無免許運転をして捕まってしまったときに、軽微な違反とはどのような違いがあるのか紹介していきます。 ■違反内容により異なる処理無免許運転の人が違反で捕まった場[…]
6/30:スズキの謎ティーザー、正体判明! スズキが公開した謎のティーザー、その正体が遂に判明したことを報じたのは6月30日のこと。ビリヤードの8番玉を写した予告画像は、やはりヤングマシンが以前からス[…]
RZ250の歴代モデル 1980 RZ250(4L3):白と黒の2色で登場 ’80年8月から日本での発売が始まった初代RZ250のカラーは、ニューヤマハブラックとニューパールホワイトの2色。発売前から[…]
最新の投稿記事(全体)
知られざる黎明期の物語 最初の完成車は1903年に誕生した。シングルループのフレームに搭載する409cc単気筒エンジンは、ペダルを漕いで勢いをつけてから始動させる。出力3psを発揮し、トランスミッショ[…]
充実してきた普通二輪クラスの輸入モデル この記事で取り上げるのは、日本に本格上陸を果たす注目の輸入ネオクラシックモデルばかりだ。それが、中国のVツインクルーザー「ベンダ ナポレオンボブ250」、英国老[…]
テールデザインでトラディショナルから新世代を意識させる! 1992年に発表後、実に30年間という史上まれにみるロングセラーだったCB400 SUPER FOUR。 その経緯にはいくつか節目となるモデル[…]
「一時停止違反」に、なる!/ならない!の境界線は? 警察庁は、毎年の交通違反の取り締まり状況を公開しています。 最新となる「令和3年中における交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等につい[…]
進化した単気筒TRエンジンは5%パワーアップの42psを発揮! トライアンフは、2026年モデルとして400シリーズの最新作×2を発表した。すでにインドで先行発表されていたカフェレーサースタイルの「ス[…]
- 1
- 2






































