
ホンダが誇る原付二種レジャーバイクの中でも、独自の立ち位置を確立しているのがクロスカブ110だ。CT125ハンターカブがアドベンチャー色を強く押し出すのに対し、クロスカブ110は舗装路中心のオールラウンダーとして、その存在感を際立たせている。そんなクロスカブに、フィギュア造形ノウハウを生かした個性的デザインのアクセサリーパーツがダイバディプロダクションから登場した。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:ダイバディプロダクション
戦闘力を高めるヘッドギア「ダインギア ヘッドアーマー」
クロスカブ110の個性をさらに際立たせ、カスタムの方向性を決定づけるほどの高いデザイン性を持つパーツが登場した。それがダイバディプロダクションが手掛けている「ダインギア ヘッドアーマー(クロスカブ)」だ。
このパーツは「クロスカブにヘッドギアを。フィールドを選ばない戦闘力」をコンセプトに開発されたヘッドライトカバー。同社が誇るフィギュア造形ノウハウを活かした個性的デザインの車両用アクセサリーパーツシリーズ「ダインギア」のひとつであり、クロスカブの顔つきを一段とカッコよくアレンジしてくれる。
本体に自然に馴染むデザインと、握りやすい太めのバーが特徴だ。適合車種はクロスカブ110および50用で、2025年式まで装着確認が取れている。キット内容はヘッドアーマー本体とバーで構成され、材質はABS製、価格は税込み1万2100円という設定だ。
手を出しやすく、魅力的なパーツだが注意点もある。このヘッドアーマーは3Dプリンターで制作された未塗装、未組立のキットなのだ。そのため、取り付けには磨きや塗装作業が必要となる、上級者向けのアイテムとなっている。
また、3Dプリンター出力品であるため、商品ごとにばらつきや歪みが発生する可能性があり、発生した罅(ひび)は強力接着剤で隙間埋めをした上で磨き加工が可能となっている。取り付けネジやナットも別途購入する必要がある。
つまりDIYやプラモデル作りを楽しめる方向けというわけだ。これからのバイク冬眠時期、ゆっくり愛車をカッコよく仕上げていく時間も乙なものかもしれないぞ。
牧歌的な乗り味に宿る「カブみ」の魅力
最後に、クロスカブ110について振り返っておこう。2022年4月のモデルチェンジで新型エンジンを搭載し、最新の排出ガス規制に適合。この空冷横型単気筒(109cc)エンジンは、スーパーカブC125などと共通のロングストローク設定(内径47.0mm、行程63.1mm)を採用している。
特筆すべきはそのフィーリングだ。わずかな振動とともに「フルルル~」と回転が上昇していく様は、長めのサスストロークと相まって牧歌的な乗り味を演出し、現行のカブ系の中でもっとも昔ながらの“カブみ”が強く残っていると言える。
走行性能も侮れない。最高出力は8.0ps/7500rpmだが、高回転まで使い切ろうとした時の伸び感は、最高出力でわずかに勝るハンターカブを上回る。発進加速においても、ハンターカブとほぼ互角の加速を見せるポテンシャルを秘めているのだ。
足まわりには前後キャストホイールにチューブレスタイヤを組み合わせ、フロントにはABS付きディスクブレーキを採用している。これはロングツーリング派にとってありがたい装備だ。サスペンションは長めのストロークによって、高い剛性で路面をクリアするハンターカブとは異なり、路面のギャップをソフトにいなすおおらかな乗り味を持つ。
デザイン面では、レッグシールドが取り外され、LEDヘッドライトがフレームマウントされるなど、スーパーカブからデザイン的に独立したオフロードテイストの外装が与えられている,。ライディングポジションは上半身が起きたアップライトな姿勢だ。
2025年12月11日には、2026年モデルが発表。価格改定とカラーバリエーションの変更を実施し、新色として「ポニーブルー」と「ハーベストベージュ」が追加され、継続色の「マットアーマードグリーンメタリック」と合わせて計3色のラインナップとなった。クロスカブ110・くまモン バージョンは「グラファイトブラック」が続投だ。
また基本構成は同等ながら、エンジンの最高出力を3.5kWに抑えた新基準原付版「クロスカブ110 Lite」が登場したこともトピック。原付免許でも乗車可能となったことで、クロスカブの面白さがより多くの方に届くようになった形だ
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(カスタム&パーツ)
ベースはスピード400、コンセプトは伝説の継承 バイパー400は、モダンクラシックロードスターであるスピード400の技術的基盤を出発点としつつ、新しくダイナミックでアグレッシブな方向性で再構築したとい[…]
ザ・キングスマン (Kingston Custom)──全長4メートルのストリームライナーに変身したショットガン650 キングスマンは2014年に作られたスパイ映画で、ドイツのビルダーのキングストン・[…]
色褪せないヘリテイジ、進化する「Z」の系譜 2017年秋の東京モーターショーで世界初公開されて以来、Z900RSは常にライダーの注目の的であり続けている。その最大の魅力は、往年の名車Z1/Z2への敬意[…]
THUNDERBIKE|Satin ミニフロアボード サンダーバイクのスタイリングと乗車時の快適性を両立したミニフロアボード。サンダーバイクはドイツのハーレーディーラーでありながら、さまざまなパーツを[…]
ライディングポジションに不満を抱えているナイトスタースペシャルオーナーに朗報 最新のシャーシ設計によるアイコニックなスポーツスターのデザインの車体に、強力な水冷レボリューションマックスエンジンを搭載す[…]
最新の関連記事(クロスカブ110/くまモン)
12/11発売:ホンダ スーパーカブ110/スーパーカブ110プロ/クロスカブ110 ホンダの原付二種ビジネス&レジャーモデル群、「スーパーカブ110」「クロスカブ110」などが12月11日に発売され[…]
67年前に独自の車体構成で誕生したスーパーカブ 今から67年前の1958年に誕生したスーパーカブC100は、ホンダ創業者の本田宗一郎氏と専務の藤澤武夫氏が先頭に立って、欧州への視察などを通じて新機軸の[…]
スーパーカブ110はオレンジを廃止、クロスカブ110には新色×2を追加 ホンダは、「スーパーカブ110」「スーパーカブ110 プロ」「クロスカブ110」「クロスカブ110・くまモン バージョン」を価格[…]
最短2日間で修了可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付を除い[…]
125ccクラスは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり[…]
人気記事ランキング(全体)
インカムが使えない状況は突然やって来る!ハンドサインは現代でも有効 走行中は基本的に1人きりになるバイク。たとえ複数人でのマスツーリングだとしても、運転中は他のライダーと会話ができないため、何か伝えた[…]
ナンバー登録して公道を走れる2スト! 日本では20年以上前に絶滅してしまった公道用2ストローク車。それが令和の今でも新車で買える…と聞けば、ゾワゾワするマニアの方も多いのではないか。その名は「ランゲン[…]
止められても切符処理されないことも。そこにはどんな弁明があったのか? 交通取り締まりをしている警察官に停止を求められて「違反ですよ」と告げられ、アレコレと説明をしたところ…、「まぁ今回は切符を切らない[…]
ライバル勢を圧倒する抜群のコーナリング性能 ’80年代初頭のヤングマシン紙面には何度もRZが登場しているが、デビュー当初のRZ250の実情を知る素材としてここで選択したのは、’80年11月号に掲載した[…]
寒暖差が大きくても着替えずに対応できる! ワークマンのヒーターウエア『WindCore(ウインドコア)』シリーズは、電熱ヒーターを内蔵する防寒アイテム。別売りのバッテリー(4900円)は必要だが、もの[…]
最新の投稿記事(全体)
戦闘力を高めるヘッドギア「ダインギア ヘッドアーマー」 クロスカブ110の個性をさらに際立たせ、カスタムの方向性を決定づけるほどの高いデザイン性を持つパーツが登場した。それがダイバディプロダクションが[…]
粘り強い100mmボアビッグシングルと23Lタンク KLR650の心臓部は、水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒エンジンだ。排気量は652ccで、ボア径はなんと100mmにも達する超ビッグシングルと[…]
きっかけは編集部内でのたわいのない会話から 「ところで、バイクってパーキングメーターに停めていいの?」 「バイクが停まっているところは見たことがないなぁ。ってことはダメなんじゃない?」 私用はもちろん[…]
ワールド経験者と全日本ホープが加入! FIM世界耐久選手権(EWC)を戦っているTeam Étoile(チーム・エトワール)が2026年のライダーラインナップを12月12日(金)に発表しました。 2[…]
まさかのAMTをクラス初採用 BENDAやヒョースンなど海外メーカーがV型2気筒モデルを投入する一方、日本車ではホンダの単気筒・レブル250が孤高の地位を築く軽二輪(250cc)クルーザーカテゴリー。[…]
- 1
- 2
















































