
普通二輪免許で乗れる最高峰、それが400ccクラス(251~400cc)だ。一般道で交通の流れを楽々リードでき、高速道路では120km/h区間でも不足なし。アドベンチャーやネイキッド、スーパースポーツとラインナップは充実しており、数は少ないがAT限定で乗れるスクータータイプもある。そんな同クラスについて、その魅力やメリット/デメリット、おすすめモデルを国産に絞って紹介する。
●文:ヤングマシン編集部
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc!
バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外には“AT限定”免許も存在する。大型二輪免許の取得は18歳以上からだが、原付~普通二輪免許は16歳から取得可能になっている。
400ccクラスを運転できる「普通二輪免許」を取得するには、指定教習所を利用するか運転免許試験場でのダイレクト受験かの2つの方法があり、教習所に通う場合は技能教習と学科教習を受け、卒業検定合格後に運転免許試験場で適性試験と学科試験(技能試験は免除)を受けて合格すれば免許が交付される。
小型限定普通二輪免許を持っていれば学科教習が免除され、普通自動車免許を持っている場合は学科教習が1時限のみに短縮される。
教習所の費用は保有免許によって変わり、免許なしか原付免許保持者の場合は17万円前後(限定なし)/15万円前後(AT限定)、普通自動車免許保持者の場合は5~7万円程度安くなり、小型限定普通二輪免許保持者は10万円前後安く済ませることができる。
試験場でのダイレクト受験(通称:一発試験)では、お住まいの都道府県にある運転免許試験場(運転免許センターとも呼ばれる)で適性検査を行ったのちに学科試験、技能試験に合格し、取得時講習と応急救護講習を受ければ免許交付となる。ちなみに、小型限定普通二輪免許または普通自動車免許を持っていれば学科試験は免除される。
試験場における免許の申請手続きに必要な費用は、教習所卒業者で3800円(受験料/交付手数料)、一発試験の場合は2万2300円(受験料/試験車使用料/交付手数料/取得時講習料/応急救護講習料)だが、不合格の場合は再び受験料と試験車使用料がかかることに留意したい。
カワサキ ニンジャZX-4RR
400ccバイクのメリットは?
パワーに余裕がある
今回紹介する320~400ccのマシンたちは、高速道路のタンデムでも十分実用的なパワーを備えており、一部の車種はサーキットで200km/hを楽々超える最高速度を楽しめるものまである。また、低回転で高いトルクを発揮するキャラクターのGB350は、3.0kg-mの最大トルクをわずか3000rpmで発生する。
大型バイクに近いコストのかかったディテール
普通二輪免許のフラッグシップだけあって、軽二輪(126~250cc)クラスに比べて凝った造りやコストをかけたサスペンションなどを採用する傾向だ。海外では450~500ccの兄弟車などが存在するものもあり、ビッグバイクの入門クラスと位置付けられることも。
エンジンの趣味性が高い
バイクはエンジンを懐に抱えて走る乗り物であり、排気量が大きくなるほどにエンジンの個性や鼓動感が強く感じられるようになる。言ってみればビッグバイク的な趣味性を持ち始めるのが400ccクラスで、トルクがハンドリングに与える影響が大きくなり、乗り方もスロットルコントロールで走らせる領域が大きくなっていく。
シングルエンジンであれば350ccあたりから“ビッグシングル”の雰囲気がしはじめ、混合気を吸って、圧縮して、爆発して、排気するという一連のサイクルを明瞭に感じやすい。
ホンダ GB350C
400ccクラスのバイクのデメリットは?
車検の存在
軽二輪以下は車検がなく、点検や整備、走行以外で年間に必須でかかるコストは税金と自賠責保険だけ。排気量が251cc以上の“小型二輪(=小型の二輪自動車)”になると税金が少し上がり、車検の審査費用印紙代1750円がかかる。
とはいえ、きちんとした整備をする前提であればであれば、車検の有無による差額は年間に均して数千円ほどと、じつはそれほど大きくない。また、ふだんは整備をサボリがちという方にとっては、車検が点検&整備の目安になることもあってデメリットと言い切れない側面も。
気軽さは薄れる
エンジンが大きくなればエンジン重量が増し、パワーが上がればそれに対応するために車体も頑丈になって重くなる。もちろん車格もそれなりに大柄になっていく。体力に自信がない、または初心者の方は購入前に押し歩きや跨りが不便なくできるか確認したほうがいいかもしれない。
ただし、走行しているときは重さが安定感にもなるので、良し悪しは使い方次第で異なって感じられるだろう。
どっちつかずと言える面も
軽二輪のように気軽ではなく、大型バイクほどの趣味性は…と、見方によっては中途半端な立ち位置に思われることもある。しかし、日本の道路環境ではこの400ccクラスこそがベストバランスと見ることもでき、趣味性と気軽さのいいとこ取りとも言える。
人によって解釈が分かれるため、大型二輪免許持ちの中にはマウンティングしてくる輩も出現するが、たぶん一生仲良くなれないしその必要もないので「フーン(ハナホジ)」と適当に相槌を打っておけばいい。
2025年、国産400ccのバイクはどんな状況?
2021年、43年の歴史に幕を下ろしたヤマハSR400に取って代わるかのように登場したホンダ「GB350」が2022年~2023年と販売台数トップを記録するとともに、ホンダが1992年から31年間にわたって販売してきたCB400スーパーフォア/スーパーボルドールが2022年10月をもって生産終了。
CB400SF/SBは100万円近い価格に見合う、“普通二輪のフラッグシップ”として長く愛されただけでなく、教習車としても多くのライダーを輩出した名車だった。長らく空白の期間が生まれたが、その後継となるCB500SFが2025年9月には中国で発表。国内向けのCB400SFの登場も確実視されている。
新設計の4気筒・502ccエンジンにEクラッチを搭載! ホンダは、中国で開催中の重慶モーターサイクルショーにて新型モデル「CB500スーパーフォア(CB500 SUPER FOUR)」を世界初公開した[…]
2023年にはカワサキがエリミネーター、ニンジャZX-4Rシリーズを相次いで投入して話題に。2024年~2025年はカラーチェンジなど熟成段階となった。
スズキはバーグマン400をカラーチェンジしたほか、2024年に欧州で発表されたDR-Z4S/DR-Z4SMも国内導入。2025年10月に発売された。
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251~400cc国産バイクおすすめ15選!
ホンダ GB350
ホンダのこのクラスのベストセラーで、シリーズの標準モデル。ロングストローク設定の空冷単気筒エンジンは、パワーこそ20psと大したことないが、凝ったバランサーを採用したことで振動が少なく、それでいてスロットルを大きく開ければ鼓動感も明瞭。
長距離を淡々と走っても疲れにくく燃費もかなりいい。スロットル全開でワインディングロードをキビキビと走れる意外なスポーツ性も秘め、それでいて危険な速度域に入ることもないので安心だ。2025年モデルで初のツートーンなど新色を導入するとともに、メーターの文字盤を新デザインにしたほか、LEDヘッドライトの視認性を高めた。
【ホンダ GB350】主要諸元■全長2180 全幅790 全高1105 軸距1440 シート高800(各mm) 車重179kg(装備)■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 348cc 20ps/5500rpm 3.0kg-m/3000rpm 変速機5段 燃料タンク容量15L■タイヤサイズF=100/90-19 R=130/70-18 ●車体色&価格:青×白=67万1000円/黒、白=64万9000円 ●発売日:2025年8月28日
ホンダ GB350 S
GB350の兄弟車で、スポーティバージョンがGB350S。タイヤサイズやハンドルバーの違いに加え、マフラーがややアップタイプになり、サイドカバーの形状やシート&テールランプもS独自の仕様となっている。
エンジン特性も加速感を重視したものになっており、出力スペックは同じだが、ゆったりしたレスポンスの無印に対しSは元気のよさをアピールしてくる。2025年モデルでは無印GB350と同様の変更を受けた。
【ホンダ GB350 S】主要諸元■全長2175 全幅780 全高1100 軸距1440 シート高800(各mm) 車重178kg(装備)■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 348cc 20ps/5500rpm 3.0kg-m/3000rpm 変速機5段 燃料タンク容量15L■タイヤサイズF=100/90-19 R=150/70R17 ●車体色&価格:ガンメタ=71万5000円/銀=69万3000円●発売日:2025年8月28日
ホンダ GB350 C
2024年秋にGB350シリーズに追加されたバリエーションモデルがGB350Cだ。“C”の文字はクラシックを意味すると言われ、スタイリングはその名の通りGB350シリーズ中でもっともクラシカルなものになっている。
開発コンセプトは「The Standard Classical Motorcycle」で外観デザインに関わる部分はほぼ新作とされ、スチール製の前後ディープフェンダー、サイドカバー、さらには燃料タンクまで専用設計。
タンデムグリップや前後に約5cm長くなったシート、ヘッドライトケースと装飾リング、メーターのパネルデザインとメッキリング、テールランプのマウント位置関係までGB350Cのための専用品だ。マフラーはエキゾーストパイプまでがGB350と同一で、サイレンサーをコンパクト化しながら水平近くにマウント。出力特性を維持しながら音質を変えてある。
2025年モデルの変更点は、カラーバリエーションが2色とも刷新され、ミリタリー車っぽい雰囲気になったことと、ヘッドライトの照射範囲を夜間時の視認性により配慮した特性としたことだ。
【ホンダ GB350 C】主要諸元■全長2205 全幅790 全高1105 軸距1440 シート高800(各mm) 車重186kg(装備)■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 348cc 20ps/5500rpm 3.0kg-m/3000rpm 変速機5段 燃料タンク容量15L■タイヤサイズF=100/90-19 R=130/70-18 ●価格:66万8800円 ●色:砂茶、濃銀 ●発売日:2025年10月31日
カワサキ エリミネーター/SE
往年の車名を復活させたクルーザーモデルながら、エンジンはニンジャ400/Z400と共通のスポーティーな並列2気筒で、48psとパワフルかつ低中回転でも扱いやすい。車体は穏やかかつ軽快、アメリカンクルーザーというよりもシート高の低いネイキッドといえるキャラクターで、往年の1300ccクラスのビッグネイキッドを相似形でダウンサイジングしたかのよう。
『SE』はヘッドライトカウルやフォークブーツ、USBソケット、専用シートのほか、量産モーターサイクル初の前後カメラ付きGps対応型ドライブレコーダーを搭載している。
2024年モデルで追加されたプラザエディションは、SE並みの装備としながらスタイリングはスタンダードに準じたもの。2025年7月15日にそれぞれ新カラーバリエーションになった2026年モデルが発売された。
【カワサキ エリミネーター プラザエディション】主要諸元■全長2250 全幅785 全高1140 軸距1520 シート高735(各mm) 車重178kg(装備)■水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ 398cc 48ps/10000rpm 3.8kg-m/8000rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量12L■タイヤサイズF=130/70-18 R=150/80-16 ●価格:85万8000円~95万7000円 ●色:橙、黒/SE=白、濃灰×黒/プラザエディション=赤×黒 ● 発売日:2025年7月15日 ※諸元はSE
ヤマハ トリシティ300
2020年に発売されたのち2023年12月発売のモデルでマイナーチェンジ。2025年モデルは価格据え置きでニューカラーに刷新された。MWステアリング機構にアッカーマンジオメトリを125/155に先駆けて採用し、自然なハンドリングを実現。
300が独自に備えるスタンディングアシスト機能は停車時や押し歩き時に便利な自立をサポートするほか、ABSとUBS(ユニファイドブレーキシステム)の採用により制動時の車体の挙動を穏やかにしている。ヘッドライトはLEDで、シート下トランクの容量は45L、ラチェットレバー式のリヤブレーキロックも備えている。
【ヤマハ トリシティ300】主要諸元■全長2250 全幅815 全高1470 軸距1595 シート高795(各mm) 車重237kg(装備)■水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 292cc 29ps/7250rpm 3.0kg-m/5750rpm 無段変速 燃料タンク容量13L■タイヤサイズF=120/70-14×2 R=140/70-14 ●価格:104万5000円 ●色:白、灰 ●発売日:2025年7月31日
スズキ バーグマン400
2021年モデルで「スカイウェイブ400」から「バーグマン400」にモデルチェンジ。名称を世界統一のものとし、トラクションコントロールシステムやスズキデュアルスパークテクノロジー、スズキイージースタートシステムを採用した。
LEDの左右2眼ヘッドライトやリンク式モノショックリヤサスペンション、容量42Lのシート下トランクスペース、12Vのアクセサリーソケットなど装備も充実している。2025年モデルはカラーバリエーションが刷新された。
【スズキ バーグマン400】主要諸元■全長2235 全幅765 全高1350 軸距1580 シート高755(各mm) 車重218kg(装備)■水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 399cc 29ps/6300rpm 3.6kg-m/4900rpm 無段変速 燃料タンク容量13L■タイヤサイズF=120/70-15 R=150/70-13 ●価格:98万100円 ●色:青、深緑、艶消し黒 ●発売日:2025年7月18日
カワサキ ニンジャ400
快活な並列2気筒エンジンを搭載するフルカウルスポーツ。日本だけでなくアジア圏でも人気があり、ZX-4Rの登場以降も扱いやすさやコスパのよさで独自の立ち位置を保っていきそう。φ41mm正立フロントフォークやラジアルタイヤはZ400とも共通で、LEDの2眼ヘッドライトを備える。
ABSやヘルメットロックを標準装備し、ETC2.0車載器(オプション設定)はシート下に収納可能だ。2026年モデルではダーク系のグラフィック変更したものを1色残しつつ、白×赤を新たにラインナップに加えた。
【カワサキ ニンジャ400】主要諸元■全長1990 全幅710 全高1120 軸距1370 シート高785(各mm) 車重166kg(装備)■水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ 398cc 48ps/10000rpm 3.8kg-m/8000rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量14L■タイヤサイズF=110/70R17 R=150/60R17 ●価格:81万4000円 ●色:灰×黒、黒×灰 ●発売日:2025年11月1日
ヤマハ YZF-R3
扱いやすい並列2気筒エンジンを搭載し、“毎日乗れるスーパーバイク”を標榜。2025年モデルでは外観を刷新し、新デザインのLCDメーターやアシスト&スリッパークラッチなどを新採用。
なのに価格は据え置きだ。新色のうち青×白は見る角度によって色味が変わる塗料を使用している。YZF-R1譲りのディテールを持つトップブリッジや倒立フロントフォークなどを持ちながら公道に最適化されたキャラクターは変わっていない。
【ヤマハ YZF-R3】主要諸元■全長2090 全幅735 全高1140 軸距1380 シート高780(各mm) 車重169kg(装備)■水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ 320cc 42ps/10750rpm 3.1kg-m/9000rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量14L■タイヤサイズF=110/70R17 R=140/70R17 ●価格:72万6000円 ●色:青、暗灰、艶消しパール白 ●発売日:2025年4月24日
カワサキ Ninja ZX-4R SE/4RR
令和の世に新登場した、400ccクラスで唯一カタログラインナップに載る並列4気筒エンジン搭載のスーパースポーツ。2023年2月に発表され、77ps/14500rpmのスペックは世界を驚かせた。ラムエア加圧時には80psに達し、メーター読みで最高速度は240km/hを超える。
それでいて、公道において乗りやすい特性が与えられているのもカワサキらしさ。スポーティ仕様のRRはSHOWA製BFRC-liteリヤサスペンションを装備し、サーキットを走りたければ存分にセッティングしてほしいというカワサキのメッセージも感じさせる。SEは、より公道で使い勝手のいい装備が与えられ、カラーバリエーションも豊富だ。
2026年モデルでは、スマートフォン接続機能「RIDEOLOGY THE APP MOTORCYCLE」が進化。「音声コマンド」と「ナビ機能」が新たに利用可能となった。
【カワサキ Ninja ZX-4R SE】主要諸元■全長1990 全幅765 全高1110 軸距1380 シート高800(各mm) 車重190kg(装備)■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 77ps/14500rpm(ラムエア加圧時80ps/14500rpm) 4.0kg-m/13000rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量15L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=160/60ZR17 ●価格:117万7000円 ●色:白×黒、灰×黒 ●発売日:2025年9月1日 ※写真と諸元はSE
ホンダ CBR400R
ホンダの400ccフルカウルスポーツ「CBR400R」は、他メーカーが250ccと同時開発なのに対し、海外向け500ccをルーツに持つことから乗り味はややビッグバイク寄り。十分なパワーと足まわりを持ちながら、ハンドリングは安定性をベースとした穏やかなものとされ、ライバル勢よりも万能性が強い。
2022年モデルで倒立フロントフォークやフロントダブルディスクを新装備してアップグレード、2024年モデルではマイナーチェンジによりデザインが一新されたほか、Hondaセレクタブルトルクコントロールや5インチTFTディスプレイを新採用した。同時発売の兄弟車には前19/後17インチホイールを履くクロスオーバーモデルの「NX400」もある。
【ホンダ CBR400R】主要諸元■全長2080 全幅760 全高1145 軸距1410 シート高785(各mm) 車重191kg(装備)■水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ 399cc 46ps/9000rpm 3.9kg-m/7500rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量17L■タイヤサイズ120/70R17 R=160/60R17 ●価格:86万3500円 ●色:赤、黒 ●発売日:2024年3月21日
カワサキ Z400
ニンジャ400と心臓部&骨格を共有するストリートファイターで、素性のいいエンジンはエリミネーターにも転用されている。スチール製トレリスフレームはニンジャH2で得た知見を投入しており。“Z”シリーズに通底する「Sugomi」デザインと「Sugomi」パフォーマンスを標榜、軽快でスポーティーな走りを披露する。LEDヘッドライト/テールライトなど装備も最新世代だ。
2026年モデルではグレー系ボディにゴールドフレームという組み合わせの新色が登場した。
【カワサキ Z400】主要諸元■全長1990 全幅800 全高1055 軸距1370 シート高785(各mm) 車重166kg(装備)■水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ 398cc 48ps/10000rpm 3.8kg-m/8000rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量14L■タイヤサイズF=110/70R17 R=150/60R17 ●価格:74万8000円 ●色:黒×灰 ●発売日:2025年4月26日
ヤマハ MT-03
2023年モデルで令和2年排出ガス規制に適合しただけでなく、最大トルクを0.1kg-mアップ(発生回転数は変わらず)し、新たにクラッチ操作不要でシフトアップできるクイックシフターをアクセサリー設定。
価格据え置きで登場した2025年モデルでは、さらにシートカウルまわりのデザイン変更やアシスト&スリッパークラッチ、新型クラッチレバー、コネクティビティ機能が追加された新型LCDメーター、USB-Aソケットを新採用している。
250cc版の兄弟車がバイアスタイヤを採用するのに対し、MT-03およびベースを共有するYZF-R3はラジアルタイヤを履くのも特徴だ。
【ヤマハ MT-03】主要諸元■全長2090 全幅755 全高1075 軸距1380 シート高780(各mm) 車重166kg(装備)■水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ 320cc 42ps/10750rpm 3.1kg-m/9000rpm 変速機6段リターン 燃料タンク容量14L■タイヤサイズF=110/70R17 R=140/70R17 ●価格:68万7500円 ●色:灰、青、暗灰 ●発売日:2025年4月24日
ホンダ NX400
新型CBR400Rと同時デビューで、400Xからモデルチェンジとともにデザインも車名も一新。前19/後17インチホイールを継続採用しつつ、400Xから車重を3kg軽量化し、Hondaセレクタブルトルクコントロールや5インチフルカラーTFTメーターを新採用した。国産400ccクラスでは唯一のアドベンチャーモデルだ。
【ホンダ NX400】主要諸元■全長2150 全幅830 全高1380 軸距1435 シート高800(各mm) 車重196kg(装備)■水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ 399cc 46ps/9000rpm 3.9kg-m/7500rpm 変速機6段 燃料タンク容量17L■タイヤサイズ110/80R19 R=160/60R17 ●価格:89万1000円 ●色:白、黒 ●発売日:2024年4月18日
スズキ DR-Z4S
電子制御スロットルを中心とした電子制御が与えられ、新デザインに生まれ変わったDR-Zのうちの一台。最大の進化点は、電子制御スロットルを中心としたスズキ独自の電子制御システム「S.I.R.S.(スズキインテリジェントライドシステム)」の搭載だ。これにより、ライダーの技量や多様な路面状況に合わせたきめ細やかなライディングサポートが可能になる。
エンジンは、実績のある水冷398cc単気筒DOHC4バルブユニットを搭載。電子制御スロットルの採用や吸排気系の最適化により、最高出力は以前のモデルの40ps/7500rpmから38ps/8000rpmへと若干変更されたものの、低回転域のトルクを強化しつつ、高回転域までスムーズに伸びるフラットなトルク特性を実現した。
車体も全面的に刷新された。新設計のスチールパイプ製ツインスパーフレームに軽量なアルミ製シートレールを組み合わせることで、剛性バランスの最適化と軽量化を追求。
サスペンションは前後ともにKYB製を採用し、フロントには圧側・伸側の減衰力調整が可能な倒立フォーク、リヤにはフルアジャスタブルタイプのショックアブソーバーを装備。ホイール径は、オフロード性能を重視しているだけあり、フロント21インチ/リヤ18インチを採用している。
【スズキ DR-Z4S】主要諸元■全長2270 全幅885 全高1230 軸距1490 シート高890(各mm) 車重151kg(装備)■水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 398cc 38ps/8000rpm 3.8kg-m/6500rpm 変速機5段 燃料タンク容量8.7L■タイヤサイズ80/90-21 R=120/80-18 ●価格:119万9000円 ●色:黄×白、灰 ●発売日:2025年10月8日
スズキ DR-Z4SM
基本的なプラットフォームは兄弟車のDR-Z4Sと同様ながら、DR-Z4SMは“YOUR STREETS. YOUR PLAYGROUND.”を掲げ、ストリートを意のままに楽しめる自由度と高い運動性能を発揮してくれるスーパーモトモデルとして仕上げられている。
ホイール径は、オンロードでの運動性能を高めるべく前後17インチを採用。S.I.R.S.の機能の一つである、解除モードを備えたABSはDR-Z4Sと異なり、前後ともにOFFが可能だ。WMTCモード燃費はDR-Z4Sの27.7km/Lに対し、DR-Z4SMは28.8km/Lと若干向上している。
【スズキ DR-Z4S】主要諸元■全長2195 全幅885 全高1190 軸距1465 シート高890(各mm) 車重154kg(装備)■水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 398cc 38ps/8000rpm 3.8kg-m/6500rpm 変速機5段 燃料タンク容量8.7L■タイヤサイズ120/70R17 R=140/70R17 ●価格:119万9000円 ●色:青、白 ●発売日:2025年10月8日
まとめ:大型二輪ユーザーにも魅力的なミドルクラス
2025年の400ccクラスは、大型二輪免許ユーザーであっても比較検討の対象にしたくなるほど魅力にあふれている。カテゴリーも豊富で、フルカウルスポーツやネオクラシック、クルーザー、アドベンチャーなどそれぞれのキャラクターにも個性がある。高速道路を使って遠出したいときなどに交通の流れをリードする余力があり、装備やディテールにも安っぽさはない。免許制度にとらわれなければ、ミドルクラスのバイクとしてかなりの魅力を備えているのが400ccクラスだ。
よくある質問
400ccバイクは何の免許で乗れるの?
400ccのバイクは「普通二輪免許」か、排気量制限なくバイクを運転できる「大型二輪免許」が必要だ。
AT限定免許でも乗れるの?
今回紹介した12車のうち、AT限定免許で運転できるのはバーグマン400のみ。126cc~400ccでAT限定免許で運転できるのはスクータータイプがほとんどだ。
400ccバイクで高速道路を走ると?
125ccを超えるバイクなら法規上は高速道路や自動車専用道路を運転できるが、タンデムや荷物満載での走行も想定すると、排気量の大きいほうが楽に走れる。400ccクラスなら100km/h巡行は余裕でこなし、タンデムしながらでも合流や追い越しで非力さを感じる場面はほとんどない。
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「着る換気扇」サーキュレーターメッシュ 今回紹介するのは、2025年9月の発売からわずか2ヶ月半で累計3万枚を突破したという「サーキュレーターシリーズ」だ。最大の特長は、裏地に採用された「サーキュレー[…]
バイク置き場を有効活用できる。掛けてから移動できるリアスタンド バイクとの接点は、スイングアーム下から支える付属のL形アタッチメントか、スイングアームに取り付けたスプールに引っかける別売りのV形アダプ[…]
「天然のエアコン」が汗冷えを防ぐ 厚着をしてバイクで走り出し、休憩がてら道の駅やコンビニに入った瞬間、暖房の熱気で生じる汗の不快感。そして再び走り出した直後、その汗が冷えて体温を奪っていく不安。ライダ[…]
後輪を軸に旋回する基本通りに乗れる車体のしなやかさと従順かつ繊細なエンジン特性! 2ストロークエンジン・メーカーではなかったホンダが、’60年代に世界GP完全制覇の後に再挑戦した4ストNR500が思わ[…]
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バイクいじり全般で使い勝手の良いスタンダードサイズ 自社内の多段鍛造設備で同じブランク材から鍛造するため、スタンダートサイズの全長は6角/12角/サーフェイスとも開口部5.5〜13mmは全長26mm、[…]
DRZ4シリーズが24年ぶりのフルモデルチェンジ ʼ00年に登場したDR-Z400シリーズ。オフ車の“S”が24年ぶり、モタードの“SM”が19年ぶりとなるフルチェンでDR-Z4シリーズへと進化! 早[…]
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BMWの牙城を崩そうとドイツの開発チームと熟成をはかる! ホンダはスーパースポーツで世界を制覇、その勢いはフラッグシップで呼ばれる豪華ツアラーモデルでもリーダーを目指し、水平対向4気筒のGLゴールドウ[…]
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