スズキ「GSX-S1000GX」のライバル登場!?

ホンダが新型スポーツツアラー「CB1000GT」を発表! 電サス&IMUを装備するハイテク仕様【EICMA】

ホンダが新型スポーツツアラー「CB1000GT」を発表! 電サス&IMUを装備するハイテク仕様【EICMA】

ホンダはイタリア・ミラノで11月4日に始まったEICMA 2025にて、2026モデルとなるスポーツツアラー「CB1000GT」を発表した。搭載する直列4気筒1000ccエンジンはCB1000ホーネットベースであり、これにアップライトなポジションを組み合わせており、CB1000ホーネットにはなかったセミアクティブサスペンションやIMUなどより高度な電子制御装備で武装している。


●文:谷田貝洋暁(ヤングマシン編集部)

より高度な電子制御でいつでもどこでも快適な走りを!!

【動画】2026 CB1000GT | Honda Motorcycles


CB1000ホーネットのエンジン&スチール製ダイヤモンドフレームを使って仕立てたスポーツツアラー「CB1000GT」。パニアケースの装着や二人乗りなどを行うためにシートレール部分は新設計している。

ホンダがEICMA 2025にて発表した「CB1000GT」は、「High performance Tourer -速く、遠くまで快適に-というコンセプトで作り上げられた、ハイテクスポーツツアラーだ。CB1000ホーネットに搭載された直列4気筒999ccエンジンは、そもそもとして2017年モデルのCBR1000RR(2BL-SC77)をベースに低・中速域重視にギヤ比やカムプロフィールをリファインしたエンジンであるが、それをこの「CB1000GT」に転用。

「CB1000GT」。写真はオプション装着車。

ただFIや電子制御スロットルに関しては専用設計。長距離ツーリングでの快適性や疲労軽減を目的に、スロットル開け始めの出力フィーリングを滑らかにしているという。

パニアケースやトップボックスの装着したまま二人乗り走行が快適に行えるシートフレームを新作。

車体に関しては、メインフレームこそCB1000ホーネットのスチール製ダイヤモンドフレームを使っているとのことだが、シートフレームに関してはパニアケースの装着やパッセンジャーの搭乗を前提に新作しており、より安定性の高い走行が可能とのこと。このほかスポーツツアラーに相応しいアップライトなポジションにフロントカウル一体型のシュラウドを組み合わせ、高いウインドプロテクション性能と、フレームマウントヘッドライトによるニュートラルなハンドリングを特性を両立している。

ウインドスクリーンは、上下幅81mm5段階での調整が可能で、片手での操作も可能。

技術的なハイライトは、やはりセミアクティブタイプの電子制御サスペンションSHOWA EERA®︎や6軸IMUを搭載したことで、走行状態に合わせて減衰力を自動調整するところ。これにより「CB1000GT」は、高速道路や市街地での快適な乗り心地からワインディングでのスポーティなセッティングまで、走行ステージに合わせたサスペンションキャラクターの即時変更(0.015秒)が可能となっている。

これらのセミアクティブサスペンションの機能はドゥカティのムルティストラーダシリーズなどで実用化されている機能であるが、SHOWA製EERA®︎という意味ではスズキのGSX-S1000GXがスポーツツアラーというキャラクターとともにいいライバルとなりそうである。

6軸IMUによる車体姿勢、ECUのエンジン制御情報、車輪回転速度などから走行状況を把握し、SHOWA製EERA®︎が走行状況に合わせて減衰力をアジャスト。

今回発表されたリリースの中には、オートレベリングなどの自動プリロード調整に関する記述はなかったが、荷物の積載やパッセンジャーの有無を感知してプリロードや車体姿勢を調整する機能が搭載されているかどうかが気になるところ。

50Lトップボックスやコンフォートシートといった旅をさらに快適にするアクセサリーも豊富に用意。EU市場向けには「コンフォートパック」、「スポーツパック」、「アーバンパック」といったキャラクター別のアクセサリーパックが設定されている。

このほか、「CB1000GT」には、スマートキーやクイックシフター、バイクとスマートフォンをBluetooth接続して通話やナビゲーションが行えるHonda RoadSyncなど旅を快適にする機能はもちろん、エマージェンシーストップシグナルや、6軸IMU連動の2チャンネルABSといった安全機能も搭載している。

CB1000GT のスタイリング

主要諸元■全長2135 全幅930 全高1290 軸距1465 シート高825(各mm) 車重229kg(装備)■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 1000cc 149.6ps/1100rpm 10.4kg-m/8750rpm 変速機形式6段リターン 燃料タンク容量21L■ブレーキF=Wディスク R=ディスク■タイヤF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ※諸元は欧州仕様

Grand Prix Red with extended Graphite Black livery

Grand Prix Red with extended Graphite Black livery

Pearl Deep Mud Gray

Graphite Black

CB1000GT のディテール

デュアルプロジェクターヘッドライトと前に突き出したシュラウドが特徴的。

アップライトなポジションが設定されたテーパーバーハンドルを採用。

21Lの容量が確保された燃料タンクの航続距離は340kmを想定(燃費:16.5km/ℓ)。

5インチフルカラーTFTメーターはスマートフォンと接続するHonda RoadSyncも搭載。メーター下にはUSB Type-Cソケットも装備。

スマートキーによるキーレスエントリーが可能。ただし燃料タンクやパニアケースの開閉にはメカニカルキーが必要となる。

UP/DOWN対応のクイックシフターを標準装備。アシストスリッパークラッチがクラッチレバー操作を軽くし、強いエンジンブレーキを逃す。

SHOWA EERA®︎によるサスペンションモードは、「スタンダード」、「スポーツ」、「レイン」、「ツアー」のライディングモードに連動しており、ダンピングやプリロードの個別設定が可能な「ユーザー」モードも装備。サスペンションストロークはフロント130mm、リヤ144mmを確保。

時速50~160㎞で設定できるクルーズコントロールやグリップヒーターなど、旅を快適にする機能を搭載。

荷物の積載やチェーンメンテナンスの利便性を考えセンタースタンドを標準装備。

鋳造アルミニウムのスイングアーム長は619~635mm。軸間距離はCB1000ホーネットトの1455mmよりも大きく1465mmを確保。キャスター&トレールもCB1000ホーネットとは異なる。


取り外し可能なパニアケースの容量は左が37Lで右が28L。開閉はメカニカルキー式となっている。

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