
ホンダがヨーロッパを舞台に本気で遊ぶカスタムの祭典「Hondacustoms」が、2025年も「Wheels and Waves」に出展された。イベント終了後もオンライン投票は続き、総投票数は前年比19%増の3万票を超えた。GB350Sをベースとしたカスタム車の頂点に立ったのは?
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:hondacustoms.com
7か国から11台のカスタムバイクが集結し、30,094票を集める
6年目を迎えたHondacustoms(ホンダカスタムズ)、過去にはCB1000Rやレブル、CL250/CL500、モンキー&ダックスといった人気モデルがベースとなり、毎回ユニークなカスタムマシンを生み出してきた。そして2025年、前年秋のEICMAでついに欧州への進出を果たしたホンダのレトロシングル「GB350S」が主役へと躍り出た。
2025年6月11日~15日にフランスのバスク地方ビアリッツで開催された『Wheels and Wavesフェスティバル』に、スペイン、ポルトガル、フランス、イギリス、スイス、イタリア、ドイツの7か国から集った腕利きビルダーたちの手による11台のカスタマイズドGB350Sが集結。もはや原型を留めない(!?)驚きの姿に大変身したものもあった。
8月31日まで受け付けた投票では、前年比19%増の総投票数30,094票を集め最後までもつれた首位争いから抜け出したMAAN Motocicli Audaciの「Hachimaan」が栄誉を手にした。
1位 Hachimaan(イタリア):八幡様?! サルディーニャの鬼才が生んだ、神の名を冠する和ボバー
2021年に「スーパーカブ125X」で話題を呼び、ホンダカスタムズコンペティションにおいては2022年の覇者であるMAAN Motocicli Audaciが再び栄冠を手にした。GB350Sを最も過激に再解釈した1台で、ジャパニーズボバースタイルとした青いバイクには総投票数の31%にあたる9500票が集まった。日本の神道の戦いの神「八幡」の名を冠したマシンはシンプルな美しさを追求し、なんとハードテール化。ピーナッツタンクにスーサイドシフター(!)と、やりたい放題だ。なんでもいーのよ、カッコよければ……という精神が潔し。
ビルダーのコメント(Nicola Manca氏): 「2度目の優勝は大きな満足感をもたらしてくれました。初回は偶然や大胆さ、ビギナーズラックで勝つこともあるかもしれません。しかし、2度目の優勝は、達成が難しく決して当たり前ではない『確証』です。我々が正しい道を歩んでいると実感させてくれる承認の証です」
Hachimaan – MAAN Motocicli Audaci: Italy
2位 Mia(ポルトガル):HRCカラー! ポルトガル流正統派カフェレーサー
Hachimaanと首位争いを繰り広げた、ポルトガルのTubaisMotoによるカスタムバイク。HRCトリコロールをまとったフロントカウルがレーシーな雰囲気を醸し出す、正統派カフェレーサー。ブラックアウトされた車体とワイヤースポークホイール(チューブレスタイヤ対応)がレトロ感を加速させる。リヤカウルで微妙にグラデーションするストライプなど、色彩センスが光る。
ビルダーのコメント(Xavier Paiva氏): 「今年のコンペティションで2位に入賞できたことを嬉しく思います。僅差で優勝を逃したのは残念ですが、このコンテストに参加できたことは素晴らしい経験でした。時代を超越した美しいバイクを製作でき、ショールームで大きな注目を集める存在となっています」
Mia – TubaisMoto: Portugal
3位 GRAND (B)RIX(ドイツ):黒×金は正義! ドイツ流・漆黒のステルスレーサー
質実剛健なドイツのビルダー・Sporty Bikeはスタンダードのシルエットを生かした、タイムレスなカフェレーサー。黒と金の組み合わせは、やっぱり正義! フロントをローダウンし、よりアグレッシブなスタンスを手に入れたステルスレーサー。ブラックアウトされた車体にゴールドのアクセントが効いている。低く構えたハンドルバーにバーエンドミラー、ヒートラップ付きのエキゾーストが、単に綺麗なだけじゃないスタイルの調和を生み出している。
ビルダーのコメント(Klaus-Peter Kniedel氏): 「私たちのワークショップチームは、バイクで何ができるかを創造的かつ印象的に示すことができました。この結果に大変満足しており、3回目の参加で再び表彰台に上がれたことを誇りに思います」
GRAND (B)RIX – Sporty Bike: Germany
4位 MBX350(スペイン):まさかの80’sを完全再現!
1980年代の2スト小僧なら誰もが涙するであろう、MBX80(日本ではMBX50のほうがメジャー)のスタイルをGB350Sで完全再現したのはスペインのServihonda Málagaだ。角張ったスタイリング、四角いミラー、Pro-Linkステッカー(2本サスだけど!)、そして懐かしのTaviチャンバー(風マフラー)まで──。その発想と再現度には脱帽するしかない。
MBX350 – Servihonda Málaga: Spain
5位 The Rocket Lion(スペイン):骨太ロケットカウルの王道カフェ
往年のホンダGPマシン「RC181」を彷彿とさせるフロントカウルと、レーサーばりのライポジを生むシートカウル。ホンダを知り尽くしたディーラーが放つ王道の1台だ。チタンパーツや古色を帯びた特大ロゴなど、ディテールへのこだわりも深い。スペインとポルトガルのディーラーたちによる「Honda Garage Dreams Contest」の覇者。(Honda Motor Center León)
The Rocket Lion – Honda Motor Center León: Spain
歴代チャンピオンマシン
AFRICA FOUR CRF1000R【2020年 CB1000Rベース】
MOTOTROFA【2021年 CB650Rベース】
MAANBOARD【2022年 レブル500ベース】
FURIOSA【2023年 ダックス125ベース】
BUNKER IMPRINT【2024年 CL250ベース】
HACHIMAAN【2025年 GB350Sベース】
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(GB350シリーズ)
2025モデルの新車「GB350C」のイメージが… ネオレトロスタイルの単気筒ロードスポーツ・GB350をベースとして2024年にリリースされた「GB350C」は、前後にディープフェンダーを採用したク[…]
「銀の弾丸」が示すスタイルと走りへの意思 フランス・ビアリッツのサーフ&バイクカルチャーの聖地「Wheels and Waves」フェスティバル2025は去る6月に行われた。欧州7カ国から選りすぐりの[…]
サスペンションカバーやディープフェンダーなど、外装はほぼ専用品の“C” ホンダは、2024年秋にブランニューモデルとして発売した「GB350C」にニューカラーを設定し、一部仕様も変更した2025年モデ[…]
8/1発売:ロイヤルエンフィールド「ハンター350」 2025年8月1日より受注を開始するのが、ロイヤルエンフィールドの新型「ハンター350」だ。注目すべきは、従来モデルから5万円以上の値下げが敢行さ[…]
2025モデル「GB350/S」が華やかになって新発売! 原点的なスタイルとそれにふさわしい味わい深い走りによって、年齢や性別を問わず、幅広いライダーに支持されている大人気バイク「GB350」シリーズ[…]
最新の関連記事(ホンダ [HONDA] | 新型ヘリテイジ/ネオクラシック)
新設計の4気筒・502ccエンジンにEクラッチを搭載! ホンダは、中国で開催中の重慶モーターサイクルショーにて新型モデル「CB500スーパーフォア(CB500 SUPER FOUR)」を世界初公開した[…]
レブル250ではユーザーの8割が選択するというHonda E-Clutch ベストセラーモデルのレブル250と基本骨格を共有しながら、シートレールの変更や専用タンク、マフラー、ライディングポジション構[…]
新型CL500の進化が! 気がつけば長距離を走っているスクランブラー「CL500」がマイナーチェンジを果たして新登場します! ご存じかと思いますが、CLシリーズには250ccの「CL250」も存在しま[…]
2025モデルの新車「GB350C」のイメージが… ネオレトロスタイルの単気筒ロードスポーツ・GB350をベースとして2024年にリリースされた「GB350C」は、前後にディープフェンダーを採用したク[…]
471cc並列2気筒エンジン搭載、ロングストロークのサスペンションと大径フロントタイヤを採用 ホンダはスクランブラーモデル「CL500」の2025年型を発表。前19/後17インチホイール、アップマフラ[…]
人気記事ランキング(全体)
新設計の4気筒・502ccエンジンにEクラッチを搭載! ホンダは、中国で開催中の重慶モーターサイクルショーにて新型モデル「CB500スーパーフォア(CB500 SUPER FOUR)」を世界初公開した[…]
レースで勝つために進化を重ねたトップパフォーマー 「GSX-Rの40年」ではまず、”アルミフレーム+カウリング+4スト最強水冷4気筒”のGSX-R(400)を紹介。 1980年代初頭に始まった空前のバ[…]
その姿、まるでハンターカブ×ミニトレ?! タイ仕様は新型に切り替わるとともにカラーバリエーション変更&グラフィックが変更された。 一方ベトナム仕様は、従来モデルを標準仕様として併売。この標準モデルはカ[…]
ダークカラーに往年のオマージュカラーを乗せて 特別仕様車の製作を定期的に行うカブハウスは、1970年代のダックスをオマージュしたような限定仕様「DAX Royal Limited Edition」を発[…]
国産4社の400cc4ストツインの系譜 排気量上限が400cc以下の普通2輪免許、一昔前の言葉で言うなら中型限定免許は、日本独自の制度である。もっとも欧州では大昔から、排気量が400cc前後のロードス[…]
最新の投稿記事(全体)
走り屋たちの魂を揺さぶる名作『バリバリ伝説』 空前のバイクブームに沸いた1980年代。峠には若者たちがあふれ、誰もが速さを追い求めていた。そんな時代のど真ん中を駆け抜け、バイク乗りたちの青春そのものを[…]
新設計の502cc・4気筒エンジンを搭載するフルカウルスポーツ ホンダは、中国で開催された重慶モーターサイクルショーにて4気筒エンジン搭載の新型モデル「CBR500Rフォア(CBR500R FOUR)[…]
7か国から11台のカスタムバイクが集結し、30,094票を集める 6年目を迎えたHondacustoms(ホンダカスタムズ)、過去にはCB1000Rやレブル、CL250/CL500、モンキー&ダックス[…]
魅力的すぎる伊勢志摩ツーリング 豊かな自然と変化に富んだ海岸線でライダーを魅了する伊勢志摩。その魅力を語る上で外せないのは、「パールロード」と「伊勢志摩スカイライン」だろう。とくにパールロードは、海を[…]
原付一種の新区分「新基準原付」とは? ガソリン原付一種は、排ガス浄化装置である触媒性能の問題により国内第4次排出ガス規制(ユーロ5相当)をクリアできないため、2025年10月末日に生産終了となり、以降[…]
- 1
- 2