
クラス唯一の4気筒250ccとして、圧倒的な存在感を放つカワサキ「Ninja ZX-25R」の2026年モデルが早くも登場する。2025年10月1日発売予定で、今回からラインナップがSEとRRの2グレードに絞られる。スタンダードモデルの販売予定はない。これはZX-25Rのキャラクターが、より明確に高性能モデルへとシフトしたことを意味するといえそうだ。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:カワサキモータースジャパン
キャラクターを明確にさせたモデルチェンジ
2025年モデルについてまず振り返っておくと、「Ninja ZX-25R SE」のみ、メタリックマットミステリアスグレー×メタリックフラットスパークブラックの単色展開で価格は99万2200円だった。2026年モデルでは、「Ninja ZX-25R SE」と「Ninja ZX-25RR」の2グレード展開となり、カラーリングもそれぞれ新作。SEがメタリックマットグラファイトグレー×メタリックスパークブラック、RRはライムグリーンとなった。価格はSEが101万4200円、RRが105万2700円となる。SEで比べると、前年モデルから2万2000円の価格上昇だ。
パワーユニットも若干変更されている。2025年モデルでは最高出力48ps/15500rpm(ラムエア加圧時49ps)を発揮していたが、2026年モデルでは触媒仕様の変更に伴い、最高出力が46ps/16000rpm(ラムエア加圧時48ps/16000rpm)へと変更。最大トルクも2.2kg-m/12500rpmから2.1kg-m/12500rpmへとわずかにダウンしている。出力やトルクこそ落ちているが、高回転域でのパフォーマンスがより追求されたモデルチェンジといえそうだ。
燃費についても、WMTCモード値で2025年モデルの18.7km/Lから、2026年モデルは18.1km/Lへと微減。しかし、定地燃費値は2025年モデルの24.6km/Lから25.1km/Lへと向上している。
機能面では、SE、RRともに2023年モデルから採用されている4.3インチTFTフルカラーメーターやLEDウインカーは健在だ。とくにTFTメーターはスマートフォン接続機能「RIDEOLOGY THE APP MOTORCYCLE」に対応しており、相互通信が可能。2026年モデルでは、このアプリの「音声コマンド」や「ナビ機能」が利用可能になったのは嬉しい進化だ。新車購入者には1年間無償ライセンスが付与されるという点も見逃せない。
クラス唯一の4気筒エンジンが奏でる2万rpmまで刻まれたタコメーターと超高回転サウンドは、スポーツバイクファンを魅了し続けている。KTRC(カワサキトラクションコントロール)や、アップ/ダウン両対応のオートブリッパー付きKQS(カワサキクイックシフター)など、上級モデルに引けを取らないクラスを超えた装備は2026年モデルでも健在だ。
国内初登場となる「Ninja ZX-25RR」についても触れておこう。「RR」ロゴ入りグラフィックが採用されるほか、SEがスモークウインドシールドであるのに対し、RRはクリアウインドシールドを装備する。さらにライダーを唸らせるのは、リヤサスペンションにショーワ製BFRC-liteリヤショックアブソーバーが奢られている点だ。レースやサーキットでの走りを強力にサポートしてくれる。
ただし、RRではSEに標準装備されていたフレームスライダーとUSB電源ソケットが非装備となるので必要に応じてオプションを検討したいところだ。
2026年モデルのNinja ZX-25Rは、スタンダードモデルを廃止し、SEとRRというより高性能なラインナップに集約することで、そのキャラクターをさらに明確にした。パワーダウンはあったものの、その分高回転域でのポテンシャル、そしてRRの登場によるサーキット性能の追求は、本気のライダーにとってたまらない選択肢となるだろう。
KAWASAKI NINJA ZX-25R SE/RR[2026 model]COLORS & SPEC
KAWASAKI NINJA ZX-25R SE
KAWASAKI NINJA ZX-25RR
車名 | Ninja ZX-25R SE | Ninja ZX-25RR |
型式 | 8BK-ZX250H | ← |
全長×全幅×全高 | 1980×750×1110mm | ← |
軸距 | 1380mm | ← |
最低地上高 | 125mm | ← |
シート高 | 785mm | ← |
キャスター/トレール | 24.2°/99mm | ← |
装備重量 | 184kg | ← |
エンジン型式 | 水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ | ← |
総排気量 | 249cc | ← |
内径×行程 | 50.0×31.8mm | ← |
圧縮比 | 12.5:1 | ← |
最高出力 | 46ps/16000rpm(ラムエア加圧時48ps) | ← |
最大トルク | 2.2kg-m/12500rpm | ← |
変速機 | 常時噛合式6段リターン | ← |
燃料タンク容量 | 15L | ← |
WMTCモード燃費 | 18.7km/L(クラス3-2、1名乗車時) | ← |
タイヤサイズ前 | 110/70R17 | ← |
タイヤサイズ後 | 150/60R17 | ← |
ブレーキ前 | φ310mmディスク+4ポットキャリパー | ← |
ブレーキ後 | φ220mmディスク+1ポットキャリパー | ← |
乗車定員 | 2名 | ← |
価格 | 101万4200円 | 105万2700円 |
発売日 | 2026年10月1日 | ← |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI] | 新型スーパースポーツ)
ニューカラーにスマートフォン接続機能が進化 2026年モデルでパッと目を引くのは、やはりカラー&グラフィックの変更だ。「Ninja ZX-4R SE」は、パールロボティックホワイト×メタリックスパーク[…]
軽量化とパワーアップの両面を果たしたフルモデルチェンジ:カワサキ「ニンジャ400」【2018モデル】 発売は、2018年2月1日。2017年モデルまでのニンジャ400は、海外向けのERシリーズをベース[…]
長年愛されたKRTエディションが廃止 2025年モデルの発売は、2025年4月26日。2023年モデルと同様に、令和2年排出ガス規制適合を受けた2022年モデルのスペックを引き継ぐ形で登場した。 ニン[…]
通勤からツーリング、サーキット走行まで使えるカウル付き軽二輪スポーツ 日本の道に最適といえるサイズ感や、通勤/通学からツーリングまで使える万能さが軽二輪(126~250cc)の長所。スクーターやレジャ[…]
ラムエア加圧時は49psの4気筒エンジン、オートブリッパー付きクイックシフターも装備 カワサキのニンジャZX-25R SEは、2023年モデルで令和2年排出ガス規制に適合しながら、最高出力&最大トルク[…]
最新の関連記事(ニンジャZX-25R SE/KRT)
通勤からツーリング、サーキット走行まで使えるカウル付き軽二輪スポーツ 日本の道に最適といえるサイズ感や、通勤/通学からツーリングまで使える万能さが軽二輪(126~250cc)の長所。スクーターやレジャ[…]
250ccクラスは16歳から取得可能な“普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は全部で7種類ある。原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制[…]
ラムエア加圧時は49psの4気筒エンジン、オートブリッパー付きクイックシフターも装備 カワサキのニンジャZX-25R SEは、2023年モデルで令和2年排出ガス規制に適合しながら、最高出力&最大トルク[…]
250ccクラスは16歳から取得可能な“普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は全部で7種類ある。原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制[…]
通勤からツーリング、サーキット走行まで使えるカウル付き軽二輪スポーツ 日本の道に最適といえるサイズ感や、通勤/通学からツーリングまで使える万能さが軽二輪(126~250cc)の長所。スクーターやレジャ[…]
人気記事ランキング(全体)
気負うことなくスポーツできる! 国内モデルの125ccスポーツは、新車だと安くても40万円前後。物価高が続く昨今、とくに若者にはなかなか手が出しにくい。そんな中、23万8千円という価格で登場したのが「[…]
最先端技術「ペルチェ素子」がもたらす直接冷却 残暑といえどもまだまだ熱中症のリスクはある。夏の本当の敵は、肌表面の暑さより「深部体温」の上昇だ。そこで注目したいのが、体の“内側から”直接血液を冷やすと[…]
125ccクラスは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり[…]
扇風機+冷却ブレートの二重冷却 KLIFEのペルチェベストは、空調ファンと半導体ペルチェ素子を組み合わせた業界初の設計。背中の冷却ブレートが体感温度を瞬時に下げ、同時にファンが服内の空気を循環させるこ[…]
大別すると仕様は4種類 CB400フォアには、①’74~’76年に全世界で販売された408cc、②’76年に日本市場に投入された398cc、③398ccのセミアップハンドル仕様、④ライン入りタンクが標[…]
最新の投稿記事(全体)
ファン+ペルチェでダブル冷却 山善のペルチェ ベストは、外径約100mmの大型ファン(厚み約38mm)で風を取り込み、さらに内蔵のペルチェデバイスで空気やウェア表面を冷やす仕組みを採用。保冷剤用メッシ[…]
コンパクトながら高出力のペルチェ冷暖ベスト おたふく手袋の「冷暖ペルチェベスト JW-699」は、USB PD対応の2万mAhバッテリーを標準付属。psEマーク取得のバッテリーで、最大連続使用は冷却の[…]
高い接触冷感と吸汗速乾で夏を快適に 「JW-625」は、高い接触冷感と吸汗速乾機能を持つ素材「クロスクール」を採用。肌に触れた瞬間のひんやり感と、汗を素早く吸い上げ外へ逃がす効果で、蒸れにくく快適に過[…]
デウスが街を狩る狼に託した「ストリート」の真髄 デウスのカスタム哲学のひとつに、オーナーの想いを形にする“共有製作型”カスタムがある。その好例が、イタリアの名門MVアグスタのリヴァーレ800をベースに[…]
ヤングマシン電子版2025年10月号[Vol.635] 【特集】◆やっぱ好きだぜCB!!・市販間近! CB1000F コンセプト最新情報 & カウル付きSEお披露目・丸山浩の世界初試乗インプレ[…]
- 1
- 2