点火系オカルトチューンの代表格! 昭和のカスタムパーツ「ガンスパーク」を振り返る

点火系オカルトチューンの代表格! 昭和のカスタムパーツ「ガンスパーク」を振り返る

スパークプラグとキャップの間に取り付けるだけで≪猛烈な加速≫と≪パワーアップを呼び起す≫!? そんな「ガンスパーク」を使っていたという人、挙手!・・・うんうん、思った通りたくさんいますね。若い人は知らないかもだけど、かつての若者を興奮させたガンスパークというお手軽チューンアイテムがありました。効果あったのかなかったのか・・・あの電撃のようなアイテムを改めて振り返ってみたいと思います!


●文:ヤングマシン編集部(DIY道楽テツ)

あったよね~ガンスパーク!

「ガンスパーク」ってありましたね~。覚えてるだけじゃなくて、実際に使ってみたという方も多いのではないでしょうか。1980年代後半~1990年代前半は、どのバイク雑誌を開いても必ず広告があったもんです。

バイク雑誌には必ずこんな感じの広告がありました

その広告を今見てみると・・・

点火強化装置
GUN SPARK(ガン スパーク)

猛烈な加速と
パワーアップを呼び起す。

驚異の特長
始動一発(どんな時でも)
点火ミス一掃
ガス節減(5%〜18%)
電波障害皆無
取付簡単(プラグの頭部に挿入するだけ)
排気浄化(5%〜20%)
加速軽減とパワーアップ10%

・・・おおぅ、ここまで言いきっちゃっていいものなのか! という言葉のオンパレード。

いまなら誇大広告と言われちゃうかもだけど、当時はこれでOKだったし、実際我々若いライダーはシビれたもんですよ。もう、ビリビリッとね!

ガンスパークってこういうの

「ガンスパーク」ってこういうのです。こんなパッケージで売ってました。

値段はうろ覚えですが、確か2000~3000円ぐらい。高校生バイト3~4時間分だったと記憶してます。安い買い物ではなかったわけで、それはもう当然悩みまくったもんです。

だけど広告を見ると、取り付けただけですげえパワーアップって書いてあるし、バイク雑誌でも特集なんか組まれちゃってるし。だけど効果なかったら嫌だな~とか思いつつも、友達が買ったの見て思わず買っちゃったもんです。

ガンスパークの仕組み

ガンスパークの使い方はいたって簡単。プラグキャップとスパークプラグの間に割り込ませるだけ。

ガンスパーク自体が電気を蓄える構造になっていて、通常は無駄に消える電気エネルギーをチャージしておいて、点火のタイミングでまとめて流して強力な火花を発生させるというもの。

広告にも書いてましたよ。「白熱の巨大スパーク 見て下さい5倍です!!」

今にして思えば「露光の設定で見せてるのかな?」なんて思っちゃうとこですが、高校生の目から見たアナタ、燃焼室に炸裂する超強力な火花が目に浮かぶようでした(見たことないけど)。

実際の効果はというと・・・

そしてそのガンスパークを取り付けてみると、始動性が向上(した気が)して、加速が良くなっ(た気がし)て、そして最高速も伸び(たような気がし)て、それはもう気持ちよかったもんです。

だけど思い出してみると、実際に燃費が5%ぐらい伸びたんだよな~。あと、低速トルクは間違いなくよくなりましたよ。基本的に小排気量の単気筒ばかりだったから、より効果が出やすかったのかもしれませんが(あくまで個人の感想です)

当時は雑誌の記事や、実際に使ってみた友人たちの感想ぐらい聞くことができませんでしたが、今ネットの口コミをいろいろ調べてみると「効果なかった」「むしろ最高速が落ちた」といった否定派から「農機具が調子よくなった」「低回転でパワーアップした」といった効果あった派(筆者がコレですね)とさまざま。

はたまた「プラグが溶けた」「エンジン壊れた」といった逆の意味で効果てきめん(?)だった方々もいらっしゃるようで。なぁんだ、何のことはない。みんなあの広告に心躍らせて、ドキドキしながらガンスパークを取り付けてた仲間なんじゃないか!

点火系オカルトよ永遠なれ

今にして思えば、たくさんの若いライダーたちが自分のバイクをライバルより1km/hでも速くしたい、0.1馬力でもパワーアップしたいと強く願っていたキラキラした時代でしたね。

そんな時代にあって「ガンスパーク」はまさに「その気にさせてくれる」夢のようなアイテムだったことは間違いないです(少なくともハートのスパークは強化しまくってたわけですね!)

効果があるとかないとかの議論はあるにせよ、その後も「点火系オカルト」というワードとともに姿形を変えてあらゆるアイテムが今でも続いてることが何よりの証拠ではないでしょうか。

ワンチャンもう一度試したい

もちろんもう新品は手に入らない「ガンスパーク」ですが・・・もしチャンスがあるならばもう一度試してみたいですね。たとえそれが効果がなかったとしても、なんとなくあの時のワクワク感を思い出させてくれる、そんな気がしてなりません(遠い目)。

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