ゴールドスター、スクランブラーに続く第3弾

まさかの2スト復活!? BSAが小排気量ニューモデルの登場を示唆、モチーフは1940~70年代の『バンタム』か

まさかの2スト復活!? BSAが小排気量ニューモデルの登場を示唆、モチーフは1940~70年代の『バンタム』か

BSAモーターサイクルは、SNSで『We’re going back to the future on 29.07.25』としてティーザー画像を公開した。日本でも販売が本格化したゴールドスター、昨年末に本国で発表されたB65スクランブラーに続く第3弾になりそうだ。そのモチーフを探ると──。


●文:ヤングマシン編集部(ヨ)

BSAにニッチな2ストロークマシンがあったとは……

BSAモーターサイクルは7月16日(日本時間同日19時過ぎ)にSNSを更新し、『We’re going back to the future on 29.07.25』として一葉の画像を公開した。旧いBSAの車両を描いたイラストを重ね、破るようにしてめくられた様子のこの画像にあるのは空冷2ストロークエンジンのスリムな車両。「BSA 125」の文字も見える。

BSAについてあまり詳しくない編集部としては、とりあえずこれを画像検索にかけてみたところ、筆頭候補に挙がってきたのが「BSA Bantam(バンタム)」という車両だった。

このバンタムは1948年~1971年の間に生産された、BSAとしては珍しい2ストロークのバイク。一貫して空冷2ストローク単気筒エンジンを採用しており、初代は123ccの排気量にリジッド式のリヤサスペンションを組み合わせ、4psの最高出力から72km/hの最高速度を記録していたという。その後、世代を経るごとに148cc→173ccと排気量アップを果たしながら、スイングアーム式リヤサスペンションや4速ギヤボックスなどを獲得していった(初代は3速)。1969年以降に生産された最終モデルは12.6psで最高速度105km/hに到達していたようだ。

The BSA Bantam Bible|Amazon

こちらはAmazonにラインナップされていた “THE BSA BANTAM BIBLE” というペーパーバック。どうやらこんな姿だったらしい(筆者の不勉強です……)。

そんな往年のマシンをティーザーに使用するからには、往年のゴールドスターのようなビッグシングル・スーパースポーツ路線ではなく、馴染みやすい排気量のニューモデルを示唆していると見ていいのではないだろうか。

さすがに2ストロークの復活という可能性はかなり薄いだろうが、新生ゴールドスターが搭載するロータックス製という繋がりなら過去にアプリリアRS125が搭載した123ccの水冷2ストローク単気筒が……いや、さすがにそれはないか。

BSA Motorcycle がSNSで公開した画像の第2弾。上のバンタムと同じ青いマシンの姿が……!

そのほかに想像できる説と言えば、インドのマヒンドラ社がBSAブランドを買い取り、2016年に子会社としてクラシックレジェンズ社(Classic Legends Pvt. Ltd.)を設立したことに何らかの関係があるということ。このクラシックレジェンズ社がBSAブランドを運営しているわけだが、じつは同社には他にも所有しているモーターサイクルブランドがある。それが「JAWA(ヤワ)」および「YEZDI(イェズディ)」だ。

JAWAはチェコ生まれのモーターサイクルブランドで、古い読者なら中国製「幸福号」の元ネタになっていたことをご存じの方もいるかもしれない。1990年代ごろまでは日本でも一部で購入可能だった空冷2ストローク単気筒のリアルクラシックバイクだ。

もうひとつのYEZDIは、1960年代にチェコから渡来しライセンス生産されていたJAWAが1970年代に名を変えたもの。実質的にはJAWAそのものとして1996年まで生産されていたが活動を停止し、2022年に復活を遂げた。その数年前に復活していたJAWAとともに、現在は水冷334cc単気筒エンジンを共有したマシン(JAWAモデルの一部には294.72cc単気筒も)が数多くバリエーション展開されている。

いずれもインド国内ではロイヤルエンフィールドに水をあけられているものの、クラシックバイクを思わせる王道マシンや斬新なデザインのバリエーションモデルなどを精力的に生み出し、一部のJAWAモデルは欧州にもデリバリーしている模様だ。

この334cc(あるいは294.72cc)エンジンをBSAのニューモデルに搭載するのが本命として、何らか新規エンジンの誕生が対抗、そして大穴が2ストロークエンジンといったところだろうか。

BSAの輸入総代理店を務めるウイングフット(東京都足立区)も前述のSNSティーザーをシェアしていることから、このニューモデルに注目していることは間違いない。2025年7月29日には全貌が明らかになり、日本への導入があるのかないのかも見えてくるだろう。待て、続報!

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