
カワサキはタイで、ジャパンモビリティショー2023に参考出品していたレトロ軽二輪モデル「W230」および「メグロS1(MEGURO S1」を正式発表した。価格は14万9900バーツからで、日本での正式発表~発売もいよいよカウントダウンか。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
同じ250ccクラスのZ250と価格を比較すると……
カワサキの新型モデル「W230」と「メグロS1」がついに登場! といってもまだタイで正式発表された段階だが、当然ながらジャパンモビリティショー2023で参考出品した日本市場にも投入は確実だ。あとは時期の問題だけで、すでにカウントダウンに入っていると考えても不自然ではなかろう。
そんなW230&メグロS1だが、まずは価格に注目したい。現地価格はW230=14万9900バーツ(日本円換算約67万2000円・9/27現在)、メグロS1が16万7000バーツ(約75万3000円)と、単純換算ではお高く感じられるかもしれないが、これは円安などが要因。これをタイでも販売中の同じ250ccクラスの製品と比べると、日本での発売価格がある程度予想できるはずだ。
参考:タイ仕様のZ250は18万7700バーツ
というわけで、タイで販売されているZ250の価格を見てみると18万7700バーツ(約84万2000円)。これとW230&メグロS1の価格比を計算し、日本で販売中のZ250に掛け合わせてみると、日本仕様の仮想販売価格になる。
ズバリ、W230は54万5000円、メグロS1は61万円ということになる。じっさいは発売時期や物価上昇の影響もあるだろうから、1割程度の上振れを加味しておいてもいい気はするが、それでもW230はギリギリ50万円台に収まる59万9500円、メグロS1で67万円程度ということになる。これは期待しちゃっていいのでは?!
そんなW230&メグロS1だが、エンジンはKLX230の空冷233cc単気筒をベースにバランサーを追加することで振動を抑制したほか、圧縮比を下げるなどしてレトロモデルにふさわしいパワー特性としたもの。最高出力は17.55ps/7000rpmと、KLX230Sの日本仕様2022年モデルが19ps/7600rpmだったのに比べて、出力自体はローパワーになっているものの発生回転数も下がっている。最大トルクにしても、KLX230Sの1.9kg-m/6100rpmから1.86kg-m/5800rppmになっており、同様の傾向がみられる。 ※日本仕様では232ccだがタイ仕様は233ccと表記
つまり、より低回転で扱いやすく、実用的な速度域で力を発揮するタイプといえそうだ。もちろん燃料供給はFIで、始動性や安定性を確保。触媒を内蔵した専用デザインのマフラーと相まって、最新の環境性能も備えている、
一方で、車重はW230&メグロS1ともに143kgと、樹脂パーツを多用したKLX230Sの136kgに比べるとやや重いように見えるかもしれないが、2017年に最終モデルとなったエストレヤ(海外名は一部でW250を名乗った)が161kgだったのに比べると大幅に軽量だ。
これは新設計の軽量セミダブルクレードルフレームや軽量シンプルな外装類、そして何よりコンパクトなエンジンの恩恵だろう。
各部のディテールは、さすがWシリーズ&メグロシリーズと言えるもので、アナログの速度計&回転計のツインメーターと控えめに組み合わされたLCD表示や、LEDながら円形とした小ぶりなヘッドライトユニット、シンプルな形状のダブルシート、専用設計の容量12L燃料タンクなどがシリーズ最新作を形作っている。
メグロS1は基本的にW230のデザイン変更版だが、メッキを多用した外装やモール入りでW230のシート高745mmに対し745mmとしたシート、専用エンブレム、メーターデザインなどで見事に異なる印象を与えている。
このほか、ハンドルの左右切れ角は各40度、ホイールトラベルは前117mm/後95mmといったスペックも利便性を想像させてくれる。
日本仕様の発表は今秋と見られているが、価格やスペックがどうなるのか、続報に注目したい!
KAWASAKI W230 / MEGURO S1[2025 Thai model]
KAWASAKI W230[2025 Thai model]PEARL IVORY / EBONY
KAWASAKI W230[2025 Thai model]
KAWASAKI MEGURO S1[2025 Thai model]
KAWASAKI MEGURO S1[2025 Thai model]EBONY
車名 | W230 | MEGURO S1 |
全長×全幅×全高 | 2125×800×1090mm | ← |
軸距 | 1415mm | ← |
シート高 | 745mm | 740mm |
キャスター/トレール | 27°/99mm | ← |
装備重量 | 143kg | ← |
エンジン型式 | 空冷4ストローク単気筒 SOHC2バルブ | ← |
総排気量 | 233cc | ← |
内径×行程 | 67.0×66.0mm | ← |
圧縮比 | 9.0:1 | ← |
最高出力 | 17.55ps/7000rpm | ← |
最大トルク | 1.86kg-m/5800rpm | ← |
変速機 | 常時噛合式6段リターン | ← |
燃料タンク容量 | 12L | ← |
タイヤサイズ前 | 90/90-18 | ← |
タイヤサイズ後 | 110/90-17 | ← |
ブレーキ前 | φ237mmディスク+2ポットキャリパー | ← |
ブレーキ後 | φ186mmディスク+1ポットキャリパー | ← |
価格 | 14万9900バーツ | 16万7900バーツ |
色 | 白×黒 | 黒 |
【動画】Kawasaki W230 / Kawasaki Meguro S1
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI])
ラインナップ豊富な新生KLX230シリーズ カワサキは、KLX230シリーズをモデルチェンジするとともに、KLX230Sとしては3年ぶり(その他の無印やSMは2~5年ぶり)に復活させた。 KLX230[…]
シェルパの名を復活させたブランニューモデル カワサキは、KLX230シリーズのモデルチェンジ時点で、トレッキングモデル「KLX230シェルパ」をラインナップに加えた。シェルパの名を冠したバイクとしては[…]
「good TIMES COLLECTION」が手がけるオリジナルジャケットが対象 全国に展開するカワサキプラザでは、モーターサイクルライフの新たな提案として、ファッション性/耐久性/機能性/遊び心を[…]
待望のビモータ第2弾がいよいよ上陸、走行性能を極めたハイパーネイキッドを見よ! カワサキとビモータがコンビを組んだのは2019年。KB4を皮切りに現在では6車種をラインアップしているが、カワサキモータ[…]
2025新型「KLX230」「KLX230 S」について知るなら… KLX230シリーズの振り返りや、無印/Sについてまずおさらいしたいなら、こちらの記事をチェック。 カワサキがKLX230シリーズを[…]
最新の関連記事(新型ヘリテイジ/ネオクラシック)
“エフ”の姿で降臨した新世代フラッグシップCB 売れに売れているカワサキ「Z900RS」をホンダが黙って見ている時期はもう終わりだ。 2020年春に発表された「CB-F コンセプト」は、昨年現行ライン[…]
渋系のダークカラーにメタリックの輝きも 人気のフルサイズ125ccスポーツヘリテイジ「XSR125」にニューカラーが登場した。従来のライトブルーとレッド、ホワイトメタリックが廃止され、代わりにブラウン[…]
2機種/3+2グレードで構成されるインド仕様 ホンダモーターサイクル&スクーターインディア(HMSI)は、日本でGB350シリーズとして販売され人気の空冷単気筒バイク「H’ness CB350(ハイネ[…]
XSR900 GPの登場によりカジュアル寄りに回帰したXSR900 ヤマハは、クロスプレーンコンセプトの888cc並列3気筒を搭載するスポーツヘリテイジ「XSR900」をマイナーチェンジ。ライディング[…]
CB1300シリーズに「ファイナルエディション」が登場! 1992年に生まれたCB1000 SUPER FOURから始まり、Honda「PROJECT BIG-1」を現代にまで継承してきた「CB130[…]
人気記事ランキング(全体)
まず車間が変わることを理解しておこう! ツーリングでキャリアのある、上手なライダーの後ろをついてゆくのが上達への近道。ビギナーはひとりだと、カーブでどのくらい減速をすれば良いかなど判断ができない。そう[…]
ヤンマシ勝手に断言。これでレースに出るハズだ!! 「CB1000Fコンセプト モリワキエンジニアリング(以下モリワキCB)」は、見ての通り、ホンダCB1000Fコンセプトをレーサーに仕立てたカスタムモ[…]
ナンバー登録して公道を走れる2スト! 日本では20年以上前に絶滅してしまった公道用2ストローク車。それが令和の今でも新車で買える…と聞けば、ゾワゾワするマニアの方も多いのではないか。その名は「ランゲン[…]
モバイルタイプでも水の勢いは十分。洗車での活躍は間違いなし 今回発売されるケルヒャー「OC 5 Handy CB」は、もっと手軽に、どこでも洗浄したいというユーザーの持ち運びニーズに対応した、ガンタイ[…]
タイホンダ創立60周年を記念したスペシャルエディション 特別仕様車の製作に旺盛なカブハウスは、タイホンダの創立60周年を記念した「New Monkey Chrome Legacy Limited Ed[…]
最新の投稿記事(全体)
QBRICK(キューブリック):据え置き/持ち運びどちらもOK。多彩なボックスを連結して自分仕様の収納ができる 共通のジョイント機構により、多様な形状や容量のボックスを自由に連結、分割できるQBRIC[…]
新5色ラインナップとなった2022年モデル 2022年モデルが発売されたのは、2022年6月23日のこと。2021年のフルモデルチェンジの際には、新設計の水冷エンジンが4バルブの「eSP+(イーエスピ[…]
15番手からスタートして8位でフィニッシュした小椋藍 モナコでロリス(カピロッシ)と食事をしていたら、小椋藍くんの話題になりました。「彼は本当にすごいライダーだね!」と、ロリスは大絶賛。「ダイジロウ・[…]
筑波サーキット向けにカスタム中 「X350ウィズハーレー編集部号」は、2024年12月現在、サーキット、とくに筑波サーキットでタイムを削るためのカスタムを進めている。過去、全日本選手権に出場し、筑波サ[…]
2.5次元アイドルがアンバサダー!? モーターサイクルショー開催概要 東京モーターサイクルショーの共通するメインテーマは、「いいね、バイク」。大阪のサブテーマには「バイク&ピース」、東京には「バイクっ[…]
- 1
- 2