バイクを乗り換える際は、“下取り”もしくは“買い取り”のどちらかの方法を取るのが一般的です。どちらも同じくバイクを売却する方法ですが、それぞれにメリット/デメリットがあり、どちらを選ぶべきかはバイクの状態などによって異なります。
●文:ヤングマシン編集部(ピーコックブルー)
“下取り”と“買い取り”の違いは? どちらを選ぶのがトクなのか?
下取り/買い取りの違いを簡単に言い表すと以下のようになります。
- 下取り:新たに商品を購入することを前提として、それまで使っていた商品を購入店で引き取ってもらい、新たに購入する商品価格から値引きなどの形で対価を受け取ること
- 買い取り:商品売却を前提として、買い取り業者が定めた価値を現金として受け取ること。
つまり、バイクの価値を“値引き”として還元するのが下取りで、“現金”として還元するのが買い取りということです。
また、下取りは同じ店でバイクを購入することが前提となります。それに対して買い取りは、売却店舗と新たなバイクを購入する店舗が同一である必要はありません。
それ以上に大きな違いが売却価格。一般的には高値で買い取ってくれる買い取りを選ぶほうがお得に思えますが、下取りにもメリットはあります。
では、それぞれどのようなメリット/デメリットがあるのでしょうか?
◆下取りのメリット
- 乗り換え時の手間が省ける:新しいバイクの購入と古いバイクの処分が同時にできるため、店舗への訪問回数を減らせる
- バイクに乗れない期間ができない:新しいバイクの納車日まで乗り続けられるため、乗り換えがスムーズに行える
◆下取りのデメリット
- 下取り価格が安い:下取り価格は、市場価格を参考にした一般的な買い取り価格よりも安くなる場合がほとんど
- クーリングオフができない:契約後でも一定期間内であれば無条件で契約解除ができるクーリングオフは、下取りに適用されないため、手続き後はキャンセルできない場合がある
- 下取り価格が減額されるリスクがある:下取り契約から納車日までの間はバイクを使用できるが、その間に事故や故障があると下取り価格が減額される可能性がある
- バイクの状態によっては下取りができない:不動車/事故車/改造車など、著しく状態が悪いバイクは下取りを断られる場合がある
なお、下記に該当する人は下取りを選択するとよいでしょう。
- 新しいバイクを購入することが決定している
- 乗り換え手続きに手間や時間をかけたくない/かけられない
- 通勤/通学などで毎日バイクを利用し、かつバイク2台を置くスペースを確保できない
一方で買い取りのメリット/デメリットとしては、以下の内容が挙げられます。
◆買い取りのメリット
- 買い取り価格が高い:買い取り業者は買い取ったバイクを売りさばく仕組みが整っているため、下取りに比べて高値での買い取りが期待できる
- どのようなバイクでも買い取りしてくれる:下取りで断られるような状態が悪いバイクや動かないバイクであっても、不動車/事故車専門買い取り業者なら値段を付けて買い取ってくれる
◆買い取りのデメリット
- 乗り換え手続きが煩雑になる:古いバイクの売却手続きと、新しいバイクの購入手続きを別々の店で進める場合は、それだけ乗り換えに手間がかかる
- 買い取り業者選びが難しい:業者によって買い取り価格が大きく異なるため、買い取り業者選び/妥協点の判断が難しくなる
- 売却交渉に手間がかかる:複数の業者に査定を依頼するほど高値で売却しやすくなるが、査定業者を増やすほど交渉に時間/手間がかかる
また、買い取りを選択したほうがいい人として、以下の内容に該当する場合が挙げられます。
- バイクの購入を急いでいない
- できるだけ高値でバイクを売りたい
- 一時的に2台以上のバイクを保有できる
売却予定となるバイクの相場を知っておくと、下取り/買い取りの判断がしやすい
上述のメリット/デメリットをふまえたうえで、以下の3点に注目して下取り/買い取りを決めるとよいでしょう。
- 乗り換えスケジュール
- 買い取り価格
- バイクの状態
乗り換え手続きに手間や時間をかけたくない/かけられない場合は、よほど安く買い叩かれないかぎりは下取りの一択。現在乗っているバイクをより高く売りたいのであれば、迷わず買い取りを選択しましょう。
ただ見極めが難しいのは、バイクの状態について。高値で売れる価値あるバイク/値段が付かないようなボロボロのバイクは買い取りを選んだほうがよいでしょう。
一方で買い取り相場が安いバイクは、わずかな金額で売却するぐらいなら下取りに出して乗り換えの手間を省いたほうがお得とも言えます。大型バイク店などが実施する期間限定の下取りキャンペーンなどを活用すれば、多少の下取り価格アップも狙えます。
いずれの場合でも、乗っているバイクの市場相場を知っておくことが、下取り/買い取りを決めるよい判断材料になります。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(バイク雑学)
ライダーを魅了してやまない「ハイパーVTEC」 CB400SF(スーパーフォア)に採用されていることでも有名な、バルブ制御システム「ハイパーVTEC(HYPER VTEC)」。この口コミを検索してみる[…]
夏場はサイドスタンドがアスファルトにめり込む危険性あり!いったいどういうこと? 駐車場などに使われている一般的なアスファルトについて、その軟化点は47.0〜55.0℃と言われていますが、夏場の強烈な直[…]
「コスプレとバイク」本編 今回のバイク:Vストローム250とNIKEN Vストローム250はスズキの250㏄クラスのアドベンチャースタイルのバイクです。ガソリンが17L入るタンクやフロントのスクリーン[…]
バイクのハンドルに荷物をかける行為は交通違反? じつは、ハンドルにレジ袋/カバンなどを引っかけて運転する行為は、明らかな交通違反です。 道路交通法第55条第2項には、「運転視野やハンドル操作などを妨げ[…]
キャストでもスポークでもない独自構造のホイール 国産の2輪車にキャストホイール車が登場し始めたのは、1970年代後半のこと。当初は一部の高級モデルにのみ採用されたこともあり、ワイヤースポークとは違う新[…]
人気記事ランキング(全体)
電熱インナートップス ジャージタイプで使いやすいインナージャケット EK-106:1万5000円台~ ポリエステルのジャージ生地を採用した、ふだん使いをしても違和感のないインナージャケット。38度/4[…]
欧州で登場していたメタリックディアブロブラック×キャンディライムグリーンが国内にも! カワサキモータースジャパンが2025年モデルの「Z900RS」を追加発表した。すでに2024年9月1日に2025年[…]
モデルチェンジしたKLX230Sに加え、シェルパの名を復活させたブランニューモデルが登場 カワサキは、KLX230シリーズをモデルチェンジするとともに、KLX230Sとしては3年ぶり(その他の無印やS[…]
誕生から10年、さまざまなカテゴリーで活躍するCP2 MT-09から遅れること4か月。2014年8月20日に発売されたMT-07の衝撃は、10年が経過した今も忘れられない。新開発の688cc水冷パラツ[…]
クリップリフター:クリップ対応の溝幅設定が細かく、傷をつけにくいクロームメッキ仕様 自動車のドアの内張やモール類のクリップをピンポイントで狙って取り外すための5本組リフター。クロームメッキ仕上げの本体[…]
最新の投稿記事(全体)
ZX-25Rターボの250km/hチャレンジに続くZX-4Rターボ トリックスターが製作したZX-4Rターボは、2024年4月の名古屋モーターサイクルショーで初披露された。すでにZX-25Rのターボ化[…]
誕生から10年、さまざまなカテゴリーで活躍するCP2 MT-09から遅れること4か月。2014年8月20日に発売されたMT-07の衝撃は、10年が経過した今も忘れられない。新開発の688cc水冷パラツ[…]
クリップリフター:クリップ対応の溝幅設定が細かく、傷をつけにくいクロームメッキ仕様 自動車のドアの内張やモール類のクリップをピンポイントで狙って取り外すための5本組リフター。クロームメッキ仕上げの本体[…]
何がいま求められているのか、販売の現場で徹底リサーチ! 「ステップをミニフットボードに交換するのに伴って、シフトチェンジペダルをカカトでも踏み下ろせるようにシーソー式にしたいという要望を耳にしますね」[…]
モデルチェンジしたKLX230Sに加え、シェルパの名を復活させたブランニューモデルが登場 カワサキは、KLX230シリーズをモデルチェンジするとともに、KLX230Sとしては3年ぶり(その他の無印やS[…]