
WEBヤングマシンは紛うことなきバイク系メディアだが、昨日公開したN-BOXの記事がまあまあ読んでいただけたらしいので調子に乗って第2弾をお送りする。編集部員で2022年型N-BOXカスタムのオーナーでもあるネイティブ足立区民が、公開された特設サイトにあった装備表をチェックし、わかったことをお伝えしよう。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●写真:月刊自家用車/ホンダ ●外部リンク:ホンダ新型N-BOX特設サイト
詳細未発表ながら特設サイトに装備表を掲載
ホンダは8月3日に新型N-BOXを先行公開。2023年秋の正式発売が示唆されているが、価格やスペックは明らかになっていない。とはいうものの、新型N-BOX特設サイトがオープンし、そこにはグレード編成がわかる装備表が掲載されていた。これはチェックするしかないでしょう!
というわけで、現行N-BOX(2022年型)を所有するヤングマシン編集部員(ヨ)が、オーナー目線から気付いた細かな変更を解読していく。いやまあバイクメディアではあるんだが、たまにはこういう波に乗っかってみたいんよ。
というわけで、さっそく「ここがイイ!」を紹介していこう。
◎その1)パワースライドドアに予約ロックが付いた!
N-BOXは全グレードに左側パワースライドドアを装備していて、右側もN-BOXカスタムは全グレードに標準装備、無印N-BOXもスロープ仕様を除いてメーカーオプションとして装着可能。オプション装着する場合は「運転席&助手席シートヒーター」、「左右独立式リアセンターアームレスト」、「コンビニフック付シートバックテーブル(運転席&助手席)」、「オートリトラミラー」がセットになるそうだ。
このパワースライドドア、現行モデルは閉まり切るまでドアロックを掛けられず、降車時オートドアロック機能をONにしていても、パワースライドドアが閉まるまでは車両から離れられない or 警告音が鳴るのを覚悟で離れて後からリモコンでロックするといった対処が必要だった。詳細は解説されていないが、おそらく予約ロックはパワースライドドアが閉まり切る前にリモコンもしくは車内のスイッチ等でロック設定をしておけば、ドアが閉まった直後にロックされるものと思われる。
他メーカーのスーパーハイト軽にはすでに装備している機種もあったようだが、これは地味に嬉しい機能である。
◎その2)ピタ駐ミラーの改善
前の記事でもお伝えしたが、ピタ駐ミラーが前方のみを確認できる仕様になり、その代わりに左側ドアミラー下部にリヤの足元を見ることができる小さなミラーが増設された。これでリヤタイヤの接地点まわりが確認できるようになるはずで、ガチで寄せたいときなどに重宝しそうだ。あとは筆者のように座高が高いユーザーでも確認しやすいように、少し広めの視野角があれば万全である。
◎その3)マルチビューカメラシステム
前後左右のカメラから得た情報を解析し、上空から見下ろしたように路面と自車を合成する。
上空から見下ろしたかのような映像を合成で作れるマルチビューカメラシステムが、N-BOXカスタムのベースグレード(NAおよびターボ)のみではあるがメーカーオプションとして搭載可能になっている。
現行モデルの場合はリヤワイドカメラを標準装備しているので、運転に慣れている方であれば不足を感じないだろうが、初心者やペーパードライバーにはありがたい装備といえそう。
無印N-BOXに装備できないのはなぜなんだ……。
◎その4)ホンダセンシングのアップデート
従来もホンダセンシングは装備しており、2021年末のマイナーチェンジで時速0kmまで対応するようになった渋滞追従機能付きアダプティブクルーズコントロール(ACC)など、現代のクルマとして不足ない充実ぶりではあったが、新型N-BOXでは新たに「急アクセル抑制機能」と「近距離衝突軽減ブレーキ」を採用している。
急アクセル抑制機能は、システムがアクセルペダル開度と踏み込み速度から急アクセルと判断したときに加速を抑制し、音とマルチインフォメーションディスプレイの表示で、間違って踏み込んでいないか警告するというもの。工場出荷時は機能オフ設定になっているので、不要な方はオフのままにもできる。
近距離衝突軽減ブレーキは、壁などの障害物の見落としによる衝突を回避または被害軽減してくれるというもの。誤発進抑制機能と区別されていることから、低速走行中に働くものと推察できる。
ちなみに現行モデルのホンダセンシングでは、ACCの制御などにさらなる改善の余地があったと思うので、割り込みに対するスムーズな対応やレーンキープアシストの粘り強さなどが向上していると嬉しいところ。これは実際に乗ってみないとわからないので、いずれその時がきたら月刊自家用車の記事などでご確認を。
◎その5)メーターが7インチTFT液晶のマルチインフォメーションディスプレイに
ぶっちゃけてしまえば現行モデルのアナログ2メーター+小窓のTFTディスプレイという組み合わせでも全く問題なく運用しているが、やっぱり新しいものにアップデートされるなら嬉しいっしょ。現行モデルから買い替えるほどの理由にはならないけれど、N-BOXを検討中の方で現行の中古車を買うか新型の新車を買うかと迷ったときに決め手になる可能性はある。
ちなみにメーターはこれまでのステアリングホイールの上から見える位置ではなく、一般的なホイールの円の内側になった。筆者のように座高が高いと気にならないが、小柄な方はこれによって運転視界が開けたように感じるはず。ホンダによれば「ノイズレスな視界」とのこと。
「Honda SENSING作動表示も大きく見やすく表示します」とのこと。
◎その6)Honda CONNECTを採用
新世代コネクテッド技術にNシリーズとして初めて対応、というかホンダの軽自動車で初めて対応したとのこと。スマートフォンからクルマのエアコンを操作したり、クルマの位置を確認することも可能、さらに社内Wi-Fiも利用できるという。……まあ上記は「必要?」と聞かれたら「価値観による」としか答えられないし、筆者は別に要らない派でもあるんだが、スマートフォンをスマートキーの代わりに使える「Honda デジタルキー」や緊急サポートの「エアバッグ展開時自動通報」、「緊急通報ボタン」、「トラブルサポートボタン」などはマジで役に立つと思う。
◎その7)フルLEDヘッドライトがデイタイムランニングランプ(DRL)付きに!
ヘッドライトの形状はモデルチェンジによって変わっているが、注目はDRLを装備したことだろう。現行モデルはDRLを装備しておらず、N-ONEなどを羨ましく思う日々であった。いやあ、買い替えるほどじゃないけど今から買うなら新型だよな……。
ちなみにDRLとは、昼間に明るめに点灯するポジションライト的なやつで、これでけっこうクルマの表情に個性を出せる。バイクだとCRF1100Lアフリカツインなどが装備している。
無印N-BOXはまん丸のDRLがポジションライトやウインカーとしても作動する。カスタムは横一文字に点灯するが、横一文字が全てDRLとして点灯するのか、一部はポジションライト扱いなのかは今のところ不明。
◎その8)ほとんどの豪華装備が引き継がれている
コンセプトが変わらずデザインも前作から違和感のないモデルチェンジになっているのと同様、便利な装備はだいたい継承しているようだ。運転席/助手席シートヒーターはN-BOXカスタムに標準装備で、スロープ仕様を除く無印N-BOXにはメーカーオプション装着が可能。充電用USBジャックはタイプC(3A)に変更されている。
全タイプ標準装備のものとしては、2021年末のマイナーチェンジで追加されたオートブレーキホールド機能&電子制御パーキングブレーキのほか、スライドドアに付いたイージークローザー/ロールサンシェード、360° UV/IRカットガラスなどを継承している。
△その1)無印N-BOXに対する愛がない
新型の装備表を見ると、無印N-BOXにはターボの設定がなく、マルチビューカメラシステムはオプション装着すら不可能。このデザインが好きと思って買ってくれる人をちょっと突き放しているんじゃねーのかと思ってしまうのだ。その装備が欲しければ他にもいろいろ付いたカスタムを買ってね(テヘペロ)というのはホンダっぽくないというか2輪だったらやらないでしょうね。
ターボの有無はともかく、運転支援に関わるもので選択肢を残してないのはちょっと……。
△その2)N-BOXカスタムが8スピーカーから6スピーカーに
これは実際に聴いてみないとわからないので残念といっていいのか微妙なところだが、スペックだけでいえばスピーカー数が減っているので念のためお伝えしておきたい。でも、そんなことよりも「さらに向上した静粛性」としてルーフやフロアの部材変更を謳っているので、そちらのほうが車内環境の向上に利いている可能性は高く、トータルで見ればアップグレードと捉えていいような気がする。騒音が抑制されれば、相対的にオーディオの聞こえはよくなるはず。
まとめ
以上、トータルで見れば細かいグレードアップが重なっていて、現行モデルオーナーとしては嫉妬を禁じ得ない。まあローンが終わってないので買い替えられませんけどね。
確実に戦闘力を向上したN-BOXは、今後も販売台数No.1を続けていくものと思われます。あとはもう少しだけ無印派に愛を。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
あなたにおすすめの関連記事
安心のキープコンセプト、これなら売れるっしょ よくぞ余計なことをしなかった! ……というと偉そうで恐縮ではあるのだが、ホンダのクルマを何台か購入したことがあり、2022年型N-BOXカスタム(スタイル[…]
航続距離は目標200km ホンダはエヌバンをベースとした新型軽商用車EVを2024年春に発売する! 2050年にホンダがかかわるすべての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルの実現を目指すホンダは[…]
ホンダのバイクのほとんどが積める 従来のアクティ・バンに代わり7月13日新たに発売される軽自動車のN-VANは、N-BOXのプラットフォームを最大限活用しながら軽バンに求められる広い積載スペースの確保[…]
まずはビッグバイクの代名詞と言えるCB1300SF 全長2200mm、ホイールベース1520mm、車重260kg超を誇る日本のビッグネイキッド「CB1300スーパーフォア」でチャレンジ。あれ、ちょっと[…]
【〇】ホンダセンシングが安全運転をサポート 2018年7月の発売以来、販売計画を5倍近く(2018年11月現在)上回る勢いで売れているホンダのN-VAN。先月号でCBR1000RRやCB1300SFな[…]
最新の関連記事(自動車/クルマ)
目論見が大成功、ギネス級の生産台数を誇る初代 フォルクスワーゲンの初代ビートルはご承知の通り、ドイツの「国民車」として第二次大戦中にフェルディナンド・ポルシェ博士が設計したクルマ。 戦後は国内のみなら[…]
【フェラーリ F40】?! スペチアーレといいながら、400台限定が最終的には1352台(諸説あります)もロールアウトしたF40。ですが、最強で最速の棺桶とあだ名されたほど事故が多いクルマで、現存台数[…]
注目RCブランドが名車を忠実に再現 「WPL JAPAN」は、森林や岩場などの悪路を走破できるスケールクローラーRCを展開するRCカーブランド。 通常は高額なスケールクローラーを、すぐに遊べるRTRセ[…]
伝説の始まり:わずか数か月で大破した959 1987年11月6日、シャーシナンバー900142、ツェルマットシルバーの959はコンフォート仕様、すなわちエアコン、パワーウィンドウ、そしてブラックとグレ[…]
ドライブのテンションを爆上げ! SNSで話題沸騰のミニシンバル 車での移動時、退屈な信号待ちや渋滞でさえも、一瞬にして車内が刺激的なステージに変貌するギアが存在する。それがHiizle 車用ミニシンバ[…]
最新の関連記事(ホンダ [HONDA])
フレディ・スペンサー、CB1000Fを語る ──CB1000Fのインプレッションを聞かせてください。 とにかくすごく良くて、気持ちよかったよ。僕は何年もの間、新しいバイクのテストをしてきた。HRCのテ[…]
後発のライバルとは異なる独創的なメカニズム 近年では、日本製並列4気筒車の基盤を作ったと言われているCB750フォア。もっとも細部を観察すると、この車両のエンジンには、以後の日本製並列4気筒とは一線を[…]
世界初公開のプロトタイプ&コンセプトモデルも登場予定! ホンダが公式素材として配布した写真はモーターサイクルショー展示車および鈴鹿8耐時点のもの、つまりミラー未装着の車両だが、JMS展示車はミラー付き[…]
BIG-1が培った価値はホンダのヘリテイジになる ’91年の東京モーターショーに忽然と姿を現したCB1000スーパーフォア。現在のようにネットやSNSもない時代で、事前情報などは一切なく、まさに突然の[…]
前代未聞の動力性能でビッグバイク市場を制覇 「こんなデカいオートバイに、誰が乗るんだ?」ホンダの創業者である本田宗一郎は、開発中のCB750フォアを初めて見たとき、そう語ったと言われている。実際、当時[…]
人気記事ランキング(全体)
世界初公開のプロトタイプ&コンセプトモデルも登場予定! ホンダが公式素材として配布した写真はモーターサイクルショー展示車および鈴鹿8耐時点のもの、つまりミラー未装着の車両だが、JMS展示車はミラー付き[…]
YZF-R1/R6のレースベース車が受注開始! ヤマハがロードレースやサーキット走行専用モデル「YZF-R1 レースベース車」と「YZF-R6 レースベース車」の発売を発表。いずれも期間限定の受注生産[…]
夏のツーリングで役立つ日除け&雨除け機能 KDR-V2は、直射日光によるスマホの温度上昇や画面の明るさ最大時の発熱を軽減するために日陰を作る設計です。雨粒の付着で操作がしにくくなる場面でも、バイザーが[…]
通勤エクスプレスには低価格も重要項目! 日常ユースに最適で、通勤/通学やちょっとした買い物、なんならツーリングも使えるのが原付二種(51~125cc)スクーター。AT小型限定普通二輪免許で運転できる気[…]
ウィズハーレー掲載記事のウラ側がわかる 俳優/タレント/サックスプレイヤーとしても活躍する武田真治さんが、故郷・北海道を同級生たちと結成するハーレーチーム「BLACK NOTE」とともに駆け抜けた!ハ[…]
最新の投稿記事(全体)
ゼファーとは真逆のコンセプトで独り勝ちを掴む! 1989年のカワサキZEPHYR(ゼファー)をきっかけに、カウルのないフォルムをネイキッドと呼ぶカテゴリーが瞬く間に人気となった。 続いて1991年に、[…]
フレディ・スペンサー、CB1000Fを語る ──CB1000Fのインプレッションを聞かせてください。 とにかくすごく良くて、気持ちよかったよ。僕は何年もの間、新しいバイクのテストをしてきた。HRCのテ[…]
まさかのコラボ! クロミちゃんがホンダバイクと出会う ホンダがサンリオの人気キャラクター「クロミ」と、まさかのコラボレーションを発表した。クロミがバイクに乗りたくなるというストーリーのオリジナルアニメ[…]
後発のライバルとは異なる独創的なメカニズム 近年では、日本製並列4気筒車の基盤を作ったと言われているCB750フォア。もっとも細部を観察すると、この車両のエンジンには、以後の日本製並列4気筒とは一線を[…]
マストバイな防犯/セキュリティアイテム コミネ KK-903 バイク用ドライブレコーダー:36% OFF 本機はSONY製イメージセンサーを採用し、独自プログラムにより走行中の振動を低減させ、夜間でも[…]
- 1
- 2