
パイロットのフライトジャケットと同様、マーヴェリック号には部隊章などのステッカーが貼られ、歴戦の勇士を想像させる。どれもちゃんと意味があるのだ。さらに、人為的に施されたエイジングにも注目したぞ。退色したり、一部が削れているように見えるが、実は塗装で再現。さすがハリウッド、スゴい技術!
●文:ヤングマシン編集部(沼尾宏明) ●写真:箱崎太輔 ●外部リンク:カワサキモータースジャパン
マーヴェリック号、最大の特徴! 外装ステッカーには どんな意味が?
※映画用のステッカーのため、実在の部隊章とは異なる場合があります。
まずは燃料タンク右側から!
FUEL TANK RIGHT
【エンタープライズに配属された部隊】
赤いツチブタは、「アードバークス」の異名を誇る米海軍「第114戦闘飛行隊(VF-114)」のパッチ。’80年代には第1作に登場したエンタープライズに配属され、ベトナム戦争に参加した。
【夜間の戦闘が得意なブラックライオンズ】
星座の獅子座と黒いライオンは「ブラックライオンズ」と呼ばれた「第213戦闘飛行隊(VF-213)」のエンブレム。夜間行動に優れ、空母キティホークやエンタープライズに乗艦した。
【牛のクソは禁止! インチキじゃないぜ】
Bull Shit(牛のウンチ)は、スラングで「ウソだ! ありえない!」的な意味。第1作ラスト付近で同じセリフがある。これを禁じているため「インチキじゃないぜ」的な意か。
【ノロマじゃダメ!】
シルエットの七面鳥=TURKEYはスラングで「ノロマ」の意。これを禁じた「No TURKEY」は「テキパキやろうぜ」的な気合いを表す。カウル分割部に貼られ、剥がれそう!
【これぞトップガンの証!】
米軍航空戦パイロットのエリート養成学校「アメリカ海軍戦闘機兵器学校」、つまり「トップガン」のパッチがコチラ。敵機ミグをロックオンしたイラストをあしらい、目立つ位置に貼られている。
次は燃料タンクの左側!
FUEL TANK LEFT
【自分に言い聞かせている?】
タンク両面のステッカーはほぼ同じだが、左サイドは「NO Bull Shit」に代わり、「NO WIMPS」のステッカーが。「ビビるな、弱虫になるな」とハッパをかけている!?
【剥がれも再現!】
サイドカバーに貼付されたトップガンの証には剥がれかけた雰囲気も。このステッカーがたくさん貼ってあるってことは余程優秀だったってこと!
燃料タンクの上側!
FUEL TANK UPPER
【前作に撮影協力、実在した部隊だ】
青いワシは「第51戦闘飛行隊(VF-51)」の部隊章。「SCREAMING EAGLE」と呼ばれ、第2次大戦中に設立された由緒ある部隊だ。こちらもミラマー基地が拠点で、第1作の撮影に協力したことで有名。
【「火の鳥」は前作の所属部隊】
第1作で主人公が所属していたのは戦闘飛行隊「VF-1」。後に戦闘攻撃隊の「VFA-1」になったようだ。デザインは「第110空挺早期警戒飛行隊(VAW-110) 」の部隊章がモデルで、映画の舞台と同じミラマー海軍基地が拠点だった。
テールカウルにも!
TAIL COWL
【速度無制限だぜ!】
メーターで強調されていたように、アメリカのハイウェイは当時、上限55マイル(約89km/h)だった。’74年からオイルショックの影響で規制されたもので、’87年に解除。第1作はまだ制限中で、このステッカーは「速度制限ナシ」を意味する。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
あなたにおすすめの関連記事
“Ninja”の伝説はここから始まった 滑走路で戦闘機と加速競争する姿、美人教官とのタンデム、苦悩を抱えて丘の上に佇む夕暮れ──。数々の印象的なシーンに初代ニンジャ=GPZ900Rがいた。 '86年に[…]
トップガン観たよね? 心の準備よろしく! 当WEBが11月13日付けで公開した記事『まさかのGPz900R復活!? EICMAで展示のトップガン仕様に「離陸に備えよ」の超意味深メッセージ!!』は予想以[…]
MA-1やレイバン・サングラス、そしてカワサキの“ニンジャ”ことGPZ900Rのブームを巻き起こした前作 アメリカ海軍パイロットのエリート養成学校、通称“トップガン”に所属するエースパイロット候補生の[…]
“一番速いバイク”が亜音速の 住人に挑む! 「バイクと飛行機って、競争したら どっちが速いんだ?」 そもそもの発端は、ヨタ話の中か ら飛び出た、軽い一言だった。 いやもちろん、我々だってそれなりのオト[…]
1984年に登場し、今も熱狂的なファンを持つ'80年代随一の人気機種・カワサキGPZ900R。この"初代ニンジャ”の復活機運が高まりつつある? 2024〜2025年の2年間で30機種以上のエンジン車を[…]
最新の関連記事(GPZ900R)
一大ブームが巻き起こった1986年 滑走路で戦闘機と加速競争する姿、美人教官とのタンデム、苦悩を抱えて丘の上に佇む夕暮れ──。数々の印象的なシーンに初代ニンジャ=GPZ900Rがいた。 1986年に公[…]
36年の“時間”を感じる仕上がり カウルが紫外線で退色し、くすんだトーンだが、じつは緑青を用いたペイント。擦れて色が剥げ落ちた箇所も塗装だ。車体右側のエンジンケースカバーやサイドカバー、マフラーには転[…]
“Ninja”の伝説はここから始まった 滑走路で戦闘機と加速競争する姿、美人教官とのタンデム、苦悩を抱えて丘の上に佇む夕暮れ──。数々の印象的なシーンに初代ニンジャ=GPZ900Rがいた。 1986年[…]
マーヴェリックの愛機「カワサキGPZ900R」劇中車を振り返る 滑走路で戦闘機と加速競争する姿、美人教官とのタンデム、苦悩を抱えて丘の上に佇む夕暮れ──。数々の印象的なシーンに初代ニンジャ=GPZ90[…]
第1作から36年の“時間”も再現! カウルが紫外線で退色し、くすんだトーンだが、じつは緑青を用いたペイント。擦れて色が剥げ落ちた箇所も塗装だ。車体右側のエンジンケースカバーやサイドカバー、マフラーには[…]
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI])
カワサキの新世代モビリティが大阪万博で公開 2025年日本国際博覧会、通称「大阪万博」のカワサキブースで、未来のオフロードビークル「CORLEO(コルレオ)」が注目を集めている。バイクのように乗車する[…]
通勤からツーリング、サーキット走行まで使えるカウル付き軽二輪スポーツ 日本の道に最適といえるサイズ感や、通勤/通学からツーリングまで使える万能さが軽二輪(126~250cc)の長所。スクーターやレジャ[…]
「ガンマ」が火をつけたレプリカ戦線にカワサキも参入 スズキRG250Γ(ガンマ)の登場で活気づいたレプリカ戦線に、勇んでカワサキも参入する。 1984年に投入されたKR250は、異彩を放つタンデムツイ[…]
8耐の熱い走りを思わせるライムグリーンと赤の差し色 2020年モデルの発売は、2019年9月1日。250ccと基本設計を共通化した2018年モデルにおけるフルモデルチェンジ時のスペックを引き継ぐ形で登[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc 400ccクラスは、普通二輪免許を取ってから間もないビギナーも選ぶことができる排気量帯で、16歳から乗ることができる。 そんな400cc[…]
人気記事ランキング(全体)
実は大型二輪の408cc! 初代はコンチハンのみで37馬力 ご存じ初代モデルは全車408ccのために発売翌年に導入された中型免許では乗車不可。そのため’90年代前半頃まで中古市場で398cc版の方が人[…]
エアインパクトレンチ:手のひらに収まるサイズで500Nmを発揮。狭い場所で活躍する力自慢 ガレージにエアコンプレッサーを導入したら、まず揃えておきたいのがエアブローガンとエアゲージ、そしてインパクトレ[…]
カワサキの新世代モビリティが大阪万博で公開 2025年日本国際博覧会、通称「大阪万博」のカワサキブースで、未来のオフロードビークル「CORLEO(コルレオ)」が注目を集めている。バイクのように乗車する[…]
2ストエンジンの新時代を切り開いた名車 1980年代中頃、スズキのガンマ、ホンダのNSと、高性能レプリカが矢継ぎ早に出揃い、大ヒットを記録していた。 この潮流をみたヤマハはRZ250Rにカウルを装着し[…]
筑波サーキットにH-D Xたちが集合 H-D Xでのサーキット走行をおすすめしたい。X350はあきらかにXR750をモチーフとしたデザイン。「スポーツライディングを楽しんでほしい」というメーカーからの[…]
最新の投稿記事(全体)
公道モデルにも持ち込まれた「ホンダとヤマハの争い」 1980年代中頃、ホンダNS250Rはヒットしたが、ヤマハTZRの人気は爆発的で、SPレースがTZRのワンメイク状態になるほどだった。 しかしホンダ[…]
全日本、そしてMotoGPライダーとの違いとは 前回は鈴鹿8耐のお話をしましたが、先日、鈴鹿サーキットで行われた鈴鹿サンデーロードレース第1戦に顔を出してきました。このレースは、鈴鹿8耐の参戦権を懸け[…]
シュアラスターの「バイク洗車図鑑」 バイクが違えば洗い方も変わる! 車種別の洗車情報をお届けするシュアラスターの「バイク洗車図鑑」、今回は大ヒット街道まっしぐら、女性人気も高いホンダ「レブル250(S[…]
どの製品を選択するべきかで大いに悩む 少し前に当サイトでお伝えした通り、最近の僕はツーリングで重宝する積載系アイテムとして、タナックスがMOTOFIZZブランドとして販売する、ミニフィールドシートバッ[…]
長島哲太×ダンロップ×CBR1000RR-R、2年目の戦いへ 2025年の全日本ロードレースの第1戦が4月20日にモビリティリゾートもてぎで幕を開けた。 ダンロップタイヤを3年計画でチャンピオンの座に[…]