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ホンダとカワサキは、インドネシアで相次いで250ccスーパースポーツの新型を発表した。ホンダは「CBR250RR」をマイナーチェンジしてパワーアップ、カワサキは足まわりをビッグバイク並みにグレードアップした「ニンジャZX-25RR」でライバルを突き放しにかかる。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
エンジン&足まわり強化のCBR250RR、エンジンアップデートとハイグレード追加のZX-25Rシリーズ
2022年9月19日、ホンダはインドネシアで新型CBR250RRを発表した。明らかになったスペックによれば、現地仕様では従来比+1psの42psを実現した並列2気筒エンジン、SFF-BP倒立フロントフォークの新採用などによって走りを強化。カウル形状も新しくなり、レイヤード構造のサイドカウルにはクラス初のウイングレットも新設された。
これに続き、モビリティリゾートもてぎで開催された日本GPの会場では、近いうちに投入予定と思われる日本仕様を先行公開。なんとインドネシア仕様にはなかったホンダセレクタブルトルクコントロール(トラコンに相当)を採用していることが判明した。クラス唯一の4気筒モデルであるニンジャZX-25Rに対し、2023年も実質的な速さ(=ラップタイム)で対抗する構えだ。
一方のカワサキは、同じくインドネシアで2022年10月1日に新型ニンジャZX-25Rを発表。より厳しい排出ガス規制に適合すべくエンジンをリファインし、さらに前後にハイグレードなSHOWA製サスペンションを装備する“RR”モデルの「ニンジャZX-25RR」を追加したことが大きなトピックとなった。
このほかZX-25Rはメーターにクラス初のフルカラーTFT液晶パネルを採用し、スマートフォンと接続してRideology(ライディオロジー)アプリを使用することもできる。
エンジンは2気筒vs4気筒のガチンコ勝負
インドネシア仕様では42psになった新型CBR250RRに対し、ZX-25Rは出力未発表。ただし、従来型のZX-25Rは50ps(日本仕様は45ps)を発揮していたことから、新型となっても同等以上の出力を期待できそうだ。
ともにキャラクターは従来通りの延長線上にあると思われ、軽量でトルクのある2気筒エンジンでコーナリング勝負できるCBR250RRと、ピークパワーにモノを言わせるZX-25Rという図式は変わらないだろう。実質的な速さ=ラップタイムを追求するCBR250RRと、広いコースでパワーを炸裂させるZX-25R。前者はスパルタンな味付けで、後者は一般道でも官能的なサウンドを楽しめるはずだ。
日本仕様のみトラコンを採用するCBR250RRは、従来通りアシスト&スリッパークラッチと3段階のパワーモードも装備。一方のZX-25Rは、元々トラコンを備えているうえに2段階のパワーモードも。新型はどちらかというと排ガス規制への対応がメインと見られ、マフラーが大型化している。
クイックシフターは、日本仕様のCBR250RRはオプション設定のようだが、インドネシア仕様では標準装備するグレードもある。ZX-25RのほうはSE以上であれば標準装備であり、これは現行の日本仕様も変わらない。
CBR250RRの並列2気筒エンジンはシリンダーヘッドの変更などにより圧縮比を12.1→12.5へ。最高出力は41ps→42psへと1psのパワーアップを果たした(インドネシア仕様)。アシスト&スリッパークラッチをはレバー操作力を軽減するとともに、過度なエンジンブレーキがかかった際の後輪スリップを抑制する。
並列4気筒エンジンに2段階のパワーモードを備えるニンジャZX-25R。LOWに設定すると最高出力は80%に抑えられ、スロットルレスポンスもマイルドになる。大型化したマフラーはビッグバイクに通じる多角形デザインでクラスを超えた高級感。アシスト&スリッパークラッチも装備する。
フロントフォークはどちらもSHOWA製SFF-BPだ!
CBR250RRは新たにSHOWA製SFF-BP倒立フロントフォーク(アジャスターなし)を採用した。ZX-25Rは同フォークを元々採用していたが、新設グレードのZX-25RRではプリロード調整機構が追加されている。また、ZX-25RRはリヤにもピギーバックタイプのリザーバータンクを備えたSHOWA製BFRC-Liteのフルアジャスタブルタイプを奢られており、足まわりの装備ではZX-25Rシリーズが一歩リードといったところか。
フロントブレーキも、ウェーブディスクにピンスライド式2ポットキャリパーを組み合わせるCBR250RRに対し、ZX-25Rはラジアルマウント式の4ポットキャリパーを装備していてハイグレード感が光る。
従来もSHOWA製だった倒立フロントフォークをSFF-BPにグレードアップしたCBR250RR。写真はモビリティリゾートもてぎでお披露目された、日本仕様と思われるマシンだ。
ニンジャZX-25RRはSFF-BP倒立フロントフォークにプリロード調整機構を追加した。リヤサスペンションはZX-10Rも採用するBFRC-Liteを25RR専用にセットアップ。
ウイングレット装備のCBR250RRと、フルカラーTFTメーター採用のZX-25R
カウルデザインの変更を受けたCBR250RRは、サイドカウルをレイヤー構造化。これにより、カウル内蔵型のウイングレットを250ccクラスで初めて装備した。
ZX-25Rシリーズはカウルデザインに変更なしだが、こちらもクラス初のTFTフルカラー液晶メーターを採用することで、装備面でCBRを突き放しにかかる。
今はまだインドネシア仕様が発表されたに過ぎないが、いずれ両車ともに日本仕様が登場するのは必至。スパルタンさで勝負するCBR250RRか、プレミアム化を推進するニンジャZX-25Rか。その競い合いは、国境を跨いでさらに激化していきそうだ。ホンダさん、カワサキさん、続報お待ちしてまーす!
カウル内蔵型のウイングレットをクラス初採用したCBR250RR。メーターは反転表示型のモノクロ液晶タイプだ。写真の日本仕様と思われるマシンは、ホンダセレクタブルトルクコントロールのスイッチがあった(インドネシア仕様にはない)。
ZX-25RはフルカラーTFTメーターパネルをクラス初採用。ストリートモードとサーキットモードがあるほか、Bluetooth接続でスマートフォンアプリと連動も可能だ。各種セッティングもメーターの画面上から行なえる。
New CBR250RR「PRIDE IN EVERY RIDE/フォルムも走りも、よりアグレッシブに」
主要諸元■全長2061 全幅724 全高1114 軸距1385 最低地上高148 シート高790(各mm) 車重166kg[SP=168kg]■水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ 249.7cc 38.7ps/12500rpm[42ps/13000rpm] 2.4kg-m/11000rpm[2.5kg-m/11000rpm] 変速機6段 燃料タンク容量14.5L■キャスター/トレール未発表 タイヤサイズF=110/70-17 R=140/70-17 ※[ ]内はSP ※諸元はインドネシア仕様
国内でも10月3日にティーザームービーを公開!
New Ninja ZX-25R/RR「SCREAMING IN-LINE 4 POWER」
主要諸元■全長1980 全幅750 全高1110 軸距1380 最低地上高125 シート高785(各mm) 車重183kg[182kg]【180kg】(装備)■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 249.8cc 出力未発表 変速機6段 燃料タンク容量15L■キャスター24.2°/トレール99mm ブレーキF=φ310mmディスク+4ポットキャリパー R=φ220mmディスク+1ポットキャリパー■タイヤサイズF=110/70R17 R=150/60R17 ※諸元はRR/[ ]内はABS SE/【 】内はSTD/すべてインドネシア仕様
さらなる詳細は関連記事を参照してほしい。
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