
スズキは北米で、GSX-Rシリーズの「GSX-R1000R」「GSX-R750」「GSX-R600」にニューカラーを設定し、2023年モデルとして発表した。逆輸入車として日本でも買うことができていたGSX-R750およびGSX-R600は、それぞれ2018年/2017年モデルを最後に排出ガス規制の関係などから国内導入が終了している。
1980年代カラーと最新スーパースポーツを融合
スズキが北米で2023年モデルのGSX-Rシリーズを発表した。GSX-R1000R/GSX-R1000/GSX-R750/GSX-R600それぞれにニューカラーを設定し、2023年モデルとして発売する。
いずれもスペック等に変更はないようだが、注目は新しいカラーリング。パールブリリアントホワイト×メタリックマットステラブルーはシリーズ全モデルに用意されており、このカラーリングが1980年代をリスペクトしまくっているのだ。よく見ればグラフィックはまったく異なっているものの、濃い青と明るい青、ホワイトを組み合わせ、直線的なラインで描いたグラフィックは、懐かしさと新鮮さを感じさせる。
GSX-R1000/R1000Rは、2017年に発表されたスズキのトップオブスーパースポーツで、MotoGPで培われたVVT(可変バルブタイミング)システムを備えるほか、ローンチコントロールや双方向クイックシフトシステムを装備する。スイングアームピボットは可変タイプだ。上級仕様のR1000Rは、高品質なSHOWA製BFF倒立フロントフォークとBFRC-Liteサスペンションを備え、ブレンボ製モノグロックキャリパー/Tドライブフローティングディスクを奢っている。2023年のカラーバリエーションはR1000が2色、R1000Rは3色がラインナップされる。なお、スズキ100周年カラーを引き継ぐ青×銀に関しては、北米のみGSX-R1000RZと名付けられている。
日本仕様のGSX-R1000Rは、現型式において令和2年排出ガス規制に適合しておらず、モデルチェンジの行方が気になるところだ。
SUZUKI GSX-R1000 / R1000R[2023 U.S. model]
主要諸元■全長2075 全幅705 全高1145 軸距1420 シート高825(各mm) 車重202kg(装備)■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 999.8cc 出力未発表 変速機6段 燃料タンク容量16L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=190/55ZR17 ※諸元は北米仕様GSX-R1000R
SUZUKI GSX-R1000R[2023 U.S. model]Pearl Brilliant White / Metallic Matte Stellar Blue
SUZUKI GSX-R1000[2023 U.S. model]Pearl Brilliant White / Metallic Matte Stellar Blue
37年の歴史を誇るナナハン・スーパースポーツと、兄弟車のR600
GSX-R750およびGSX-R600は、かつて逆輸入車として日本でも買うことができていたが、それぞれ2018年/2017年モデルを最後に排出ガス規制の関係などから販売終了している。その後も独自の排ガス規制を敷く北米エリアでは生き残っており、毎年のようにニューカラーを発表しているのは羨ましい限り。
以下にGSX-R750/R600の歴史を軽く振り返ってみよう。
1985年当時、ナナハンと呼ばれていた750ccクラスに油冷エンジン搭載のGSX-R750でレーサーレプリカの概念を持ち込んだのがスズキだった。AMAスーパーバイクをはじめとしたレースシーンでは4ストローク4気筒の排気量上限が750ccに設定されていたこともあり、これによって“ナナハン”はレースユースに直結したクラスとして隆盛を極めていく。
1992年にGSX-R750は水冷エンジンとなり、比較的短いスパンでモデルチェンジを繰り返してきた。1996年モデルではツインスパーフレームを採用し、その翌年には兄弟車としてGSX-R600も登場。ともにスーパースポーツとして支持されてきた。
情勢が一気に変わったのは2004年だ。スーパーバイク世界選手権で4気筒の排気量上限が1000ccに引き上げられ、それまでレースとは一線を画して公道でのスポーツ性を高めてきていたリッタースポーツがこぞってレースベースとしての資質を備えるようになった。これにはモトGPの4ストローク1000cc化の影響もあったほか、CBR900RRの登場に端を発したリッタークラスの充実で、ナナハンクラスはレース以外での活躍の場が減ってきていたこともあっただろう。
という具合にGSX-R750の誕生から近年までの歴史を駆け足で振り返ってみたが、他メーカーが750ccスーパースポーツをラインナップから外していくなか、最後まで生き残っているのが他ならぬGSX-R750であることは間違いない。
日本では現在、中古車として流通するのみ。しかし、最近では600ccオーバーのNinja ZX-6R(636cc)やCBR650R(648cc)が“ちょうどいいスポーツバイク”として脚光を浴びていることもあり、ナナハンスポーツ待望論が生まれてもいいはずだと思っているのは筆者だけではあるまい。
スペックについては、日本に最後に輸入されていたモデルから特に変更はない模様。
参考:1980年代の青×白GSX-R750をピックアップ!
SUZUKI GSX-R750[2023 U.S. model]
【SUZUKI GSX-R750[U.S. 2022 model]】主要諸元■全長2030 全幅710 全高1135 軸距1390 シート高810(各mm) 車重190kg■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 750cc 出力未発表 変速機6段 燃料タンク容量17L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ※諸元は北米仕様
SUZUKI GSX-R600[2023 U.S. model]
【SUZUKI GSX-R600[U.S. 2022 model]】主要諸元■全長2030 全幅710 全高1135 軸距1390 シート高810(各mm) 車重187kg■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 599cc 出力未発表 変速機6段 燃料タンク容量17L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=180/55ZR17
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