空冷エンジンに別れを告げ、パワフルな水冷60度Vツインを搭載する「スポーツスターS」の登場とともに新世代へ移行したハーレーのスポーツスターシリーズ。その水冷シリーズ2機種目となる「ナイトスター」は、クラシカルなスタイルにリヤ2本サスを備えた、空冷スポーツスターの正統後継機と呼べそうな出で立ちが最大の特徴だ。
●文:ヤングマシン編集部
水冷Vツイン+2本サスの新スタイル!
新世代の水冷エンジン「レボリューションマックス」を搭載する新世代スポーツスター「スポーツスターS」が登場したのは2021年のこと。その後、2022年登場の「フォーティーエイト・ファイナルエディション」をもって、連綿と続いてきた空冷スポーツスターの歴史に終止符が打たれたことは記憶に新しい。
しかし、新世代の1機種目となったスポーツスターSは、そのフォーティーエイトをモダンに進化させたかのようなカスタムライクな車両。クラシカルなルックスを持ち、軽快なハンドリングでワインディングが楽しい「ハーレーで最もスポーティなモデル」という、スポーツスター本来の姿を好むユーザーにすれば複雑な心境だったに違いない。
今回、水冷スポーツスターの2機種目として登場した「ナイトスター」は、そんな従来型スポーツスターファンのモヤモヤを払拭してくれそうなモデル。リヤの2本サスやピーナッツ型タンクを備えたシンプルでクラシックな外観は、XL883Rや1200Rといった、従来の空冷シリーズで最もスポーティだった機種に通じるものだし、前100/90-19/後150-80-16というタイヤサイズも、2004年以降、スポーツスターのベーシックサイズとして継承されてきたものだ。
搭載されるエンジンはスポーツスターSにも搭載される水冷60度Vツインの「レボリューションマックス」。しかし、排気量はスポーツスターSの1252ccに対し、初出となる975ccとされるのが特徴。ボア×ストロークは1252cc版の105mm×72.3mmから97mm×66mmへと変更され、90hp/7500rpm・95Nm/5000rpmを発揮(スポーツスターSは121hp/7500rpm・125Nm/6000rpm)。フラットなトルク曲線を求めて吸気系などをチューニングし、さらにバランサー機構の最適化で「モーターサイクルが生きている」かのような鼓動感も実現しているという。
車体はレボリューションマックスの特徴でもある、エンジンがフレームの一部を兼ねるフレームレス構造として軽量化と高剛性を実現。しかし燃料タンク(容量11.7L)をシート下に備えるのはナイトスターだけの特徴だ。正立式フロントフォークはデュアルベンディングバルブを備えるショーワ製のφ41mm径で、リヤサスペンションはプリロード調整を持つ2本リヤショックと鋼管製スイングアームの組み合わせ。このリヤショックが接続されるリヤセクションはアルミ材を用いており、車両重量はスポーツスターSより7kg軽い221kgを公称する。
また、705mmのシート高(無負荷状態)による良好な足付き性に加え、ABSや走行モード切り替え機能(「スポーツ」「ロード」「レイン」の3モード)やトラクションコントロール、過度のエンジンブレーキによる後輪スリップを抑えるドラッグトルクスリップコントロールシステムといった電子制御により、安全性や乗りやすさも追求されている。
カラーバリエーションはビビッドブラック、ガンシップグレー、レッドラインレッドの3色で、ユーザーへの納車は5月以降となる。価格は188万8700円~191万9500円。また、4月15日〜17日の3日間、東京都渋谷区の東急プラザ渋谷2階で車両展示も行われるという。
HARLEY-DAVIDSON NIGHTSTER[2022 model]
主要諸元■全長2250 全幅836 全高1108 軸距1556 シート高705(各mm) 車重221kg■水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ 975cc 90hp/7500rpm 9.69kg-m/5000rpm 変速機6段 燃料タンク容量11.7L■タイヤサイズF=100/90-19 R=150/80B16 ●価格:188万8700円~ ●色:黒、灰、赤 ●発売日:2022年4月13日(納車時期は2022年5月以降)
【動画】ハーレーNEWモデル登場「ナイトスター」〜975cc水冷Vツイン搭載!![WITH HARLEY ウィズハーレー チャンネル]
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